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制作開始から10年以上、フリーゲーム「新史記」製作者に訊いたゲーム創作への意欲

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インターネット上では日々、新作のフリーゲームソフトが制作、発表されている。
中には有料ソフトよりも質が高く面白いものもあり、けっしてフリーと侮れない作品も多い。
フリーソフトには様々なジャンルがあり、最近ではホラーアドベンチャー物が多く発表されているが今後どのようなジャンルが流行るかは未知数である。

数多くの作品が現れては消えていくフリーソフト全盛期の今、10年以上に渡って制作が続けられているゲーム「新史記」
中国の歴史に名高い項羽と劉邦の”漢楚の戦い”を戦術シミュレーション化したこのゲームは現在第1巻第2巻が公開中であり、現在進行形で制作が続行中である。

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ゲームプレイはシンプル。プレイヤーはまず城で軍団編成をおこない、司令、軍師、副官を選ぶ。どの将にどの役割を与えるかで軍団の能力が変わる。

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軍団を編成して出撃(赤が自軍)
敵軍団や敵の城へ移動場所を決定すれば進軍、敵と衝突して戦闘開始。
軍団に計略の得意な将がいれば、奇襲や、地形を利用した火計、水計が発動する。

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覇王、項羽に正面から挑んでも勝ち目はない。軍団を分けての挟撃や計略が勝敗を左右する。

製作者”羽帥”氏へのインタビュー

――最初にこのゲームを制作するに至ったきっかけはなんだったのでしょうか?

もう三十年くらい前になります。

たまたま、司馬遼太郎氏の「項羽と劉邦」という作品を読んだんですが、「なんてぶっ飛んだ英雄達だろう」と強烈なインパクトを持ったのがきっかけです。

この時代の英雄達が生き生きと躍動するゲームを作ってみたい、と強く思ったのが最初のきっかけです。

――”漢楚の戦い”を題材にしたゲームというとあまりききませんが、影響を受けたゲームや小説などはありましたか?

きっかけは司馬遼太郎「項羽と劉邦」ですが、イメージな部分では本宮ひろし氏の漫画「赤龍王」ですね。
ですが、なんといってもゲームを作る際に参考にしたのは、司馬遷の「史記」です。これをよんで、私の項羽と劉邦に対するイメージがひっくり返りました。
特に劉邦は、小説のイメージとは似ても似つかない英雄でした。
ゲームのシナリオでは、そういう劉邦の英雄としての光と影をさり気なく取り入れています。

小説では宮城谷昌光氏の「長城のかげ」が秀逸でした。この作品は影響をうけたというよりも私の感覚は間違ってないんだ、という確信を得ることができた作品です。

――シミュレーションゲームというと敷居が高いイメージがありますがこのゲームは操作はシンプルで、且つ面白い奥深さがありますね。制作にあたって意識していたことや苦労した面などありますか?

歴史書や、小説は文字なので、マップの作成、勢力や城の配置などのビジュアル面は苦労しました。
当時の地図が記載された資料を探してきて、じっと一日中眺めてましたね。

大河の近くに戦略的な都市があったり、ゲームでは関係ないのですが、穀物の集積基地があったりとか、そういうことを意識しながら、登場する城を取捨選択していきました。
また、ゲームのコンセプトはとにかくシンプルであること、を心がけました。
どちらかというと海外のゲームの考え方に影響を受けています。

その上で、英雄達が小説などのイメージに近い活躍をするよう、能力は思い切って振り分けました。
あまりユーザーに親切すぎないようにも配慮しています。
結果として、少々辛口なバランスになっています。

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