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【連載】あなたの知らないリアルなニューヨーカー/第3回「出逢いと別れを繰り返す街」

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ニューヨーク在住、TABIZINEライターの青山沙羅です。あらゆる国から人が集まっている、ニューヨーク。この街には集まった人の数だけ、異なる人生があります。世界の大都会を輝かせているのは、この街を目指した人々の希望、絶望、涙、吐息。筆者の心に残る、忘れられないニューヨーカーたちとの出逢いを語ってみましょう。絵空事ではない、あなたが知らないリアルなニューヨーカーとは。

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ニューヨークは出逢いがあり、そして別れがある街。感傷に浸っている暇もなく、また次の新しい人と出逢っては、再び道が分かれていきます。


(C) Hideyuki Tatebayashi
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英語のクラスで一緒だったアダムは、36歳既婚のポーリッシュ。陽気で明るく、クラスで一番の優等生。ビールの飲みすぎと食べ過ぎの結果だと、突き出たお腹を揺すって見せるのが得意でした。いつも冗談ばかり言って本心が分からないので、実はちょっと苦手な人だったのです。

ポーランド人が多いニューヨーク

ニューヨークにはポーリッシュ(ポーランド人)が多く、彼らは英語が上手、頭の回転が早く理論的。自分の意見を整理して、人前で語れるなどが特徴。身体的には、色が白く金髪の人が多いです。

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ニューヨーク最大のポーランド人街が、ブルックリンのグリーンポイント(Greenpoint)にありますが、彼はそこの近隣のクイーンズ区のマスペス(Maspeth)に住んでいました。

ニューヨークは人種によって住み別けられており、マスペスはポーランドなど東欧系と中南米系が多く住むエリア。ニューヨークをよく人種の坩堝と言いますが、決して混じり合うことはなく、「他人種は混じらない住み分けの街」なのです。エリアで生活レベルが明確になってしまう街ともいえます。


ポーランドの風景

マンハッタンの故国のレストランで働く

英語のクラスへ通った後、マンハッタンのポーランド系のレストランでディナータイムに働いていたアダム。アメリカに移民してくる人たちは、自分たちのコミュニティなどを頼り、故国の関係で働く人が多いのです。

故国の人が集まるエリアに住み、故国の味のレストランに勤めて、アダムは始めに描いていたアメリカ生活とのギャップに疲れていました。ポーランドを出てきた時には、「アメリカなら、夫婦で生きていける」と考えていたのに、グリーンカード(永住権)を持たない者には、職種は選べるほどないのです。もちろんポーランドで従事していた職に就くことも出来ません。夫婦で共働きをしても、英語のための学費とニューヨークの高い家賃や生活費で、手元にはほとんど残らないのです。

妻に初めての子どもが出来たんだ

週末のフリートークのクラスで、一緒になった時のことです。

「妻に子どもが出来たんだ。初めてのベビーだよ」
「おめでとう。良かったわね」

念願の初めての子どもです。でも、現在のギリギリの生活で、ニューヨークで子どもを育てられるのだろうかと悩んだそうです。そして家族のことを考え、ある結論を出しました。

僕たちが生活出来る国へ行くよ

「学校は今週で終わりにするよ。僕たちは、来月ニューヨークから離れるんだ」
「どこへ行くの?」
「スコットランドへ行くのさ」

EU協定で加盟国間では合法で働けるため、スコットランドへ移住するというのです。スコットランドには知人がおり、住居や牧場での仕事もあるということでした。どちらも見ぬ国なれど、彼の故国ポーランドとスコットランドは似ているのではないかと思いました。いずれも自然豊かな美しい国です。

いつもふざけてばかりいる彼と、打ち解けて個人的な話をするとは、思ってもみませんでした。

「日本に関するテレビ番組を見たよ。ニューヨーク並みに近代的なのに、歴史も残り、アニメやオタクの文化もあり、興味深いね」
「いつか僕たちが家族で日本へ行くとしたら、どこへ行くべきだと思う?」
「こんなプランはどうかしら?」などと、夢中で語り合ったのです。

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スコットランドの牧場

出逢いがあれば別れがある

「今日は君と色々話せて楽しかったよ。逢えるのは最後になると思うけど、元気でね」
「幸運を祈っているわ」

彼の素顔や心に抱えているものに触れたのは、これが最初で最後でした。色々な人がやってきては、去って行く街ニューヨーク。そして、誰もが密かな悲しみを抱え、ささやかな幸せを望んでいることを知り、切ない気持ちになるのです。

【連載】あなたの知らないリアルなニューヨーカー/第4回は、4月25日月曜日にお届けいたします。

[Photos by shutterstock.com]

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