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伊藤忠商事が残した朝型シフトの「成果」 夜10時以降の残業ゼロ、タクシー代も削減

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2015年は「働き方」を変えようとする取り組みが注目された年だった。夏の間、朝早く出勤する「ゆう活」もその試みのひとつだが、その効果はどうだったのだろう。テレビ朝日は12月26日、伊藤忠商事の「朝型勤務」の実態を取材していた。

伊藤忠では去年5月から午後8時以降の残業を原則禁止し、午後10時以降は完全に禁止している。代わって午前5~8時に深夜勤務と同額の割増賃金を支給することで、早朝勤務にシフトさせている。代表取締役常務の小林文彦氏はそのねらいについて、こう語る。

「朝だったら頭もスッキリするし、終わりの時間も決まっているので、必ず仕事が合理的に進むだろう」

2児の父、午後5時半に退社して保育園へお迎えに

朝型定着のため会社が行っているのは、本社の社員食堂での朝食の無料配布だ。菓子パンやおにぎり、バナナなどの軽食が選べ、本社勤務の約半数にあたる1000人が利用しており、朝7時から長い列ができていた。

2児の父であり法務部で働く増田さんも、朝食を選んでいた。制度導入後は夜8時以降の残業は上司の許可が必要なため、ほとんどしない。夜の残業は際限がないが、早朝は時間が限られているため集中して効率よく仕事ができるのだという。

午後5時半に退社し、保育園へお迎えに。夕方以降は家族と過ごす時間が増えたそうだ。会社をあげて、社内の飲み会は1次会を午後10時で終える運動まで行っている。

政府もこの夏、安倍総理の肝煎りで国家公務員の始業時間を1~2時間早め、夕方には仕事を終え私生活を充実させる「ゆう活」を提唱した。しかし制度が整っていなかったことや、国会会期の延長などの影響で定着しなかった。

一方、朝型勤務が定着した伊藤忠商事では、社員の約4割が午前8時までに出社。残業時間は大幅に減り、午後8時以降の残業は6%、午後10時以降はゼロになった。残業手当が減り、タクシー代や電気使用量、CO2排出量の削減にも貢献。朝食代を差し引いても、コスト面でプラスの効果が出ているという。
「非常に大きな力をもってやらないと変わらない」と常務

政府は定着させることができなかった朝方シフトだが、定着に一番大切なのは「意識改革」と小林常務は語る。

「非常に大きな力をもってやらないと、社員のDNAが塗り変わらない。トップが本気にならないとなかなか働き方は変わらない」

この言葉は、社員の「働き方」は会社の「働かせ方」でもあると示唆しているだろう。小林常務のいう「大きな力」とは、単に命令することではなく、働き方の大枠を働く人が自ら動くように変えることで「トップの本気」が働く人にも伝わると分かる。

業績面でも目下躍進中の伊藤忠の「成果」を踏まえれば、政府の「ゆう活」も意義あるものだと分かる。ゆう活は引き続き来年も実施する予定だというが、今年の反省点を踏まえてうまく制度づくりが広がっていくと良いと思う。(ライター:okei)

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