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“ロックは生き物、俺たちと同じ”シーナ&ロケッツとサンハウス、4時間にわたりシーナに捧げるロックンロールをプレイ―OTOTOYライヴレポ

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2016年4月6日(水)と7日(木)の2日間、東京・下北沢GARDENにて〈鮎川誠 Presents 『シーナの日』# 2 ~シーナに捧げるロックンロールの夜~〉がシーナ&ロケッツとサンハウスの出演で行われた。

OTOTOY ライヴ・レポートでは、4時間にわたり行われた7日(木)の模様をお届けする。

2015年2月14日に61歳で亡くなったシーナさんに捧げるライヴとして昨年の同日にも開催されたこのイベント。今回はシーナ&ロケッツとサンハウスが出演して行われた。開演前、スクリーンにシーナ&ロケッツの数々のライヴシーンが映し出され、2014年9月13日に行われた35周年記念の野音ライヴでの「レモンティー」、「You May Dream」などが流された後スクリーンが上がり、シーナ&ロケッツがステージに登場。鮎川誠(Gt)、奈良敏博(Ba)川嶋一秀(Dr)が全員サングラス姿の3人は「Batman’s Theme」からスタート。フロアは年季の入ったロック・ファンでギッシリ埋まっている。そういえば、会場入り口のスモーカーの多さが久しぶりにロックなライヴに来た感覚にさせてくれた。2曲目「Virus Capsul」では奈良が弾く直線的なビートに鮎川のギターが延々とブルージーなフレーズを乗せていく。

「今日はシーナの日にようこそ!『シーナの日』は去年シーナがこの世を去って、2ヶ月後にたくさんの仲間が来てくれて追悼ライヴをしてくれました。今年は2daysやります。シーナが大好きだった下北沢で、シーナが大好きだったサンハウスが福岡から来てます。みんなロックしようぜ!」との鮎川のMCに、みんなこの日を待ちわびていたと言わんばかりに大歓声が上がる。

メンバー紹介から、「平均年齢が下がってありがたい(笑)」と、鮎川家の三女ルーシー・ミラーが呼び込まれ、革ジャン姿でステージへ上がりボーカルとして加わると、モータウン調の「Sweet Inspiration」でボーカルをとる。サビで観客にコーラスを求め、一気にステージが華やいだ。「Happy House」から、ギターのハウリングから豪快に疾走する「Pillow Talk」へ。中央で肩を並べてプレイする鮎川とルーシー。金髪の長い髪をなびかせながら歌うルーシーに、多くの観客がシーナの姿を重ねて観ていたのではないだろうか。「シーナの曲をいっぱい聴いて下さい! 最高の曲がいっぱいあるので!」とルーシー。

「クリス・スペディングがゲストで参加した曲、ポイズン!」と曲を紹介、鮎川がスライドギターを聴かせ、「Train Train」と続く。鮎川曰く、「47都道府県はシーナ都道府県(笑)」というほど全国を一緒に周ってきたというシーナにとって最後のアルバム『ROKKET RIDE』から表題曲、「ROKKET RIDE」をプレイ。ライヴ後半は「Lazy Crazy Blues」から、コール&レスポンスを挟み「レモンティー」が飛び出すと、ひと際フロアが盛り上がる。タンバリン片手にシーナそのもののアクションを魅せるルーシーに手を上げて応える観客たち。こうして鮎川夫妻の娘が中央でボーカルを取っているという事実は良く考えたらものすごいことだ。ルーシーは気合の入った歌声で見事に大役を果たしている。

「シーナに捧げるロックンロールショー、みんなありがとう! ロックは生き物、俺たちと同じ。シーナがいつも言いよった“いつも夢を忘れないで”って。そんなシーナのフェイバリットを聴いて下さい!」との鮎川のMCから「You May Dream」へ。客席にマイクを向けて合唱を促すルーシー。キュートなメロディと骨太なギターロック・サウンドが融合した名曲だ。ラストはデビュー曲「涙のハイウェイ」を歌い終え、「サンキュー、シーナ!」とステージを降りた。

続いて、スクリーンに映し出された映像の中でシーナに呼び込まれ、サンハウスがステージへ上がった。タバコをくわえて登場した菊(Vo)と再びステージに登場した鮎川と奈良。そして篠山哲雄(Gt)、鬼平(Dr)が演奏を務める。1975年のアルバム『有頂天』でメジャー・デビューしたメンバーたちだ。くわえタバコのままギターを弾いている鮎川、じつに絵になる。オープニング曲は「King Snake Blues」。間奏でマイクスタンドを男性シンボルに見立てて妖しいアクションを魅せる菊。『有頂天』のジャケットを連想させるシーンだ。続いて「爆弾」へ。独特の迫力を持った歌声と、派手なビジュアル、何か見てはいけないものを見ているようなハラハラドキドキ感がある。そしてその反面、激しい音の渦の中でもハッキリと歌詞が聴き取れる明瞭なボーカルで観客を惹きつけて行く。

