『俳優 亀岡拓次』安田顕&麻生久美子インタビュー「顔と名前を覚えてもらえるようにがんばります(笑)」

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どんな役にもなりきってしまう、俳優・安田顕さんが待望の主演。映画『俳優 亀岡拓次』が現在大ヒット上映中です。

安田さんは硬軟演じ分け映画にドラマ、舞台とひっぱりだこの個性派俳優。昨年は『龍三と七人の子分たち』『ビリギャル』『新宿スワン』と大ヒット作に立て続けに出演。ドラマ『下町ロケット』での熱演も大きな話題を呼びました。そんな今、最も注目を集める俳優・ヤスケンが待望の映画主演……がまさかの脇役!? 「見た事あるけど名前が出てこない」売れっ子脇役俳優“亀岡拓次”に挑みます。

今回は、安田顕さんと、亀岡が想いを寄せる飲み屋の女将・安曇を演じる麻生久美子さんにインタビューを敢行。色々とお話を伺ってきました。

(撮影:オサダコウジ)

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―映画、大変面白く拝見いたしました。今回お2人は初共演となりましたが、お互いの印象を教えていただけますか?

安田顕:麻生さんといると「この時間が終わって欲しく無い」と思うんですよね。ね、分かるでしょう? この素敵な感じ! ご本人は気づかれてないかもしれないけど、内面の品や清楚さが出てるんです。「スクリーンには人の内面が現れる」とよく言われますが、麻生さんを見ていてまさにそうだなと思いました。なんていうか、麻生さんは、21世紀のグレイス・ケリーのようです。バッグ作りましょう。

麻生久美子:(笑)。ありがとうございます。そんな事無いんですよ。

安田顕:だって、今何飲んでいると思います?(麻生さんのタンブラーを見ながら)白湯ですよ! こういう細かい積み重ねが麻生久美子さんを作ってるんですよ。

麻生久美子:コーヒー大好きなんですけど最近カフェイン抜きを試していまして。安田さんは、見た作品ごとに印象が変わる俳優さんですよね。カメレオン俳優、と言うんでしょうか。映画やドラマを観終わった後にクレジットでお名前を確認しないとわからないくらい。その才能がうらやましいです。

安田顕:ありがとうございます。あ、最近ね、褒められて「いやいや、そんな事無いですよ」って言うの止めようと思ってるんですよ。そうそう、電車に乗ってると「あの人誰だっけ」「なんていう名前だっけ」っていう声が聴こえてくる事はありますね。聴こえないふりするのが大変なんで……。この映画の撮影中も、ロケ地の地元の方が気を遣ってくださってお酒をくださったんですけど「安岡さんへ」って書いてありましたから(笑)。

麻生久美子:役の印象が強いからですよね、その方が素敵だと思います。

安田顕:いやいや、顔と名前を覚えてもらえるようにがんばります(笑)。

―それは本当に“亀岡拓次”なエピソードですね。横浜聡子監督にはどの様なオーダーやお願いがありましたか?

安田顕:映画の中の若手監督とのやり取りで、「アドリブでやってください」と言われて、亀岡が「はい」と答えるシーンがあるのですが、そこを間髪入れずにやってくださいと言われました。「アドリブでやってくださ(い)」「はい」みたいな感じで。その際に、「亀岡さんは動物です。何考えてる分かんないんです」と監督に言われ、「あ、亀岡ってこれなんだ」と思いましたね。

―亀岡は動物。独自の世界観を持つ横浜監督らしい面白い表現ですね。劇中の「舞台と映画は流れている時間が違う」という言葉がとても印象的でした。

安田顕:共感出来る、とか「確かに」と思ったわけでは無いのですが、すごいセリフですよね。この映画では他でも、よく分からないセリフが多かったんですけど、監督の言葉というのは「こういう人がいかにも言いそう」というデフォルメされたユーモアがあって。哲学的な言葉って考えさせられるから良いですよね、意味が分かっちゃうとつまんないですから。

俳優 亀岡拓次

―安田さんは劇中で色々な格好をしていますけれど、一番のお気に入りってありますか?

安田顕:全部お気に入り。

―あのアラブっぽい格好も?

安田顕:アラブも大好き。でも特に印象に残っているのは、撮影が春先だったので寒かったんですけど、ホームレスの格好で道端に寝てるシーンがあって。「楽にしててください」と言われたので寝てる事もあったんですけど、通りすがりのおじいさんが「こんな所で寝て!」って怒ってたみたいで。本物に間違えられたんですね(笑)。まあ、有り難い話なんですけど。

―麻生さんはご覧になって、気に入った格好はありますか?

麻生久美子:フィリピン人のくだりは、お相手の女優さんもすごく面白かったですね。衣装でいったら、あのアラブは好きです(笑)。

安田顕:じゃあこれからずっとアラブの格好しますよ! もう「あの人誰だっけ」って言われるのも面倒だから、アラブの格好していればそんな事も言われないでしょ。「たぶんアラブの人なんだな〜」って思われてね。

麻生久美子:あはは、安田さん絶対してこないですよね(笑)。

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―麻生さんは、亀岡が恋する飲み屋の女将さんを演じられましたが、お酒をグイっと飲んでいるシーンがとても素敵で、あれは男性なら誰でもグッときてしまうと思います。

麻生久美子:ありがとうございます。実際にお酒は飲んでいないんですけどね。完成した映画を観た時に、お酒を飲んでいる顔のアップが多いなあと思ったのですが、あれも横浜監督ならではの演出だなと思いました。私としては少し恥ずかしいのですが、とても良いシーンになっているなと思って。後、私は亀岡さんとダンスを踊るシーンも好きです。

安田顕:素敵ですよねえ、ずっと踊っていたかった。

麻生久美子:この映画の脚本を読んだ時は渋い内容だと思っていたので、こんなにオシャレな感じに仕上がるとは思いませんでした。観やすいですし、私も好きです。

安田顕:横浜監督は、いつもこちらの予想の半歩先を行く事を言ったり、演出してくださるんです。もっと色々な作品を撮っていただきたいですし、日本映画界を代表される監督になるんだろうなと思います。

―今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!

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安田顕さんもメロメロの麻生久美子さん。お美しい。

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『俳優 亀岡拓次』全国大ヒット上映中!

映画やテレビでよく見かけるが、作品名や本人の名前もすぐにはパッと浮かばない。そんな脇役俳優として活躍する亀岡拓次。泥棒やチンピラ、ホームレスと演じた役は数知れず、大作から自主映画まで、声がかかればどんな役でも応じる亀岡は、監督たちに重宝される俳優だった。お酒が趣味で、撮影現場と酒場を行き来する毎日を送っていた亀岡は、ある時、居酒屋の女将に恋をしてしまい……。

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(C)2016「俳優 亀岡拓次」製作委員会

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藤本エリ

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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