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フレデリック、全国ツアーセミファイナルで見せた新たな覚悟とは?

エンタメ

2014年の『オドループ』から今春の『オワラセナイト』を世に放つ流れにのって、ツアー、イベント出演で頭角を現してきたフレデリック。彼らの全国ツアー「フレデリズムツアー」のセミファイナルが12月20日(日)に大阪BIG CATにて行なわれた。

12月20日@大阪BIG CAT (okmusic UP's)

彼らが満を持して先月リリースした『OTOTUNE』。このリリースに併せて行なった全10箇所に渡るワンマンツアーだが、前売りチケットは全て完売! 正に今“キてる”バンドの一つなのは間違いなく、順風満帆に見える彼らも実はこの9月にドラムのkaz.が一身上の都合で脱退。「グルーブ」が屋台骨の彼らのようなバンドにとって要のドラムが抜けることはかなりの痛手だった筈ながら、11月ツアー初日の神戸を見た限りは「よく2カ月でこれだけのステップを踏めたなぁ…」と、感心させられる内容だった。レコーディングから参加していたサポートドラマー・高橋武(ex.Any)の力量がマッチングして、ピンチを乗り越えツアーも佳境に入り、ツアー9本目となる大阪公演を迎えた。

足かけ3年に渡りコンスタントに発表した作品が30曲に及んできた彼らは、ワンマンライブに際しても曲のバリエーションが揃ってきた。インディーズの名曲「SPAM生活」「ふしだらフラミンゴ」「プロレスごっこのフラフープ」、バンドの風向きを変えた「オドループ」「オワラセナイト」、そこから圧倒的な歌詞の強さを併せ持った最新作の「トウメイニンゲン」「ハローグッバイ」等、キラーチューンを要所に「これでもか!」というくらい「踊らせる」ことに徹した演奏。また全体の構成も「グルーブ」「ディープ」「ディスコ」等、数曲ごとに色が分かれフレデリックにしか出しえないライブの流れを作り出せていたのも非常に明快だった。察するにテーマは「いかに踊らせるか?」

「踊る(踊らせる)」というおそらく60年前ロックが生まれた頃からライブで観客を前にしたミュージシャン達が抱えたであろうテーマを、今更どうこういうのも違うかもしれないがここ10年くらいだろうか、日本のライブに於いては非常に重要なファクターになっていると現場にいて感じるこの頃。「四つ打ち」なのか「BPMの速さ」、「リズム」なのかはたまた「ループ」で覚醒させるのか?ジャンルならば「ファンク」「ディスコ」「テクノ」…あらゆる手段を使って「いかに躍らせるか」をテーマとしてミュージシャンが試行錯誤する中、フレデリックは実に多様かつ一筋縄でいかない頼もしい音楽性を見せてくれる。必ずどこかに「ひと手間「ひと癖」入れてくるのが実に面白いし、「音楽性の高さ」や「遊び心」といったロックの持つ楽しさを随所に醸し出しているのは主に作詞・作曲をすべて手掛けるベース三原康司の奇才によるところが大きい。そしてその曲達を演奏するにあたりこのツアーでは4人個々の出音も固まってきた。ベースラインは腰にくる気持ち良さだし、ため息の漏れるギター赤頭隆児の奇抜な「ギターリフ」、胸にグッと入ってくる三原健司のボーカル。明らかにツアーはバンドを育て音を固める。このツアーでフレデリックはまた一つ上に上がったのは間違いない。
 
当初個人的に彼らにハマったのは「音の隙間」の気持ち良さや「歌詞の行間」を妄想させてくれる面白さだったが、それは逆に一般的には「分かりにくさ」でもあった。それを打破したのが「オドループ」や「オワラセナイト」であり、そこから続く今作の「ハローグッバイ」や「トウメイニンゲン」の曲のシンプルさや直接的な歌詞(でも時にあまのじゃく)は、これはこれで心躍らせてくれる新たな感覚。そう、客席フロアの側に立つと曲と演奏で「身体」を、そして歌詞と気持ちで「心」も踊らせて欲しい。今夜のフレデリックは心身共にBIG CATに居た観客を躍らせていた筈だ。

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