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ELOのジェフ・リン、ビートルズ秘話とビートルズ愛を語る

11月18日に15年振りの新作『アローン・イン・ザ・ユニバース』を発表するELOのジェフ・リンが、最新インタビューでビートルズの『アンソロジー』レコーディング時の秘話を語った。

ジェフ・リン(ELO) (okmusic UP's)

ビートルズ(『アンソロジー』)、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターのそれぞれのソロ作、トラヴェリング・ウィルベリーズをプロデュースした、「最もビートルズに近い男」とも呼ばれている、ポップの魔術師ジェフ・リン。ビートルズの『アンソロジー』収録の「フリー・アズ・ア・バード」はジョン・レノンのホーム・デモを元にポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターが新たにレコーディングして完成させ、「レット・イット・ビー」以来25年振りの新曲として1995年の発表されたものだが、そのプロデューサーに選ばれたのがジェフ・リンだった。当時を振り返ってこう語っている。

「ビートルズの『フリー・アズ・ア・バード』…もう1つ『リアル・ラヴ』もやったね。あれをやるのは事実上不可能みたいなものだった。『何てことだ。僕にできるのか?』と思ったよ。でも、ビートルズのみんな僕が適任だと思ってくれたんだ。だから何とかしてカセットから声を抽出する方法を考えなければならなかった。普通はできないからね。ジョンが曲を書きながら録音した音源だった。弾き ながら曲を覚えていくような。タイミングも合っていなかった。モノラル録音で、ピアノの音がヴォーカルと同じくらいの大きさなんだ。そこに入っているヴォーカルを抽出するのは本当に大変だった」

完成への道のりは困難を極めたが、そこで手を差し伸べたのがポール・マッカートニーだった。

「ポールがスタジオに来てくれたとき、素晴らしいことをやってくれた。ジョンの声に重ねるようにゴーストとして歌ってくれて、もう少し実体のあるヴォーカルになったんだ。彼がヴォーカルに少し深みを加えてくれたおかげで、運よくヴォーカルを抽出することができたんだ。できたときは信じられなかったよ。ジョンの声を、ポール、ジョージ、リンゴで新たにレコーディングした曲に入れ込んだのは真夜中のことだった。みんな帰って、エンジニアだけ残ってもらってね。みんながいるときに1回目をやって『うわ、メチャメチャにしてる』なんて思われたくなかったから、誰もいないときにやったんだ。ジョンの声を指1本でサンプリングした。スピードが遅いところは少しいじってね。テンポらしいものは勿論全くなかった。3つの違うテンポがあるような感じだった。それを調整して、調整して…とやっていったら段々整っていったんだ」

完成したテイクをポール・マッカートニーに初めて聞かせた時のエピソードをこう語った。

「翌朝ポールがスタジオに来て、エンジニアが彼に音を聴かせていたとき、僕はキッチンに座って『気に入ってもらえるといいけどなあ…』と思っていた。そうしたらポールがやってきて、僕を大きくハグしてくれるとこう言ってくれたんだ。『よくやった!やってくれたよ!』あれは本当に嬉しかった」

ジェフ・リンは今年ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムの仲間入りを果たしたが、その際ポール・マッカートニーがジェフ・リンにギターを弾きながら祝福のビデオ・メッセージをジェフ・リンのオフィシャル・サイトに寄せている。

「やぁ、ジェフ、ジェフ・リン!ジェット・フリン!仲間内ではこう呼ばれているんだ。ジェット・フリン!そうさ!やぁ、ジェット・ジェフ、愛してるよ、ベイビー!おめでとう!今日そこにいられなくてごめん。でもなんていい日なんだ。素晴らしい日だよ。ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム。そうさ、君にまさに相応しい。心から愛しているよ。忘れないでくれ、僕が「おめでとう」と言うことを」(ポール・マッカートニー)

11月6日に全世界で発売されたビートルズの『1』新装盤では「Free As A Bird」と「Real Love」でジェフ・リンは新たなリミックスを手掛けた。

「あれはもう20年も前のことだけど、そんなに経ったとは思えないな。嘘みたいだ。今回の作業で再び耳にすることが出来たのはとってもうれしかった。当時あれだけプレッシャーのかかった仕事はなかったからね。すでにうまくデジタル化されていたから、リミックス作業はスムーズに行なうことができた。『1』の全体はまだ聴けていないんだ。試聴会に招かれたんだが、他の仕事で行くことができなかったから、完成したものを聴けるのを楽しみにしているよ」

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