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西岡参議院議長、語る(1) 「国会の運営をやるだけが議長ではない」

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西岡武夫参議院議長

 参議院の議長を務める西岡武夫氏が2011年6月14日、ニコニコ生放送とUstreamで放送された「山本一太の直滑降ストリーム」に出演した。参議院議長として中立性を保ち議事を進めることを心がける一方で、菅直人首相や菅政権を批判してはばからない西岡氏だが、そもそものきっかけは2010年9月に尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件での菅政権の対応に疑問を持ったことだと語った。

 以下、山本氏と西岡議長の番組でのやりとりを全文、書き起こして紹介する。

■「議長というのはお飾りのようにあると皆さんお考えだったようだ」

山本一太参議院議員(以下、山本): こんばんは。「山本一太の直滑降ストリーム」の時間になった。この「直滑降ストリーム」は今回で5回目になる。最初の放送は自民党で唯一「脱原発」を訴えていた河野太郎衆議院議員を招いて原発政策についてかなり過激な発信をしてもらった。第2回目は自由民主党の谷垣禎一総裁に来ていただき、自民党の政策・理念、そして国会戦略について、これも相当に本音の話をしていただいた。第3回目は自民党の大島理森副総裁が登場した。大島副総裁には、仙谷(由人)前官房長官との関係、亀井静香国民新党代表との交渉の内幕について話をしていただき、特に大連立の問題についてはかなり議論をさせていただいた。4回目は公明党の山口那津男代表。山口代表にもわざわざこの議員会館のスタジオまで足を運んでいただいた。1時間に渡って子供時代、学生時代のエピソードから政治理念、公明党の政策、そして自・公を含む野党がなぜ菅内閣に対して不信任決議案を突きつけるのか。そのことについて熱く語っていただいた。

 考えてみれば4回のゲストは相当すごい方々だったが今日5回目も大変な大物ゲストをお迎えした。政界で「参議院議長」という既成概念を打ち破ってさまざまな発信をしておられる西岡武夫参議院議長に足を運んでいただいた。西岡議長、ありがとうございます。

西岡武夫参議院議長(以下、西岡): 西岡です。よろしくお願いします。

山本: 私、先週だったと思うが西岡議長のお部屋、議長室に足を運んで。かなり遠慮がちに・・・西岡議長はやはり「三権の長」の一人でもあるので。「実はこういうネット番組があって、本当にご多忙な議長に対して失礼なんですが、もしどこかでお時間があれば出演していただけないでしょうか」と申し上げたら、2つ返事で「面白いじゃないか。いいですよ」と言っていただき大変感激した。

西岡: とんでもない。

山本: まず最初にお聞きしたい。西岡議長は今までの参議院議長の既成概念というかイメージを打ち破っていろんな発信をされている。それについていろんな批判をする人もいる。私は西岡議長に対する批判を新聞や雑誌をチェックしているが、ちょっとおかしいと思うこともある。すなわち非難のポイントを読んでみると、「参議院議長としての権威を貶めるのではないか」とか、あるいは「議長としての中立性うんぬん」とかすごく情緒的な議論が多い。参議院議長である西岡議長が行政府の長である菅首相を非難することについて、なんか法的な問題があるのか。たとえば憲法の理念に反することがあるのかということについては一切言及がない。

 私が思うのは、三権分立。菅総理は国会答弁で三権分立がないかのようなことを言っている非常に不思議な考え方の持ち主だが、この三権分立がお互いに抑制・均衡するというのであれば、中立性とはいっても西岡議長は国会の運営については与野党にきわめて忠実にやっておられるわけだから。私はむしろ、立法府の代表として西岡議長が行政府の長である菅総理にいろんな注文をつけるというのは、逆説的に言うと、三権分立の精神から言うと決してまちがってないのではないかと思っている。議長はそのあたりについてどんな風にお感じか。

西岡: 確かに私の発言に対し、今日の『週刊朝日』で辛坊治郎という方がけちょんけちょんに書いている。一方的に。これまでの(参議院)議長というものに対する考え方からすれば、かなり私の言動に違和感がおありになる。それは理解できる。これまでになかったから。実は私は(これまでに)なかったことのほうがおかしいと思う。中立性というのはあくまでも議事を進めるうえで。「私心で議事を進める」ということがもちろんあってはならないし、そんなことはできっこない。だから議長というのはお飾りのようにあるみたいな皆さんお考えがあったようだから、それに基づいているので私がいろいろ発言することについて違和感をお持ち。今まで歴代の議長の方が仰らなかったほうが、不自然だと思う。

山本: 確か(今年の)2月だったと思うが、『文藝春秋』に西岡議長のインタビュー記事が。「菅・仙谷には国を任せられない」と結構刺激的なタイトルになっているが、このなかで今仰ったように、むしろやっぱり今までの参議院議長の役割がおかしかったのではないかと(いうようなことを言っている)。

