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ネコが繰り出す「ネコ・パンチ」は“選ばれし者の特権”だった?

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 ネコと人は、およそ1万年前から一緒に暮らすようになったという。とても長い付き合いだが、いまだにネコの性格や行動が不思議なままだ。
 そんなネコにまつわる秘密と理由を科学的に解説するのが、『猫はふしぎ』(今泉忠明/著、イースト・プレス/刊)だ。本書では、哺乳動物学者、「ねこの博物館」の今泉忠明氏が、「猫に愛される人」になる方法を紹介している。

■ネコの肉球の秘密
 ネコの体の中で人気度が高い部分が肉球だろう。ネコの肉球は、先の方にある4個の指球と体重の大部分を支える凸型の掌球からできている。ここは毛が生えず、皮膚が裸出している。表面は皮膚組織で、内部にいくと筋肉でも肉や脂肪でもない結合組織の層、そして皮下組織があるという構成で、ほとんど人間と同じつくりになっている。
 肉球の役割のひとつが衝撃を吸収することだ。弾力のある皮下組織は上等なランニングシューズのようなもので、疲れにくく足音も出ない。これは、獲物を求めて直径1キロメートル位のハンティングエリアをパトロールしていた野生時代に鍛えられた習性だ。

 もうひとつ役に立っているのが、肉球が分泌する汗だ。ネコは汗腺が体になく、肉球にだけあるという。肉球の汗は、体操選手がつける松脂のように滑り止めの効果をもたらす。また、汗には皮脂線から出る脂分と匂いが混ざっているので、一歩踏み出すたびに自分の手形模様の匂いスタンプをポンポンと押しているということになる。
 ついつい触りたくなってしまうが、全面が人の指先ほどの感度をもっているので、触られるのを嫌がるネコが多いことを忘れてはいけない。

■ネコ・パンチは選ばれし者の特権だった?
 そんな肉球のある手足から繰り出されるのが、ネコ・パンチだ。拒絶や攻撃するときに繰り出されるパンチは、イヌにはできない芸当。なぜなら、イヌは前足を左右に動かすために必要な鎖骨が退化して小さくなっており、足が左右にほとんど動かないからだ。
 イヌは、進化の過程において平原で獲物を探すために長距離を走るようになった。そのため。身体も長距離ランナー型になり、鎖骨を必要最小限までなくした前足が前後にしか動かない骨格となったというのだ。
 一方で、森林に棲むネコにとっての狩りの相手はネズミやリス、ヤマネなどの小さいケモノだ。彼らの中には、木の上に巣をつくる種もいる。また、ネコの敵はジャッカルやキツネなどの木登りができないイヌ科動物だったため、敵から身を隠すのにも木の上は最適だった。
 こうした理由から、木登りができる体である前足と胸をつなげて肩を支える役割をもつ鎖骨が残っていた種が生き残り、現在に至るというわけだ。ネコの繰り出すネコ・パンチは、森林の中で狩りをする“選ばれし者の特権”だったのだ。

 ネコの性格や行動、ネコ・パンチといったしぐさの秘密を科学的に解き明かしていく本書。気まぐれともいわれるネコの気持ちがわかるようになるかもしれない。
(新刊JP編集部)


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