体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

“無計画停電”から“戦略的エネルギーシフト”へ

“無計画停電”から“戦略的エネルギーシフト”へ

今回は環境エネルギー政策研究所の飯田哲也さんからご寄稿いただきました。

“無計画停電”から“戦略的エネルギーシフト”へ
2011年3月11日に発生した東北関東大地震とそれに続く巨大津波によって東日本は深刻な需給ギャップが生まれたため、“計画停電”が始まったが、十分に計画されず、混乱を極めている。そこで、環境エネルギー政策研究所(ISEP)では、関東圏の供給力や過去の需要量を含めた検証を行い、公共政策として行うべき、短期・中長期的な施策をここに提言する。

【要旨】
【短期的な電力需給】今春から夏の需要ピーク時(1日最大電力予想=発電端で5755万kW)にかけて、 とくに需要側への適切な措置~特に大口需要家との需給調整契約の戦略的活用~を行えば、短期的にも無計画な“計画停電”を実施しなくても、十分に対応可能であることが明らかになった。
・具体的には、福島第一原発と第二原発はもとより、柏崎刈羽原発を全機停止したとしても、最大で270万kWの供給不足に対して、以下の措置により1100万kW以上の需要引下げ効果が期待できるものと考える。
*家庭~50kW未満は、一律、契約電力(アンペア数)を2割引き下げて250万kWの引き下げ効果
*50kW~500kWは、ピーク料金を設けることで200万kW程度の引き下げ効果
*500kW~2000kWは、ピーク料金から開始し、順次、需給調整契約に移行して150万kW程度
*2000kW超は、原則として政府あっせんによる需給調整契約によって500万kW程度

“無計画停電”から“戦略的エネルギーシフト”へ

「短期的な電力需給イメージ」(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/158.jpg

【中長期的なエネルギーシフト】地域分散型の自然エネルギーを中心とするエネルギー政策に転換すれば、 短期的には震災復興経済の柱となるだけでなく、中長期的には自然エネルギーを2020年に電力の20%増の30%、2050年には100%を目指し、電力安定供給・エネルギー自給・温暖化対策の柱とする大胆かつ戦略的なエネルギーシフトを目指すことを提言する。
・具体的には、2020年を目途に、自然エネルギー30%を目指す。
*現状の“我慢の節電”から“利便性を損なわない節電”を2020年までに20%
*自然エネルギー電力を現状の約10%から30%に拡大
*原子力は自然減と震災損傷を考慮して約10%もしくは2020年までに全廃
*石油・石炭は優先して削減することで約10~15%、天然ガスは変動吸収の主役として約25~30%
・さらに2050年を目途に、自然エネルギー100%(現状比で節電50%、自然エネルギー50%)を目指す。

“無計画停電”から“戦略的エネルギーシフト”へ

「中長期的な電力シフトイメージ 40年廃炉ケース・ 廃炉加速ケース」(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/235.jpg

1 はじめに
2011年3月11日に発生した東北関東大地震とそれに続く巨大津波によって、福島第1原子力発電所をはじめとする東京電力・東北電力の主要電源が緊急停止した。このため東日本は深刻な需給ギャップが生まれ、それに対応するために東京電力では“計画停電”を始めた。ところがこの計画停電は、十分に計画されたものではなく、信号や鉄道、病院といったライフラインの電力や震災被災地の電力供給さえ止まる地域がある他、生産活動の見通しを立てられない産業経済界からも異論が聞こえるなど、混乱を極めている。
そこで、環境エネルギー政策研究所(ISEP)では、関東圏の供給力や過去の需要量を含めた電力需給の検証を行い、今後、公共政策として行うべき、短期・中長期的な施策をここに提言する。

2 需給の見通し
本年度の夏季における、東京電力の供給力について検証し、過去の需要量との比較をしつつ、供給力について考察を行った。発電端と送電端について明確に区別するため、発電端の数字は青色、送電端の数字は緑色でそれぞれ記載した。

2.1 過去の需要量
表2.1は、東京電力における近年の一日最大電力および最大三日平均電力(いずれも発電端)を示している。2008年9月のリーマンショック前で6000万kWを少し上回る程度、リーマンショック後は6000万kWを下回っている。

“無計画停電”から“戦略的エネルギーシフト”へ

表2.1「近年の最大電力(発電端) 」(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2110.jpg

東京電力の月間最大電力をリーマンショック前の2007年から図3.1に示す、7~9月以外の月の最大電力は7-9月を除くと2008年1-2月の5500万kW、その時期も除くと4000~5300万kWである。また、2008年1-2月でも、最大3日電力平均は5360万kWである。

“無計画停電”から“戦略的エネルギーシフト”へ

図3.1「東京電力の月間最大需要」(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/zu311.jpg

1 2 3 4 5 6次のページ
寄稿の記事一覧をみる

記者:

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。