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映画「プラダを着た悪魔」に学ぶ、理不尽な上司とのつきあい方

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(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

たった一本の映画が人生を変えてしまうことがあります。そんな「運命の映画」には、必ず「刺さるセリフ」があるものです。

映像、音楽、衣装など、総合芸術と呼ばれる映画にはたくさんの見どころがあります。中でも私たちの胸を強く打つのが、登場人物たちが語るセリフ。悩んだとき、落ち込んだとき、人生に足踏みしてるとき。たった一本の映画の、たった一言が、その後の自分を大きく揺さぶることがあるのです。そんな「運命的な映画のセリフ」を、筆者の独断と偏見でお届けするこのコーナー

今回ご紹介するセリフは、きらびやかなファッション業界誌の舞台裏をユーモラスに描いた「プラダを着た悪魔」(2006年)から。ニューヨークでいきいきと働く女性たちのファッションに魅了されつつ、恋に仕事にまっすぐな主人公の姿に「あしたも頑張ろう」と思える刺激的な作品です。

公開当時、まだ社会人になったばかりの駆け出しだった私は新人アシスタントの主人公アンディ(アン・ハサウェイ)に、自身の境遇を重ねていました。ところが働きはじめてそれなりに日々が経過した今、改めて鑑賞してみると、アンディに悪魔のような命令を下し続ける鬼上司ミランダ(メリル・ストリープ)にも共感できる自分がいました。そしてミランダの横暴さをよく表したセリフに、新人時代の苦い記憶とあいまって、思わず吹き出してしまうのでした。

パワハラ上司の鬼指令

一流ファッション誌『RUNWAY』のカリスマ編集長ミランダのもとでアシスタントとして働くことになったアンディは、ドルチェ&ガッバーナとは何かも知らない、ファッションに無頓着な女性。お世辞にもお洒落とは言いがたく、ミランダからは「センスゼロ」とばっさり。同僚からも「お婆ちゃんのスカート」と陰口を叩かれる始末。本人も「なぜアシスタントに採用されたのかわからない」と首を傾げるほどで、もともとの夢であるジャーナリストとは程遠い仕事内容やファッション業界の慣習が、どうにも面白くありません。

加えて上司は、気まぐれでサディスティック。彼女の要求に応えられず、クビにされた人は数知れず。たとえば「嵐で欠航した飛行機を今すぐ飛ばせ」といった無理難題を平気で押しつけてきます。しかもアシスタントを困らせるための意地悪でも、力量を試すための試練というわけでもなく、心の底から求めてくるからタチが悪い。いつも眼鏡を少しだけズラし、用件のみを手短に語れば、あとはお決まりの“That’s all.”(以上よ)。うーん、この悪魔。

(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

ミランダに許されるのはプランAだけ

しかし頑張り屋さんのアンディはめげません。どうにかミランダに食らいつこうと、社内の同僚や知り合った業界人の助けを得ながら、必死でニューヨークを駆けずり回ります。高いヒールの底がすり減りそうなほどに。

そんなある日、まだ発売されていない『ハリーポッター』シリーズ最新刊の原稿を娘のために入手しろ、という無理難題を課されたアンディ。相談した知人には「諦めて代案を考えろ」と呆れられます。しかし彼女は「それもそうか」と開き直ることもなく、ひたむきに問題解決の道を探ります。なぜならアンディは、ミランダのことがよく分かっているからです。

「彼女はミランダなのよ。彼女にプランBはないの」

さて、アンディは『ハリーポッター』最新刊を無事に入手できたでしょうか。


どう働くかは、どう生きるか

ミランダほどでないにせよ、理不尽な上司はどこの会社にもいます。しかしそれは上司の性格もさることながら、彼や彼女の置かれた立場が理不尽さを招いている、そんな場合が少なくありません。つまり部下には往々にして、上司の要求が理不尽に映るもの。

たとえばミランダはファッション業界そのものを左右する実力者です。彼女の誤った選択が、あるいは優柔不断な態度が、たくさんの人を振り回し、彼らの人生を不幸にするかもしれません。プランBを認めない、代案で済ますことを許さないというのは、それだけ仕事に厳しく、重責を担っていることの裏返しなんですよね。新人時代を脱し、仕事のイロハを身につけ、部下を持ちはじめた立場になったなら、ミランダの気持ちにも寄り添うことができるのではないでしょうか。

かくしてミランダは「ミランダ」であることに徹します。悪魔と呼ばれても、冷酷なサディスト扱いされても、ミランダとして生き続けることを選びます。どう働くかは、どう生きるかと同じこと。

さて、アンディはどうか。これを読んでいるあなたはどうですか。ミランダやアンディのように、仕事に真摯に向き合い、自分はどう生きるべきかを胸に問いかけ続けていますか。賛否の別れるラストを、ぜひ観て、感じてみてください。ちなみに私はアンディに対して賛成派です。

『プラダを着た悪魔』

ブルーレイ発売中

¥2,381+税

発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

※今回、取り上げたセリフは当該シーンの字幕を元にしています。原文の解釈や表現できる文字数の違いから、吹き替え版とは若干異なります。

文:松岡厚志

1978年生まれ、ライター。デザイン会社ハイモジモジ代表。ヨットハーバーや廃墟になったプールなど、場所にこだわった映画の野外上映会を主催していた経験あり。日がな一日映画を観られた生活に戻りたい、育児中の父。

イラスト:Mazzo Kattusi

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