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仮設住宅だけでなく「仮設仕事」も必要 被災者支援の新しい手法「CFW」とは?

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 「CFW」という言葉を聞いたことがあるだろうか。CFWとは「Cash for Work(キャッシュ・フォー・ワーク)」の頭文字を取った用語。災害で破壊された道路の修復工事など、被災地の復興を目的とした事業に被災者を「雇用」し、それに対する「賃金」を支払うことで、円滑な経済復興と被災者の自立支援を両立させようとする手法のことだ。海外では、2010年のハイチ大地震の支援プログラムなど、多くの途上国の災害復興の場面で採用され、成果をあげてきた。

 そのCFWを日本の災害復興でも実現しようと活動をしているネットワーク「CFW-Japan」のメンバーが、2011年6月1日のニコニコ生放送「ニコ生シノドス」に出演し、東日本大震災の被災地におけるCFWの必要性・意義について語り合った。CFW-Japan代表の永松伸吾・関西大学社会安全学部准教授は「被災者が自ら復興に関わることで希望が生まれる」と話し、CFWは被災者の自尊心回復にもつながるとの見方を示した。

■日本では実績の少ないCFW

 東日本大震災の発生から約3ヶ月が経とうとしているが、被災現場にはまだまだ多くのがれきが残る。その直接被害額は20兆円以上と言われており、数多くのボランティアが活躍しているものの、まだ本格的な復興の段階には入っていないと言えるだろう。

 そのような中、今回の震災対応に「CFW」という新たな手法を導入すべきと主張してきたのが、永松氏だった。その主張に賛同したメンバーが集まり、意見交換や議論を行うネットワークとしてCFW-Japanを立ち上げたという。被災者に自ら復興事業に携わってもらうことで、地域経済の自立的な復興や被災者が希望を取り戻すことを目指しており、CFW-Japanはこれら雇用機会の創出につながる活動を支援することをミッションとして掲げている。

 永松氏によると、CFWは2004年のスマトラ沖地震に伴うインド洋大津波や2010年のハイチ地震後に、NGOや国連機関により実施され、成果を挙げているという。また日本でも、1854年に発生した安政南海地震からの復興において、当時の和歌山県広村(現在の広川町)で堤防建設事業などが実施されたと伝えられている。ただ、東日本大震災前の日本では最近の実績が無く、番組の視聴者も「CFW」という言葉については約70%が「初耳」と答えた。

■「被災地にはたくさんの仕事がある」

 しかし、永松氏はCFWの導入が今こそ必要だと考えている。

「家を失ったら仮設住宅を建てる。では、仕事を失ったら『仮設仕事』は要らないのか? ということ」

と例え、経済が本格的に動き出すまでは賃金支払を伴うCFWの形態で、被災者自らが地域社会に関わることが必要だと指摘。「仮設住宅の暮らしがよくならないと、その先の未来が明るくならないのと同じように、『仮設仕事』にやりがいを求めていくという発想が必要ではないか」とも語った。実際にCFW-Japanは、宮城県気仙沼市で被災者雇用を進めている団体などへのコンサルティングを通じて、雇用機会の創出を促進しているという。

 また、同ネットワークの副代表を務める本田由紀・東京大学大学院教育学研究科教授は、震災後の被災地の惨状を目にして

「すごく大きな、なされるべきこと、たくさんの仕事がある。その一方で、もともとの仕事を失った人たちが膨大に存在する。そのやるべき仕事と、仕事を失った人たちの両者を、一刻も早く結び付けなければと感じた」

と述べ、CFWという考え方に賛同する理由を説明した。

丸山紀一朗

◇関連サイト
・CFW-Japan公式サイト
http://cfwjapan.com/home/
・[ニコニコ生放送] CFWについての説明部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv51637672?ref=news#33:50

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