総務省によるネット上のデマ情報自主削除要請に 津田氏「大変危険」

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 片山善博総務相は2011年4月8日13時30分頃に開かれた会見で、日本インターネットプロバイダー協会など4団体に地震に関連するチェーンメールやデマ情報の自主的な削除を求めたことについて、「表現の自由を抑制することは毛頭ない」と強調した。

 この発言は会見の質疑応答時間にフリーライターふじいりょう記者が、「(自主削除要請で)インターネットの規制の流れが促進されるのではないか」という質問を受けてのもの。

 また、ふじい記者は、「実際のチェーンメール、デマ情報に関してインターネット上で出回っているものの具体例をどれだけ把握しているのか」とも質問。これに対して、片山総務相は、「政府のワーキングチームの会合の中で、デマや流言飛語が飛ばないように通信事業者に所管の官庁から注意を喚起してほしいと要請があったので、総務省として(自主削除要請を)出した。具体的にこれはいけないとか、こういうのがあるから駄目だということを指摘するつもりはない」と明言を避けた。

 本件に関してメディアジャーナリスト津田大介氏は、ふじい記者の取材に応じ、「この要請を出した『被災地等における安全・安心の確保対策ワーキングチーム』には警察庁からもメンバーが入っているので、警察の方針が明らかに関わっているだろう。2009年に施行された青少年ネット規制法の流れで、各事業者に圧力をかけた可能性がある」と述べた。その上で、「実際に個別具体例を挙げないのであれば、どういう指針でどういう運用をするのか。それを決めないままでいると大変危険」と懸念した。

(ふじいりょう)

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