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「大人になる」っておもしろいこと?

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 大人になるとは、どういうことか。子どもの頃に思い浮かべていた大人像と、20代、30代、40代になったときの自分を思うと、ギャップを感じる人は多いのではないだろうか。
 では、大人になるというのは、おもしろいことなのか。子どもに聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。大人になる過程で何をどう考え、生きるべきなのだろうか。

 『大人になるっておもしろい?』(清水真砂子/著、岩波書店/刊)では、『ゲド戦記』の翻訳者であり、児童童文学者・翻訳家の清水真砂子さんが、大人になる直前のとまどいや悩み、未来に希望を思い描くのも難しい10代に、魂をゆさぶる数々の物語を通して、悩むこと、傷つくことを恐れず、もっと伸びやかに自由に生きようと呼びかけている。

 清水さんは、誰にでも大きな声で挨拶をする、強制されるような挨拶よりも、優先してなすべきことがあるという。
それは、黙すことだ。
 今は、はにかむことも、口数の少ないことにも、沈黙にも、なかなかプラスの価値観が置かれにくい。さらに1人でいることにも…。テレビをつければ登場する人たちは、朝からにぎやかに笑って、しゃべり、コミュニケーション能力こそ現在を生き抜くために不可欠だと社会のリーダーを自認する人々は大声で発し、独り居や黙することの大切さを思う人の声はなかなか若い人たちの耳には届きにくくなっているという。

 清水さんが気がかりだと感じていることは、黙っていたいのに、無理をしてでも、しゃべらなくてはいけないと考える人が10代の人々の中にますます増えているように見えることだという。
 内容はどうあれ、しゃべるという行為そのものを価値と考える人々が多くなっているように思われること。こういう状況のもとでは他者の声に耳を傾けたり、自分自身の内なる声に耳を澄ますことは難しくなってきているのではないかということだ。
 黙すこと、そして1人でいることは、自分自身との対話に不可欠で、自分自身との対話がなくては、他社との対話も本当のところではできないし、他者とつながることも実はできないと、清水さんはつづる。

 近年、SNSでどこでも誰とでもつながることができる。便利である一方、1人でゆっくりする、考え事をする時間は減ってきているのかもしれない。黙すこと。自分自身と対話すること。そういう時間も大人になるためには大切なものなのだろう。
(新刊JP編集部)


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