ロー・ポジションを多用する鮎川のギターが太い音でバンドを牽引しながらライヴは進み、「風よ吹け」では赤いラメのガウンを脱いで上半身ハダカでシェイカーを振り、まるで喋るように歌う菊。ワンマイクで鮎川とコーラスを取る。「40年やってる、サンハウスです!」とのMCを挟んで歌われたメロウな曲、「ふっと一息」は、 菊の声の良さが際立って聴こえる名演だった。続く「宛名のない手紙」では太い8ビートをぐいぐい前のめりに押し出すリズム隊とサイド・ギター、間奏では鮎川がメロディアスなソロを弾いて熱くさせる。「ふるさとのない人たち」の一転してライトなシャッフル・ナンバーも爽快だ。ギターが2本いるためか、鮎川のギターはバッキングとオブリガード、ソロというメリハリがハッキリしており、ふくよかな音色が楽曲全体をパワフルにしている。シーナがデビュー・アルバム『#1』でも1曲目にとりあげた「夢見るボロ人形」のジャングル・ビートで会場を熱くすると、菊が「40年やってない曲」と紹介してカントリー調の「ねえママ」を演奏。ブレイクしてドラム・ソロを叩く鬼平をきっかけにテンポアップして盛り上げた。さらに躍動感あふれる「どぶねずみ」では繰り返されるギター・リフと、菊が振るシェイカーの音がしっかりとバンドのグルーヴを生み出している。

「暑いね! 代わりに歌ってくれよ(笑)!」菊とお客さんとの軽妙なやりとりもあり、百戦錬磨のバンドマンぶりを発揮しつつ、ライヴは後半戦に突入。「ロックンロールの真最中」で文字通りストレートな3コードのロックンロールを聴かせたかと思うと、ワンコードで押し通すブルース「なまずの唄」と、『有頂天』からの曲を続けて披露する。この曲のようなワンコードで延々ループするブルースは、ビート感は違えどクラブ・ミュージックにも通じるかもしれないなあと思いつつ聴いていると、間奏で篠山のギター・ソロに注目が集まり観客から大きな声援が送られる。この日集まったお客さんはみんなロックが好きで温かい。
ルーズなビートが心地良い「やらないか」ではメンバーがソロをまわし、鮎川の番が回ってくると慌ててアドリブを取る姿に客席が和む。ここまで16曲を終えて一旦ステージを降りた。

アンコールでは「夜は恋人」「地獄へドライブ」「借家のブルース」と続け、鮎川はレスポールの弦が切れセミアコに替えてプレイ。「ぬすっと」ではスライドギターが菊のボーカルに呼応する。このスライドの音は絶品だった。ボ・ディドリー・ビートの「すけこまし」で長まわしの演奏の中、「俺はあんたとやりたいだけさ」とストレートすぎる欲望を言葉にして繰り返す菊の歌声に脳が揺さぶられるようだ。

2度目のアンコールでは鮎川がマイクを取り、菊のソロ・アルバムが完成したことを報告、6月9日の渋谷クラブクアトロを皮切りにライヴ・ツアーが始まることを告げると大きな拍手が起きた。「ミルク飲み人形」「キザな奴」から「もしも」のエンディングでドラムがリズムをキープ。期待で高鳴る胸を突き破るようにバンドが一体となったビートを走らせて「レモンティー」へ。サビのブレイクでファンも大合唱して今日一番の盛り上がりとなった。何度もエンディングを迎え「どうもありがとうございました!」と締めつつ、「しぼって~」と再び歌い始める菊。いったいいつ終わるのか!? と誰もが笑いながらもたっぷり楽しんで、4回繰り返してライヴは終了。

「今日はどうもありがとう! また来年〈シーナの日〉、今度は3daysかな(笑)? また会いましょう、どうもありがとう!」と鮎川が感謝を伝え、ステージ前に一列に並んだメンバー5人に万雷の拍手が贈られた。ステージを去り際、鮎川、菊がステージ付近のお客さんと握手を交わしながら、ステージを降りて行った。トータルでじつに4時間にもわたる長いライヴだったが、次々と畳みかけるように繰り出される熟練の演奏と、ルーシーの華やかな歌声、そして全く衰えることなく24曲を歌い続けた菊のボーカルを存分に楽しむことができ、シーナさんが残したロック・スピリットを知ると共に、ロック・バンドのライヴこそが最高のエンターテイメントなんだと再認識させられた〈シーナの日〉だった。(岡本貴之)

〈鮎川誠 Presents 『シーナの日』# 2 ~シーナに捧げるロックンロールの夜~〉
2016年4月7日(木)下北沢GARDEN

●シーナ&ロケッツ セットリスト
1. Batman’s Theme
2. Virus Capsul
3. Oh no! I’m flash(ホラ吹きイナズマ)
4. Sweet Inspiration
5. Happy House
6. Pillow Talk
7. Lollipop and rainbow
8. PISON
9. Train Train
10. ROKKET RIDE
11. たいくつな世界
12. OMAEGA HOSHII(ONE MORE TIME)
13. Lazy Crazy Blues
14. Lemon Tea
15. You May Dream
16. 涙のハイウェイ

●サンハウス セットリスト
1. King Snake Blues
2. 爆弾
3. あの娘にくびったけ
4. 風よふけ
5. ふっと一息
6. あて名のない手紙
7. ふるさとのない人たち
8. 夢見るボロ人形
9. ねぇママ
10. 雨
11. 家にお帰り
12. どぶねずみ
13. ロックンロールの真最中
14. なまずの唄
15. カラカラ
16. やらないか
アンコール①
17. 夜は恋人
18. 地獄へドライブ
19. 借家のブルース
20. ぬすっと
21. すけこまし
アンコール②
22. ミルク飲み人形
23. キザな奴
24. もしも
25. レモンティー

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