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喫茶店の「モーニングサービス」発祥の地、愛知県一宮市のご当地PR女子「一宮モーニングエンジェルズ」ってなんだ!?

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高度経済成長期の好景気が「一宮モーニング」を生んだ

地方発のB級グルメは、その土地の文化や歴史を背景に生まれた誕生ストーリーがあり、発祥当時の古き良き時代に思いを馳せるのも楽しみの一つである。では、名古屋はどうだろうか。味噌かつや手羽先、ひつまぶし、あんかけスパなど名古屋めしの多くは、天才的なセンスのある1人の料理人が生み出したものが大半である。

それに対し、地域自体で育まれた食文化も確実に存在する。名古屋駅から電車でわずか10分、愛知県西部に位置する一宮市には、地場産業である繊維業の発展とともに、ある食文化が生まれた。朝、コーヒーなどの飲み物を注文すると、トーストやゆで卵などが無料で付く「モーニングサービス」(以下、モーニング)であり、一宮市はその発祥の地といわれいる。市内には約620軒の喫茶店があり、週末には家族揃ってモーニングを食べる姿も珍しくはない。

 

f:id:Meshi2_Writer:20150827103753j:plainモーニングサービスの一例

一宮市の喫茶店でモーニング始まったのは、高度経済成長期にあたる昭和31年頃。当時は機織りの機械がガチャンと音を立てると、1万円儲かる「ガチャマン」と呼ばれる空前の好景気に沸いており、維業を営む人々は昼夜を問わず喫茶店で商談や打ち合わせをしていた。なぜなら、当時の繊維工場は機織機の音がうるさい上に埃っぽいからだ。

 

f:id:Meshi2_Writer:20150827103941j:plain昭和31年頃の一宮モーニング。当時はまだ高価だった卵が付く

早い話、喫茶店を応接室や会議室代わりに使っていたのだ。そこで喫茶店のマスターやママさんは、朝から来てくれる客にゆで卵とピーナツをサービスとして付けたのがはじまりだという。

名古屋市にもモーニングを提供している喫茶店はあるにはあるが、テナント料や人件費の関係でトーストとゆで卵、サラダを付けるのがギリギリ。ドリンクに100円~150円の追加料金を払う「モーニングセット」が一般的になりつつある。

一方、一宮市の喫茶店はどうか。土地や建物は自前、さらに家族経営というケースが多い。私見ではあるが、名古屋よりも1~2品多いだけではなく、茶碗蒸しやおかゆ、うどんまで付ける店もある。そんな豪華なモーニングを出しても利益は出るのだ。

こんな面白い食文化を町おこしのネタにしないわけがない。’07、’08年に一宮商工会議所青年部は、市内で食べられるモーニングを「一宮モーニング」と命名し、発祥の地であることを改めて宣言。さらに市内の人気店を一堂に会してモーニングを提供する「一宮モーニング博覧会」を開催した。それを皮切りに、’09年には一宮商工会議所が中心となり、一宮市や市内の学校、食品関係団体などとともに一宮モーニング協議会を設立。市内約100店舗のモーニングを写真付きで紹介した「一宮モーニングマップ」や「一宮モーニング公式ホームページ」を毎年制作してPRしている。

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