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Androidスマートフォンがカーナビになるパイオニアの『ナビクレイドル』を実車レビュー

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Androidスマートフォンがカーナビになるパイオニアの『ナビクレイドル』を実車レビュー

いまや車の必需品となったカーナビ。ちょこちょこ停車して、地図本を見ながら知らない土地を走っていたころが思い出せないほど、ドライブでは手放せないアイテムになっています。最近ではスマートフォンの普及により、『Googleマップ』をカーナビ代わりに利用する人も多いのだとか。そんな中、カーナビを長年開発してきたパイオニアが、スマートフォンと組み合わせてカーナビに利用できる『カロッツェリア スマートフォンリンク ナビクレイドル SPX-SC01』(以下、『ナビクレイドル』)を発売しました。9月16日には、NTTドコモからも『ドライブネットクレイドル』として発売された同製品をお借りして、実際に車に取り付けて都内を走行。さらに、同製品を開発・販売するパイオニア販売の広報担当者に取材する機会に恵まれたので、詳しくお話を聞いてきました。

アプリをインストールしてクレイドル設置!

アプリ画面

『ナビクレイドル』は、専用アプリ『ドコモ ドライブネット』を『ドコモマーケット』か『Androidマーケット』からインストールしたドコモのAndroidスマートフォンと組み合わせて、カーナビとして利用するクレイドル。使うにはまずアプリのインストールから、ということでインストールしてみました。起動後に地図データをダウンロードするので、SDカードなどストレージの空き容量が50MB以上必要です。対応端末でなければ動作しないので、あらかじめマーケットの動作端末を確認しておきましょう。

インストール後は、地図表示、検索、自車位置表示の機能が無料で利用できます。アプリ単体でも動作しますが、『ナビクレイドル』に取り付けてアプリを起動することで、渋滞を回避してルート検索できる『スマートループ渋滞情報』、燃費のよい運転ができているかチェックできる『エコ機能』が利用可能。『ナビクレイドル』はただのクレイドルではなく、専用のGPS、車の方向を検知するジャイロセンサ、車の傾きを検知する加速度センサを搭載しているので、スマートフォン単体で使うより高精度なナビゲーションが可能になります。

『ドコモ ドライブネット』は、月額使用料315円を支払うことでルート検索やエリア情報などすべてのサービスを利用できるので、ここでは利用を申し込んだ状態でレビューすることにします。『ドコモ ドライブネット』有料サービスは、『MyDocomo』からの申し込みが必要。詳しくはドコモか『パイオニア カロッツェリア』のウェブサイトを確認してください。

ダッシュボードに設置

車のダッシュボードへの取り付けは、実際には取り付け用の板を貼り付け、その上に『ナビクレイドル』を吸盤で固定します。今回はレンタカーを借りて走行したので、ちょっと見栄えが悪いですがテープで貼り付けたプラスチック板に吸盤で固定しました。『ナビクレイドル』の電源はシガーソケットから取り、さらに接続したスマートフォンを充電することもできます。これはちょっと便利。ダッシュボード上の『ナビクレイドル』は、ハンドルを持った状態でも見やすい位置にあります。これで準備完了です!

いよいよ走行開始

今回の走行ルートは、編集部のある新宿を出発地、世田谷区民会館を目的地に設定。初台から山手通りを南下し、首都高速環状線に乗って大橋ジャンクションを経由するルートを選びました。都心にできた巨大構造物の中をらせん状に走る大橋ジャンクションでも、正しくナビゲーションしてくれるのでしょうか。楽しみになってきました。

今回走行したルート(Googleマップ)
http://g.co/maps/fc5fk[リンク]

スマートフォンからルートを設定して、スマートフォンを『ナビクレイドル』に取り付けて走行を開始します。ルート設定はスマートフォンのフリック入力や音声検索が利用できるので、カーナビ専用機よりも入力が楽チンです。走り始めると『ナビクレイドル』の内蔵スピーカーから「200m先、左折します」と音声案内が流れてビックリ。「これカーナビじゃん!」と当たり前のことに驚くスタッフ一同でした。音声案内のタイミングも、交差点に入る前のちょうどよい場所で流れるので、快適にナビゲーションを受けることができます。

イラスト表示が分かりやすい

実際に見ながら走ってみると、スマートフォンを縦に設置した画面が非常に見やすいことに気づきます。クレイドル上のスマートフォンを回転させて、一般のカーナビのように横画面にすることもできるのですが、縦画面の方が進行方向の先まで地図が見通せて分かりやすいのです。交差点や高速に乗るランプ入り口では一般のカーナビのように車線や側道などをイラストを表示してくれるので、音声案内と地図表示を頼りにサクサク進んでいけます。

大橋ジャンクションで自車位置がロスト!