西岡: おかしいとは言っていない。今までの皆さん方はそれなりの、議長としての立場を自分なりにお考えになって仰っているので「何も言わない」というのもひとつの選択だと。でもそれがすべてではないと私は思っている。これまでの議長の方がいろいろ仰らなかったのはそれなりのお考え、信念に基づいて仰られなかったので。私はそうではない。それだけのこと。

■「この政権はいかなる政権か、と。そこから始まっている」

山本: あえて参議院議長としていろんな形があるだろうというお考えで、定例記者会見というのも参議院議長として歴代初めて設けられた。そうやっていろんな発信をされているが、特に西岡議長は今の行政府の長である菅総理に対し、極めて厳しい発言をされている。読売新聞にも投稿されて。「首相の責務・自覚がない」と、ここでかなり厳しく批判されている。改めてそのあたりを聞きたい。西岡議長から見て、今の菅政権は何が一番よくないと思っているのか。

西岡: 今回の東日本大震災、そして福島の原発事故への対応についても全然スピード感がない。もともと私がなぜ「おかしい」ということを言い出したかと言うと、去年の尖閣列島(問題)のとき。あれは優れて政治的な判断が求められた事柄。領土に関わっているので。それを菅さんあるいは菅政権は逃げて、こともあろうに検察に、しかも那覇地検に全部責任を被せて、政治が知らんぷりをした。この政権はいったいいかなる政権かと。そこから始まっている。

山本参議院議員(左)と西岡参議院議長(右)

山本: 今仰った尖閣問題のときは西岡議長もご存じの通り、実は私も予算委員会の質問に立って、特にこの尖閣問題を影で仕切ったと言われた当時の仙谷(由人)官房長官に厳しく迫った。それに対して仙谷官房長官が物事をはぐらかし、相手を怒らせて中断して逃げるという戦略を使った。私の記憶が正しければ、西岡議長には『文芸春秋』のインタビューでそのことを引用していただいた。非常にうれしかった記憶があるが、そもそもあのとき議長が仰っていたことを思い出すと、とにかく「政府が責任を放棄した」と。まず「検察に政治的判断をさせては決していけない」と、こういうことだったと思う。

西岡: その通り。

山本: そこでまさに菅総理も仙谷官房長官も大きな過ちを犯した。もうこの時点で西岡議長は「菅総理は日本のリーダーとしてふさわしくない」と結論を下したということか。

西岡: そうだ。領土という問題は国家の基本だ。そこから間違っている。

山本: 結局、私たちは参議院で仙谷官房長官に問責決議を突きつけることになった。尖閣を中心とするいろんな失策に対して問責決議を突きつけることになったが、当時の仙谷官房長官は参議院の問責を軽視するような発言をして、それに対して西岡議長はかなり強く批判をされた。その辺りのことも改めてお聞きしたい。

西岡: 今日発売された『週刊朝日』で辛坊さんという方はそのことも批判している。国会の運営をやるだけが議長ではなく、国権の最高機関の一翼を担っているわけだ。参議院で問責を決議された。その官房長官が、いったいどうやって参議院に対応するのか。できないじゃないか。私が本会議のベルを押すとか押さないとか、そういう物理的なことでいろいろ仰る方がいるが、そうではない。国務大臣に対する問責は確かに法的根拠がない。国務大臣に対する、衆議院における不信任も法的根拠はない。ただ違うのは、内閣に対する、総理大臣に対する不信任は憲法で書いてある。だから個々の国務大臣に対する不信任も、参議院における問責も、名称は違うけれど同じ効力を持っていると私は思っている。ところが、それはなかなか理解されない。

 ちょうどあれは1月10日だったか。国会が始まる前、こんなことがあった。菅総理が参議院の公邸にお見えになっていろいろ話をされて、「2つ問題があります」と。「このまま行くと(仙谷)官房長官に対しては、参議院は問責決議を可決させたので、官房長官が『国会を何日から開きますよ』と言いに来られても、それは多分議員運営委員会は受け付けないでしょう。ただ、これには解決方法があります。あなたご自身、総理ご自身が参議院に来られて、『何日から通常国会を始めます』と仰れば、それは解決します。ただ問題は、国会が始まる前に少なくとも、予算閣議をなさるでしょう。予算書を出すわけですから。そこに全閣僚がサインするわけですね。その中に仙谷さんのサインがあれば、これは参議院としては認められない。そこで審議はストップするでしょう」。そう申し上げた。そこで初めて、菅総理も「これはまずい」と思われて、内閣改造という形で仙谷官房長官を、私に言わせれば事実上外したわけだ。あえて”罷免”とは申しませんが。

山本: 私も今そのことを思い出していた。さっき西岡議長が仰った(ように)、大臣に対する不信任案と問責は基本的には変わらない。ただ総理大臣に対する内閣不信任案は、これはある意味で法的拘束力があって、これが可決すると内閣は総辞職するか解散するしかない、ということだと思う。

西岡参議院議長、語る(2) 菅内閣は「共同正犯。連帯して責任を負う」
http://news.nicovideo.jp/watch/nw75394

(岩本義和、伊川佐保子、松本圭司、山下真史、土井大輔)

◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv52788408?ref=news#00:00

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