体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

鞘師里保 モーニング娘。最後の単独公演で見せた素顔 泣いて笑って「わーい! すごい! ひとり占めだぁ~!」

鞘師里保 モーニング娘。最後の単独公演で見せた素顔 泣いて笑って「わーい! すごい! ひとり占めだぁ~!」

 2015年いっぱいでエースの鞘師里保が卒業するモーニング娘。’15。彼女の在籍時代最後となるワンマンライブ、全国ツアー【モーニング娘。’15 コンサートツアー秋 ~PRISM】の最終公演が12月8日 日本武道館にて開催された。

モーニング娘。鞘師里保 キュートなライブ写真一覧

<満身創痍、気持ちの置き所の難しい公演。それでも……>

 10月29日夜、17歳でモーニング娘。からの卒業を決断した鞘師里保のニュースは世界中のファンに衝撃を与えた。これからのモーニング娘。を引っ張っていくと誰もが信じて疑わなかった、誰もが想像しなかった存在の卒業。その真意は後日卒業インタビューでお届けできればと思っているが、幼い頃からモーニング娘。が好きで好きで仕方がなかった鞘師のこの決断は、相当の苦悩や葛藤の末に至ったものであることは簡単に想像がつくし、この日本武道館に集まっていた超満員のファンは、彼女のその意思を尊重するかのように全力でコンサートを楽しんでいた。

 それはメンバーも同じこと。このツアー千秋楽に至るまで彼女たちは連日ノンストップでライブや仕事を全力で行い、どう考えても満身創痍であることは明らかだったし、野中美希に関しては手にケガを負った状態での参加。しかも同公演は鞘師里保がいるモーニング娘。にとって最後の単独公演でありながら、彼女の卒業公演とは銘打たれていないという、気持ちの置き所が実に難しいコンサートだった。それらの影響は全くないパフォーマンスだったとは記せないが、それでも13人はいつもと変わらぬ全身全霊、一瞬のミスも許されないフォーメーションダンスも高い緊張感の中で繰り広げていく。

<追うべき背中してそこに立ち続けた存在への敬意>

 「秋ツアーも最終日に来てしまいました。9月から始まったこのツアーですけど、もうここ、ここまで積み重ね……て……きたたたたた」(鞘師)「鞘師さん(笑)!」(後輩たち)「いつも通り、いつも通り」(譜久村聖)「ここまで積み重ねてきたものを爆発させたいと思いますので! 皆さん、一緒に盛り上がってくださいねぇー!」(鞘師)と微笑ましくも気合い十分の挨拶のあとは、12月29日リリースの鞘師里保卒業シングルより「冷たい風と片思い」を披露。タイトルの印象どおり切ないミディアムバラードなのだが、「冷たい風が頬 そっと触った時 急に寂しくなった 胸が苦しくなった」等のフレーズは、理由は書くまでもないと思うが、この日は鋭く胸に刺さった。

 しかし13人は寂しさに負けることなく「愛の軍団」「Only you」「Ambitious!野心的でいいじゃん」など攻撃的なナンバーを次々と歌い、舞い踊る。特に各メンバーが鞘師と2人並んでパフォーマンスする瞬間は見もので、もう二度とないかもしれないその一瞬に全てを懸けるように共に歌い、共に踊り、共に笑う姿は我々をどこまでも高揚させていく。これまで幾度となく鞘師とのダンスバトルを繰り広げてきた石田亜佑美に関しては、共にダンスでモーニング娘。に変革をもたらしてきた者としての矜持、鞘師の対となる存在としてのエモーションを動きでも表情でも爆発的に感じさせてくれた。加入当時から追うべき背中としてそこに立ち続けた存在への敬意。それは石田に限らず、すべてのメンバーから溢れ出ていた。

