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「田舎暮らし見学会」で移住者の心をつかめ! 人口を維持するために動き出した長野県

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ここ最近になって、都会に住んでいる人々が定年や、転職、子育てを考える人々が地方に移住する事態を目にする機会が増えてきたように思う。ワイドショーしかり、僕の周りの知人しかり。

都会の喧騒と消耗の日々から離れ、田舎で心機一転、新しい生活をスタートさせる人は少なくないようだ。10月13日の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)では「人口争奪戦ぼっ発! 住んで得な街は何処?」という特集が放送されていた。(文:松本ミゾレ)
地元の食材を試食してもらい、農業に目を向けてもらう

10月某日。カメラは東京、足立区に暮らすMさん一家に密着した。この一家、まだ幼い子供2人を抱えている。父親はこの小さな可愛い子供たちを、自然の豊かな場所で育てたいと考えていた。

Mさんは東京生まれ東京育ち。最近になって子供たちのために、本格的に地方への移住を検討するようになったという。移住先の候補巡りにも精力的で、この日は車で4時間かけて、長野県の信更町という、人口わずか2200人の集落を訪れた。

信更町では、人口維持のためにある催しを開催している。その催しというのが「田舎暮らし見学会」だ。当日は村本さん一家をあわせて、7世帯13人が参加したという。

この見学会、企画そのものは目立つ派手さこそないものの、真剣に移住を考える人にとっては役立つ情報が詰まっている。地元で作ったお米を使ったおにぎりや郷土料理の試食をしてもらうことで、地域の発信している魅力を少しでも伝えようとする心意気の共有を図り、地域を支える農業に目を向けてもらおうと努力している様子が窺える。

それだけではない。たとえば地方に移住すると仮定したとき、最初に頭をよぎるのがその土地の風土習慣や住民に上手く溶け込むことができるか否かではないだろうか。その不安について、先に信更町に移住した先輩移住者の体験談を聞くことで、その場で解消できるのだ。

移住組の先輩から、その地域がどのような土地柄で、どう溶け込んでいったのを教えてもらうことができるというのは心強い。

僕はこの点で非常に苦い思い出がある。元々九州の田舎育ちだった僕は、無意識に「田舎ならどこも同じ」と思っていた。成人して東京で仕事をして、2007年になって新潟の割と何をするにも不便な地区に引っ越したんだけど、まあこの辺りの人間の冷たさ、余所者への無関心を通り越した軽い敵意には随分閉口したもんだ。

以前ここでも愚痴ったことがあるんだけど、僕は今、地方に移住して明確に失敗したモデルケースという自負がある!
さすが地方! 立派な家が300万円で購入可能

信更町の移住者誘致にかける熱意は並々ならない。購入可能な空き物件を案内したり、移住者向けに開放可能な状態を維持してある水田やリンゴ園を紹介。地産地消という田舎暮らしの醍醐味を、移住を計画している人々に向けて、すぐに提案できる状況にあるということをアピールすることも忘れない。

空き物件も立派な家屋で、ちょっとしたお城のような外観。かなり大きな建物ながら、なんと300万円で購入可能だという。さすがは地方。家も安い。

人が何年も住んでいないためにリフォームは必須だが、交渉次第で価格は下がる可能性もあると説明も。さらにはそのリフォーム業者の選定や、移住後の仕事の斡旋まで、信更町が面倒を見るというのだから、至れり尽くせりである。
すでに市町村による人口の奪い合いは始まっている!

そもそもどうして信更町は、これほどまでに移住者の誘致に本腰を入れているのかといえば、それは2014年に設立された、長野県の人口減少対策課の存在が大きいようだ。

年々加速する人口減少を食い止めるために、長野県の各市町村がそれぞれに移住者を迎え入れるために動き出した。信更町「田舎暮らしを支援する委員会」委員長の中島忠徳氏はこう話す。

「何百という市町村による人口の奪い合い。切磋琢磨して競争して自分の土地を売り込んで、移住者の心を掴むしかないんですよね」

信更町のように移住者に対して熱心な支援を試みる自治体は、一切移住に支援をしない地方に比べれば、やっぱり都会からの移住を考える人々にとっては魅力的に感じられる。都会の喧騒から離れても、移住先で生きるための勝手が分からなければ、きっとすぐに移住者は逃げ出してしまうだろう。

恐らく、長野県のように人口減少対策を打ち出す自治体は今後増えていくはず。地方ごとに魅力も、あまった田畑も、家も必ずある。そういう資産を腐らせずに、出し惜しみなく有効活用すれば、自然と移住を希望する人々も増えていくだろう。

あわせてよみたい:地方自治体がしのぎを削る「人口争奪戦」
 

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