近隣住民の騒音、何が一番気になる?

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近隣の騒音、気になるのは「子の声」よりも●●が1位に

近隣トラブルで必ず上位項目に挙がるのが「騒音」。前回の記事「近隣トラブル、悩まされていること1位は……?」の中で「騒音」が1位だったことをお伝えしたが、気になるのはいったいどんな音なのか? アンケートの結果から、その詳細が明らかになった。
ランキング上位はやはり子どもの声だが、それよりも気になるのは……

近隣の住人に不満を感じたことがある人はどのくらいいるのか、東名阪エリアに在住する20~50代の男女400名にアンケートを実施。「あなたは近隣の住人に対して、不満を感じることはありますか?」との質問に、「不満がある」と回答した人は33.8%おり、不満の中身について具体的に聞いてみると1位になったのは「騒音」(45.9%)だった。

さらに、「騒音」に不満を感じている人に、さまざまな日常生活音別に「かなり気になる」「あまり気にならない」「まったく気にならない」の3段階で回答してもらった。その結果、「かなり気になる」と回答した人が多い順にランキング化した。

1位 子どもを叱りつける親の声 21.0%
2位 子どもの騒がしい声 20.8%
3位 子どもの泣き声 17.8%
4位 ペットの鳴き声 16.3%
5位 子どもの足音 16.0%
6位 人の話し声 15.5%
7位 楽器の音 11.8%
8位 テレビ・音楽などの生活音 10.3%
9位 洗濯機の音 8.0%
10位 目覚まし時計の音、掃除機の音 7.8%

子どもの出す音に関しては、「騒がしい声」「泣き声」「足音」と、5位以内に3つもランクインしており、やはり気になる人は多い様子。しかし、2位の「子どもの騒がしい声」を0.2ポイント上回った1位は、「子どもを叱りつける親の声」。大人は声量が大きく、ご近所に通りやすいからか、はたまた、聞いた側が叱りつけられている子どもの心情を想って、「何もそこまで怒らなくとも……」と思ってしまうからだろうか……。

4位「ペットの鳴き声」は、ペット可物件ならばそれなりの騒音対策がなされていることもあるが、問題はそうでない場合。「契約違反なのでは?」と、余計に気になってしまう。2004年に環境省動物愛護管理室が行った犬種別犬の鳴き声調査結果を見ると、おおむね90db程度。ピアノ(80db)や掃除機(70db)よりも大きい。猫の鳴き声は74dbと、犬よりは少々小さいが、掃除機と同程度。やはり、気になる人にとっては騒音だろう。

下位項目を注目すると、「テレビ・音楽などの生活音」「洗濯機の音」と生活音が並ぶ。かつてに比べれば、家電の改良も進み、かなり静音設計になりつつある。また、「おたがいさま」という気持ちも加味されているのかもしれない。「楽器の音」に関しては、演奏が上手なら一時のBGMとして聴ける場合も多そうだ。

その他には、「咳など」(38歳・男性)や「爆音のクシャミ」(42歳・男性)などのコメントもある。深夜に咳やクシャミをする際は、音が響かないように注意したほうがいいかもしれない

その他には、「咳など」(38歳・男性)や「爆音のクシャミ」(42歳・男性)などのコメントもある。深夜に咳やクシャミをする際は、音が響かないように注意したほうがいいかもしれないところで、騒音ってどこからが騒音になるの?

これら生活音に関して、難しいのは、発生させている本人たちは騒音だと思っていない点。いったい、どのくらいの音量になると騒音になるのか。こちらについても、環境庁が平成10年9月に「騒音に係る環境基準」を告示しており、昼間(6時~22時)は50~65db以下、夜間(22時~6時)は40~60db以下がその相場。地域によって騒音の基準は微妙に異なるため、気になる人は自分の住むエリアがどの基準に当てはまるのか、一度調べてみると良い。

さまざまな音量を気にし始めると、生活しにくくなりそうだが、それでも日本はまだ生活騒音には寛容な国。ドイツには「Ruhezeit(ルーエ・ツァイト)」という休息時間に関する法律があり、騒音が発生するであろう仕事や用事は平日8時~12時と14~19時、土曜日8時~12時と14~17時に行わなければならない。原則、日曜帯と祝日は禁止だ(詳細は各自治体によって異なる)。日曜大工や掃除機かけ、犬の鳴き声などはNG。

年末年始のカウントダウンやサッカーの大事な試合がある日以外は、このルールに則っており、生活用品店も日曜は閉店しているという。ここまで徹底すると大変そうだが……。

そんな騒音にうるさいドイツでは2011年、「乳幼児・児童保育施設及び児童遊戯施設から発生する子どもの騒音への特権付与法」が可決した。背景には、子どもの騒音による児童保育施設への訴訟増加があり、これによってそれら施設が減少してしまうことは、少子高齢化を助長しかねないと判断したためだ。「静かにしてね」と叱りつけたからといって、静かになるわけではないのが子ども。ドイツ同様少子高齢化である日本も、子どもの声に神経質になりすぎず、一過性の通過儀礼として受け止める寛容な姿勢が、法整備の前に必要なのかもしれない。●調査概要
[SUUMO 近隣トラブルに関する調査]より
・調査期間:2015年7月31日~2015年8月3日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:首都圏・中京圏、近畿圏に居住する20~59歳の男女
・有効回答数:400名(男女200名ずつ)●参考
・環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室
 第3回 動物の愛護管理のあり方検討会 『資料2 危害や迷惑問題等の発生状況
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/09/18/97741/

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