大橋ジャンクションへ

平日の日中ということもあり、渋滞情報の助けも借りることなくスムーズに大橋ジャンクションに入りました。ここで画面を見てみたところ……あれ? 画面上の自車位置が更新されなくなってしまいました。大橋ジャンクションのどこを走っているのか見たかったのに!

あわてた筆者はそのままジャンクションを上り、世田谷方面への出口がよく分からないまま走り抜けてしまいました。ジャンクションを抜けると自車位置の表示が正常に戻ったので改めて地図を確認したところ、世田谷方面とは逆の渋谷方面へ向かっていることが判明……。

そのまま首都高速渋谷線を走り、ナビがリルートしてくれるのを待っていたのですが、今度は自車位置が一般道上にあると認識され、出口の案内ができなくなってしまいました。なんとか自力で高速を降りて国道246号線に行き、ナビが正常にリルート可能に。

世田谷公会堂に到着

その後はナビどおり順調に走行し、目的地の世田谷公会堂に到着。「よし、帰りこそは大橋ジャンクションの正常な表示を見届けるぞ!」と意気込んだものの、世田谷方面から抜けるジャンクションは、らせんルートを通らない構造になっていたのでした。無念……。

特徴を整理

実際に車で走行してみて見えてきた、“ナビクレイドル”の特徴をここで整理します。

– よかったところ
・ナビ画面をハンドル近くに設置でき、運転中も見やすい
・目的地の検索がしやすい
・ちょうどよいタイミングで音声案内してくれる
・縦画面は地図が先まで見えて分かりやすい
・交差点や合流地点などのイラスト案内が分かりやすい

– ちょっと? なところ
・自車位置が更新されないことがある
・自車位置が高速道路か一般道か分からないことがある

これらの点について、パイオニアの取材で聞いてみることにしました。

パイオニアさんに聞いてみた

パイオニア販売 営業統括部マーケティング本部プロモーション課の根井靖雄さん

取材に応じていただいたのは、パイオニア販売 営業統括部マーケティング本部プロモーション課の根井靖雄さん。『ナビクレイドル』の広報担当者として回答していただきました。

ガジェ通:今回使ってみて、縦画面というのが非常に見やすいと感じました。

根井:だいたいカーナビって横長画面ですよね。ふだんカーナビを使われているお客様は、やっぱり先が見えないと不安なんです。次は右左どっちに行くのか、何百メートル先でも、どっちに行くのか不安になる。なのでカーナビをご存知のお客様ほど、縦型で使われる傾向が強いようです。

ガジェ通:見やすさで工夫されている部分はどんなところでしょうか。

根井:普通のカーナビとは絶対的な画面サイズが違うというところがあります。これだけ小さいと道路の区分が難しいところがあります。カーナビだと道幅によって、あるいは国道、私道がきっちり分けられるのですが、このサイズだと太さで差別化するのはギリギリ。色分けや描写に工夫して見やすくしています。

『スマートループ渋滞情報』は点線がオレンジ、赤、ブルーで出るんです。VICSだと実線なんですね。細い破線だと見づらいので、9月のバージョンアップでより見やすく、細かいところが改善されています。

あとは情報の整備。次に分岐点になるところで、どこで曲がればいいのか。カーナビと違うところは画面の表示情報が少ないということがあるので、ひとつのボタンでも何種類かの表示データを入れて切り替えて使っていただくとか。地図自体は弊社のカーナビ地図同様なんですが、インタフェースではドコモさんのスマートフォンを使うノウハウが数多く投入されています。

ガジェ通:実は大橋ジャンクションを走ってみて、自車位置が更新されない現象があったんです。あと、高速道路か一般道か認識できないこともあるようです。

根井:『ナビクレイドル』は車載専用のGPSレシーバーも当然持っているんですが、車の方向を見るジャイロセンサや、車の傾きを見るGセンサといった、通常のカーナビとほぼ同じ精度のセンサ部品をクレイドル側に持っています。これによりトンネルの中でGPSを受けない状態、あるいは西新宿のような高層ビル街でも自車位置を判断するのです。通常GPSの電波は、衛星の存在する角度によって、電波がビルにはね返ってマルチパスという障害などが発生し、誤差が出てくる。それを受けてしまうと自車位置が狂ってしまうことがあります。

