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ソーシャルメディアは現代版「魔女狩り」の温床になるのか

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苫米地英人氏

 脳機能学者の苫米地英人氏が2011年8月4日、ニコニコ生放送で中継された作家の佐藤優氏との対談で、ツイッターやフェイスブックなどが現代の「魔女狩り」の温床になる可能性を説いた。苫米地氏は、15世紀に魔女狩りが広まった背景にグーテンベルクの活版印刷術の発明が関わっていたのと同様に、ソーシャルメディアというニューメディアの誕生に警鐘を鳴らしている。

 苫米地氏は今年6月に新著『現代版 魔女の鉄槌』を刊行した。これは、15世紀に隠れたベストセラーとなっていたという書物『魔女に与える鉄槌』の原著にインスピレーションを受けた苫米地氏が、現在のメディア状況を憂慮する内容になっている。

 苫米地氏によると、『魔女に与える鉄槌』は「魔女の見つけ方と拷問の方法が神学的に定義された書物」であり、その前提として魔女が存在することを緻密に証明している研究書だ。巻末には学者らのサインによるお墨付きもあり、15世紀にこの書物が大量に印刷され多くの人に読まれたことで、魔女狩りが広まったという。苫米地氏は、魔女に関する書籍を読みあさるうちに、「歴史的ファクトかどうかは別だが、グーテンベルクの印刷機が刷った数は聖書よりも『魔女に与える鉄槌』のほうが多いという表現にぶち当たった」。そこで苫米地氏は、

「え? と思った。われわれはグーテンベルクの印刷機って言うと、聖書を大量に刷ってこれでプロテスタンティズムが始まったみたいなことばかりで、それしか知らない。しかし、『魔女に与える鉄槌』という言葉は一言も出てこない。これは闇の歴史だなと思った」

という。

 そして、現実には存在し得ない魔女の存在を証明したような「ちょっと考えれば、おかしいんじゃないか? と突っ込みどころ満載」のこの書物が、15世紀当時に約3万部も発行されたことと、現在のメディア状況を重ね合わせた。すなわち、『魔女に与える鉄槌』の内容が「突っ込まれずに」「隠れて」広まっていったことと、ソーシャルメディアによって情報が伝播していく状況が酷似しているというのだ。苫米地氏は、

「ソーシャルメディアと言われているものは、何度もリツイートされたりして、最後には『マス』に届くわけだ。一方、テレビやラジオや出版物は一度公共の場に出されることで、多くの人の監視の下に入り、検証され、最低でも吟味される。(ソーシャルメディアの情報は)それが一切無いままに最終的にマスに届くということは、『魔女に与える鉄槌』にものすごく似ている状況」

と持論を述べた。苫米地氏はこのように、「新しいメディアが生まれるときに新しい『魔女狩り』も生まれる」という危惧から『現代版 魔女の鉄槌』を著した、と説明した。

丸山紀一朗

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 「魔女に与える鉄槌」原著の内容部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv58716984?po=news&ref=news#10:35

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