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お互いを想う愛が、お互いを追い詰めてしまうパラドックス

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 最近、見かけることが多くなった「自己肯定感」という言葉。これは、自分の「良いところも悪いところもひっくるめて肯定する感覚」のことを指す。

 しかし、実際は自分と他人とを比べて「あれが足りない、これが足りない」と悩むのが人間というもの。どうすれば自分を丸ごと肯定できるようになるのだろうか。

 この点について詳しく書かれている『スターウォーズは悟りの教科書 Star Wars is The Bible of Enlightenment』(ヒカルランド刊)の著者、松本青郎さんにお話を聞いた。

――松本さんがお父様の会社を継いだのは何年ごろですか。

松本: 2001年ですね。そのときすでに父の会社で働き始めて2年が経っていたのですが、自分が社長になってからはそれまでと比べものにならないくらいのプレッシャーを感じるようになりました。そこからまた苦悩の段階が上がった人生の始まりです。
この苦しみから救われたいと思い、とある成功哲学を学ぶためのセミナーに参加するようになり、最終的に2,000万円ほどのお金を使いました。

――本書のなかでは随所に心理学の知見が紹介されていますが、セミナーで心理学を学び始めたのもそのころですか。

松本:そうです。セミナーに参加し出したのは、会社を継いで5年ほど経ったころからですかね。「NLP(神経言語プログラミング)」について学ぶうちに、「自分の物の見方次第で、この世は地獄にもなれば天国にもなる」ということが分かったんです。NLPについての詳しい説明は割愛しますが、NLPを通して「今、目の前で起きている現実」と「その時、自分のなかで湧きあがっている思考と感情」とを切り離すことの重要性に気づくことができた。ひと言でいえば、自分がこれまで無意識のうちにとらわれていた思い込み等から自由になるための方法を体得できたんです。

――そういえば、本書の表紙にも書かれていましたが、『スター・ウォーズ』にも“Your focus determines your realty.”(君のものの見方が、君の真実を決定づけるんだ)というセリフが出てきますね。

松本:はい、この一言が象徴的ですが、『スター・ウォーズ』は「現代人に与えられた愛と真理の書」と言っても過言ではないほど、示唆に溢れた作品だと思っています。たとえば、この作品に出てくる「ライトサイド/ダークサイド」という概念はそのまま実人生に当てはめることができます。

――それはどういうことですか。

松本:まず、ライトサイドとは「ありのままの自己を肯定し、楽しい、ワクワクする、気持ちいいなどの感情によって行動すること」を、ダークサイドとは「自己否定から逃れるために、恐れ、不安、悲しみから来る怒りなどを原動力に行動すること」を指します。
結論から言ってしまえば、本作の主人公の一人、愛情深かったアナキン・スカイウォーカーは「自己否定から来る恐れ」に支配されてしまったがためにダークサイドに堕ち、ダース・ベイダーへと化してしまったのです。
初めは世の中を良くしたい、人々を幸せにしたいと志ながらも、何かのきっかけによりダークサイドに堕ちて悪いことをしてしまう。これは現実世界においても、よくあることですね。
たとえば、新興宗教の教祖はこの点を実に巧みに使います。まず心優しく罪悪感の強い若者を自分のところに集め、彼らのことを褒めて肯定します。でも、信頼を得ると一転、今度はその若者たちの将来を心配するかのような感じで叱るのです。こうすることで自己を否定している若者たちは「自分のことをこんなにも真剣に考えてくれているんだ」と錯覚を起こす。ここまで来れば、強い承認欲求を持つ者同士の集団のできあがりです。心に隙間があるとダークサイドが忍び寄ってくるのです。

――本書での「なぜアナキン・スカイウォーカーは、ダース・ベイダーになってしまったのか」をめぐっての松本さんの解釈は、とても興味深く感じました。

松本:アナキンの師匠である、オビ=ワン・ケノービはアナキンを実の子・弟のように想っていました。アナキンもオビ=ワンを実の父のように慕っていました。また、将来を不安視されながら幼少期を過ごした天才アナキンは、周りへの強い承認欲求を持っていた。とりわけオビ=ワンへの認められたいという欲求は大きいものでした。スタンドプレーでいいところをアピールするアナキン。その心の叫びに気づくことができなかったオビ=ワンは、アナキンを傲慢と捉えて不安視します。
アナキンを愛するがゆえにオビ=ワンは事あるごとに、「ジェダイのルールを守れ」と、「正しさ」を押しつけました。そして、その過程でアナキンも正しくあろうと努力しながらも、徐々に「認められない自分」に対しての不安、そこから来る怒りを募らせていった。結果、アナキンはオビ=ワンが思う正義とは逆の世界へ行ってしまったわけです。
作者はこのエピソードを通して、「社会が個人に対して“正しさ”を押しつけるのは簡単だけれど、人間、楽しくなければ生きていけないのでは?」という問題提起をしているようにも受け取れます。
その意味で、子どもが自分を否定して、怒りや悲しみを抱くダークサイドに振れるのか、それとも、自分を認め、心の底から「生んでくれて、育ててくれて、ありがとう」と思いライトサイドに生きるのかは、親の関わり方しだいと言えるのではないでしょうか。

――最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。

松本:大げさな話に聞こえるかもしれませんが、皆さんひとり一人が「ありのままの自分」を認めることができれば、それは必ず世界平和につながると私は考えています。なぜなら、出来ることも出来ないこともある自分を、ありのまま認めることができれば、周囲の人を批判したり、比較する必要そのものがなくなるからです。結果として、争いごとはなくなるでしょう。
なので、自分を許せない人、ありのままの自分を認められない人、人生が思い通りにいかないなあと感じている人、そしてこれからお子さんを育てる親御さん……何よりも自分が幸せになりたい方にぜひ本書を手に取っていただき、日々楽しく過ごしていただけたらと思います。

(了)

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