ジャンクションのトンネルの中でその状態というのが、何が影響しているのか……。実は大橋ジャンクションなどのカーナビにとって悪条件の場でも実証はやってるんですよ。スマートフォンだけのGPSに頼っていないので、本来なら『ナビクレイドル』ならトンネルでも3種類のセンサで自車位置を把握して走りますから、GPSをまったく受けない状態でもなんらかの動きをしていくはずなんですよ。あの場所は高性能なカーナビでも自車位置を正確にとらえて走るのは難しい環境になっているようです。ただこのクレイドルのセンサはそのような誤認識の状況を学習していきますので、もう一度走っていただければ正確な自車位置と的確なルートを示すことも可能になっていきます。

高速と並行して真下を走る道でどちらを走っているか分からなくなる、それはカーナビでも起こる可能性はあるんですよ。ただ、その場合でも一定時間走って「あ、違うな」と判断して自車位置マークが実際の走行道路に切り替わります。

このクレイドルはカーナビに負けない位置精度を目指して作っていますので、アプリだけを使ったものより間違いなく本格的カーナビとして使っていただけるはずです。

ガジェ通:パイオニアさんの今後の取り組みについて教えてください。

根井:スマートフォンを車の中の情報デバイスとして活用するカーナビゲーションとしての使い方は、今年の『CEATEC』にも出展するのですが、ヘッドアップディスプレー(HUD)が実用化のメドが立ってきたので、これでフロントガラスを活用してこれからのカーナビの形のひとつとして提案していきます。

ドライバーの視界は邪魔しないで、ドライブを的確にサポートする、実用的でしかも直感的に把握できる情報を提案していきたいと考えています。

『ナビクレイドル』の発展というのも可能性としてはあるんですが、このスマートフォンを車での情報デバイスとして使った事業を考えています。カーナビでスマートフォンのメリットというのは当然ありますよね、リアルタイムに情報が通信で取れるという、我々がカーナビで目指したことが半分はこれで具現化できてしまうんですよ。これをいかにカーナビとか車の中の情報として有効なものとして使っていくか。スマートフォンの有用性は分かっているので、もっとできることを模索していきたいと考えます。

ガジェ通:ありがとうございました。

* * * * *

今回は限られた貸し出し期間でのレビューだったため、自車位置が更新されない現象については十分に検証できなかったのですが、『ナビクレイドル』のセンサを使って自車位置は検出できるはず、というお話でした。確かに、新宿のビル街や大橋ジャンクション以外のトンネルを走行しているときには、正しく自車位置が表示されていたので、スマートフォンのアプリだけを利用する場合と比べて高精度なナビゲーションができるのは間違いないようです。

上下の道の検出は、一般のカーナビでも難しいもの。これについては、地図データの充実やセンサの進化で、より高精度なナビゲーションができることに期待したいところです。

少なくとも、アプリは常にバージョンアップしていけることから、今後より使いやすいものになる可能性がある点が、従来のカーナビ製品と異なる大きな特徴。パイオニアとドコモによる、スマートフォンを使った新しいカーライフの提案に今後も期待が持てそうです。

『カロッツェリア スマートフォンリンク ナビクレイドル SPX-SC01』製品サイト
http://pioneer.jp/carrozzeria/splink/cradle/index.html

『カロッツェリア スマートフォンリンク ナビクレイドル SPX-SC01』主な仕様
サイズ:W86×D61×H125mm
重量:約170g(コード含まず)
出力端子:φ35mmステレオミニジャック、microUSB電源出力端子
GPS:50チャンネルマルチチャンネル受信方式
Bluetooth:2.0
スピーカー:内蔵(φ26mm)
シガーライター電源ケーブル:入力DC12V、出力DC5V、ケーブル長さ1.5m
最大消費電流:2.0A
付属品:シガーライター電源ケーブル、吸盤取り付け板、落下防止用ストラップ(50cm)、スペーサー×2、スペーサー(コの字)、取り扱い説明書、保証書

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記者:

宮原俊介(編集長) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

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