「海老名」VS「厚木」 住むならどっち?

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海老名VS厚木 どっちが住みやすい?

神奈川県と聞くと、皆さんのなかには横浜や川崎、湘南など臨海エリアをイメージする人が多いかもしれませんが、神奈川県には険しい山(丹沢や箱根)もあれば、のどかな田園地帯が広がる平野や丘陵地もあります。今回はそんななかから、神奈川のほぼ真ん中(県央)に位置する「海老名」(海老名駅周辺)と「厚木」(本厚木駅周辺)に注目してみましょう。

海老名と厚木も「いきものがかり」の出身地

都心や横浜に通う人々が多く住むベッドタウンでありながら、街の規模や雰囲気が異なるため、県央エリアで比較されがちなのが海老名と厚木。2010年11月からは小田急線の海老名駅&本厚木駅の駅メロ(列車接近音)に、「いきものがかり」の曲が使われるようになったこともあって、若者たちの間では「いきものがかりは、海老名市、厚木市、どっちの出身なの?」という議論もたびたび交わされているようです。

海老名駅の駅メロには「SAKURA」が、本厚木駅の駅メロには「YELL」が使われていますが、これは、「いきものがかり」のボーカルの吉岡さんが厚木市出身で、ほかの2人(水野さんと山下さん)が海老名市出身という縁から実現したもの。高校時代の彼らは本厚木駅の駅前で路上ライブをたびたび行っていたそうです。いきものがかりの地元論争は、とりあえず「両市ともに地元だった」ということで決着がついたとして……実際のところ海老名と厚木では、どちらが魅力的で住みやすい街なのでしょうか?

都市としての規模や歴史、ネームバリューは厚木の勝利?

ちなみに街の規模や総人口だけを見れば、ダントツで厚木に軍配があがります。厚木市の人口が約22万人なのに対し、海老名市は約13万人。都市としての歴史をみても厚木の圧勝です。厚木は1960年代から都市化が進みましたが、当時の海老名は、見渡す限り田畑が続く田園風景。本格的な開発が始まったのは1990年代に入ってから。2002年に巨大ショッピングモール「ビナウォーク」がオープンしたのを機に、ようやく海老名はベッドタウンとして世間の注目を集めるようになりました。

ネームバリューにおいても、厚木は「シロコロホルモンの街」や「米軍基地の街」(実際には基地は厚木市にはなく、大和市・綾瀬市・海老名市にまたがっている)として全国にその名を知られていますが、海老名と聞いてもほとんどが「インターチェンジ(海老名IC)のある街だっけ?」という声が多く、どんな街なのかイメージできないかもしれません。これまでは厚木が海老名を一歩リードしてきたと考えていいでしょう。

変化しつつある海老名と厚木のパワーバランス

とはいえ、最近になって、海老名VS厚木のパワーバランスに変化が生じてきています。厚木は1980年代に青山学院大学のキャンパスが都内から移転してきたことで、さらなる発展が期待されていましたが、都心回帰の流れをうけて2003年に青学が撤退。ここ10年ほどは、それほど大きな変化はない状態です。

一方の海老名は、厚木に追いつけ追い越せとばかりに順調に発展を続け、2015年10月には西口地区に、巨大ショッピングセンター「ららぽーと海老名」がオープン。最近は情報誌やテレビのニュースで「旬な街」として取り上げられる機会も増えて、「今後は県央地区の中心地として発展していくのでは……」との期待が高まっています。【画像1】海老名駅の西地区に新しくオープンした「ららぽーと海老名」(写真中央)。周辺には空き地が目立つが、今後は小田急線とJR相模鉄道の間のエリアを含め、さらなる開発が予定されている(画像提供:三井不動産商業マネジメント株式会社)

【画像1】海老名駅の西地区に新しくオープンした「ららぽーと海老名」(写真中央)。周辺には空き地が目立つが、今後は小田急線とJR相模鉄道の間のエリアを含め、さらなる開発が予定されている(画像提供:三井不動産商業マネジメント株式会社)

スタイリッシュかつ快適な図書館も海老名の新しい魅力

さらに、海老名では「海老名市立中央図書館」が、いわゆる「TSUTAYA図書館」として10月にリニューアルオープンしたことも大きな話題となっています。スターバックスや、屋外テラス、キッズスペースなどを併設したスタイリッシュな図書館は、周辺の市町村住民にとっても快適な空間となっています。【画像2】民間企業であるカルチュア・コンビニエンス・クラブと図書館流通センターが、海老名市から指定管理業務を請け負う形で運営されている「海老名市中央図書館」(写真撮影:次にくる住みたい街はここだっ!取材班)

【画像2】民間企業であるカルチュア・コンビニエンス・クラブと図書館流通センターが、海老名市から指定管理業務を請け負う形で運営されている「海老名市中央図書館」(写真撮影:次にくる住みたい街はここだっ!取材班)

最近の街の動きや話題性だけに注目すると、確かに海老名の発展ぶりが目につきますが、地元商店街の充実度や、飲食店の数、街としての広がり、人口バランスなどを比べると、厚木もまだまだ負けてはいません。

残念ながら青学キャンパスは撤退したものの、厚木市には東京工芸大学、松蔭大学、神奈川工科大学、昭和音楽大学など、大学がたくさんあるためか、本厚木駅周辺には若者向けの居酒屋やショップが多く、学生街としての活気が感じられます。

また、早い時期から都市化が進んだ街だけあって、子どもから若者、ファミリー、高齢者まで、さまざまな人が共存しながら暮らす「バランスのとれた街」といった成熟した雰囲気が駅周辺には漂っています。最近は2014年にシネコンなどを備えた複合施設「アミューあつぎ」が駅前にオープンするなど、新しい動きもちらほら見られます。

一方、海老名は、駅前に「ららぽーと海老名」&「ビナウォーク」という二つの巨大ショッピングゾーンがあるため、買い物には便利ですが、にぎわっているのは駅周辺(半径約1㎞圏内)が中心。歓楽的要素が少なく、まだまだニュータウンなので、街としての個性や面白みは今後に期待!といったところでしょうか。

また、不動産物件については、ベッドタウン&学生街として発展してきた本厚木駅周辺には、単身者~ファミリー向けのアパートやマンション、一戸建てまでさまざまな物件がそろっているのに対し、海老名は、ファミリー向けマンションが中心で、単身者向けの物件は多くはありません。

現時点では、甲乙つけがたい状況にある海老名と厚木ですが、結局はどちらを選ぶかは好みの問題なのかもしれません。人の住む街としてすでに成熟しつつある厚木、今後めまぐるしく発展してきそうな海老名。さて、あなたならどちらを選びますか?

構成・取材・文/中村宏覚●次にくる住みたい街はここだっ!~海老名編~
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/03/107088_main.jpg
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