アメリカエネルギー省が推定年間積算線量を試算したデータ

First Year Dose Estimate/ ENERGY.GOV

アメリカ・エネルギー省は、福島第一原発電事故による放射線学的評価を行い、同省のウェブサイト上でスライド発表をしました。空中測定システムにより334時間にわたる空中モニタリングを行い、周辺地域の1年分の積算線量を試算しています。

スライド内の図では、福島第一原発周辺地域の地図を予測される線量で色分け。もし、該当エリアに住み続けた場合に推定される1年間の線量が2レム(20mSv)以上になるエリアは赤、1~2レム(10~20mSv)のエリアは黄色、500~1000ミリレム(5~10mSv)のエリアは緑、100~500ミリレム(1~5mSv)は青、100ミリレム(1mSv)以下はグレーに塗られています(この数値には、戸外で過ごしていた場合を前提としたもので、放射性崩壊などの要因は考慮されていません)。

「1年間の線量が2レム(20mSv)以上」と予測されたエリアが、ただちに居住できなくなることを意味するわけではありません。ただ、大西洋を横断する航空機では2.5ミリレム、胸部へのX線放射で10ミリレム、EPAのガイドラインでは4日間に1000ミリレム(10mSv)以内が健康に害のないレベルと定められていることから考えると、決して低い数値ではないことはたしかです。また、先日発表された、フランスIRSNによる推定年間被曝量を示した地図と、放射性物質が北西に向かって流れているという点でほぼ一致していることがわかります。

※1 mrem(ミリレム) = 10 μSv(マイクロシーベルト)。レム (REM, rem) は、生体に対する被曝の大きさを示す単位。シーベルトも同様。

ENERGY.GOV『First Year Dose Estimate』
http://blog.energy.gov/content/situation-japan
 

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Kyoko Sugimoto

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

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