<あどけない少女が必死に成長してくれたからこそ今日の娘。はある>

 ライブ中盤では、譜久村ソロの「AS FOR ONE DAY」~真っ赤なドレスを纏った鞘師ソロの「大阪 恋の歌」。鞘師含む9期メンバー4人揃い踏みでの「アイサレタイノニ…」、そして10期11期12期メンバー全員による、鞘師への贈る歌として響いた「友(とも)」(この曲では佐藤優樹が涙を拭う場面も)と、13人の今日までの物語や、そこで培われた絆を感じさせる流れが組み込まれていた。そして終盤では、石田のトレーナーの膝の上からのハイジャンプのバク転や、生田衣梨奈の予定より多かったというバク転4回転などのアクロバット、そんな生田へ工藤遥からのご褒美(?)キッス(Wイケメン夢の情事)、圧倒的な一体感の中で響き渡った「愛されたい! 愛されたい!」(「わがまま 気のまま 愛のジョーク」)等、武道館の熱量はひたすら上昇していく。

 「それでは、最後に! モーニング娘。に加入して私を一番成長させてくれた曲を歌います!」鞘師が突然そう言い放ち、13人が本編最後に披露した曲は「One・Two・Three」。モーニング娘。がその音楽性やパフォーマンスに大変革をもたらしたナンバーである。分かりやすく言えば、フォーメーションダンスを銘打った最初の1曲だが、鞘師はこの曲で得意なダンスだけでなく不得意としていたボーカル面の成長も義務付けられた。そして後半の迫力あるフェイクを1人で担うことになった訳だが、まだあどけない少女が「One・Two・Three」で必死に成長してくれたからこそ今日のモーニング娘。はあったのだと、眼前で12人の仲間と鮮やかなフォーメーションダンスを繰り広げながら、雄叫びのようなフェイクを武道館で響かせる鞘師の姿に実感。ここで堪えていた涙を溢れさせたファンは多かったことだろう。

<12歳から必死に頑張ってきた女の子が生んでみせた光景、世界>

 超満員のファンによって一瞬にして赤い光で埋め尽くされる日本武道館。卒業セレモニーはないと知りながらも、そんなことは関係なく、各々の鞘師里保に対するメッセージを、想いを届けていく者たちの様子がスクリーンにいつまでも映し出されていた。「鞘師! 鞘師!」凄まじいボリュームで日の丸のもとに降り注ぐ鞘師コール。ライブビューイングが実施されていた日本中、アジア中の映画館でも「鞘師! 鞘師!」の声は鳴り響いていたことだろう。わずか12歳からモーニング娘。のど真ん中で必死に頑張ってきた女の子が生んでみせた光景、現象、世界。彼女は謙遜するかもしれないが、鞘師里保もまたモーニング娘。の歴史を激しく彩り、この日「鞘師! 鞘師!」と世界中で叫んでいたすべての人たちの世界や人生を変えたスター。……うん、やっぱり「いやいやいや! 私なんて全然です!」と慌てふためく17歳の顔が浮かぶけど、誇りと感じてほしい。そう思える光景が眼前には広がっていた。

<鞘師への抑え切れない想いを爆発「やっさんの……うそつきぃ!」>

 ステージに再登場すると、話題の全英語詞ナンバー「One and Only」をお届け。モーニング娘。の更なるグローバル化に向けた重要曲を爽快にシンガソングした後は、メンバー1人ずつからのご挨拶のコーナーへ。卒業セレモニーのない同公演であったが、ここで彼女たちは鞘師への抑え切れない想いを爆発させてしまう。

 羽賀朱音(12期)「鞘師さん! 私がいつもダンスが分からないときとか優しく教えてくださったり、たくさん話しかけて下さったり、とても優しい鞘師さんが大好きです! 1年とちょっとしか一緒に活動することは出来なかったんですけど、たくさん思い出ができたし、たくさん学ぶことができました。あと残りわずかですが、もっともっとお話したいです!」

1 2 3次のページ
Billboard JAPANの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。