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社員数が増えると、企業のマネジメントはどう変わる? 「組織の成長の5段階説」で考える

社員数が増えると、企業のマネジメントはどう変わる? 「組織の成長の5段階説」で考える

企業の成長とは、売上増やシェアアップであり、それに伴う組織の成長、つまり「社員数の増加」でもあります。特に社員数は大変重要なパラメーターで、組織の発展段階とその課題の質的変化に大きな影響を与えます。

社員数の増加につれて、組織はどのようなマネジメントの変化を必要とするのでしょうか。基本的に「統制化」と「自由化」を繰り返すことが多いようですが、今回は経営学者のグライナーの唱えた「組織の成長の5段階説」を私なりに解釈・改変したもので説明していきます。(文:曽和利光)
創業期は「経営者の背中」でマネジメントする

組織にとって社員数がなぜ重要なのか。その理由は、人間には「認知限界」というものがあるからです。認知限界とは人間の認知能力や情報処理能力の限界のことで、もともとは組織論において「一人の人間が安定した関係を維持できる人数には限界がある」という経営学者のサイモンが用いた用語です。

人には誰でもこの「認知限界」があるので、複雑な情報処理をする際には、処理対象となる情報を細かく分け、別々に対応することが必要となります。組織に当てはめると、社員数が増えると経営者が直接メンバーを見ることができなくなるので、組織を細かく分けて、それぞれに管理者を置き、権限を委譲しなければなりません。

認知の限界人数は4人程度とも、7人プラスマイナス1人とも諸説ありますが、権限委譲するにしても勝手にやらせるわけにはいかないので、そこに何らかの「マネジメント」が発生することになり、このやり方が社員数によって変化していくのです。

まずは第1段階、人数が極小の創業期の会社では、基本的には経営者自らがほとんどのことについて指示や判断をします。フォーマルな制度などはなく、リアルタイムに柔軟なマネジメントを、経営者が直接的に自由に行います。

ほとんどのことはあらかじめ決まっていないため、見通しを持つことがなかなかできず、メンバーは「振り回される」感覚を持つでしょう。しかし、話は早い。面倒な根回しなど不要。物事はバンバン決まる、ジェットコースターのようなスリリングな毎日です。私はこれを「背中でマネジメントする」ステージと言っています。
「自由と自己責任」ではギスギスした雰囲気に感じる人も

社員の数が経営者の認知限界を超えると、社長の前に判断を待つ人が行列をなすようになり、自由なマネジメントでは立ち行かなくなります。そこで第2段階として「行動をマネジメントする」必要が生じてきます。

つまり、経営者の頭の中にある判断基準や成果行動を形式知化、マニュアル化するなどして外に出し、「こういう時にはこういうことをしなさい」と、すべき行動そのものを1から10まであらかじめ指示しておくマネジメントスタイルです。

この時期の職場は、少し窮屈かもしれません。あまり行動の自由がなくなります。「とやかく考えずにやれ!」というステージです。自分でいろいろ考えたい人にとっては嫌な職場ですが、指示が明確なので快適だという人もいるでしょう。しかし、このステージが長く続くと徐々に組織全体がモノを考えなくなっていき、活力が失われていくかもしれません。

そこで次のマネジメントの進化、自由化が必要となります。第3段階「結果でマネジメントする」ステージです。目標や目的、ゴール等の求める結果を与えて、そこに到るまでの道は自由に考えてよい(考えなさい)、そして結果を達成したらインセンティブを与えるというマネジメントスタイルです。

この段階では「自由と自己責任」という言葉がよく使われるようになります。職場は「協調よりも競争」で社内競争が激しくなり、ややギスギスした雰囲気が出てくることもあるでしょう。インセンティブの作り方によっては、社員が自分のことをばかり考えて、全体最適な行動を取らない場合も出てきます。
「計画経済」から「文化によるマネジメント」へ

部分最適化のデメリットが極致に達すると、また「そろそろ協調路線を」と統制化が始まります。これが第4段階「計画でマネジメントする」ステージです。基本的には自分達で考えていろいろやっていいが、事前に何をするかについての計画を出して、それが承認されてからやりなさい、というマネジメントスタイルです。

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