山田ルイ53世さん(髭男爵)にわくわくインタビュー~マガジンハウス担当者の今推し本『ヒキコモリ漂流記』
こんにちは、マガジンハウスです。今日は素敵なゲストをお招きしています! 先ごろ「一発屋オールスターズ選抜総選挙」で栄えある初代王者に輝き話題にもなった髭男爵の、ヒゲのほうこと山田ルイ53世さんです~。初めまして!
山田 「どうも、山田です」
―――さすがに貴族的な優雅なたたずまいでらっしゃる! 今回、自叙伝を出版されますが、本の帯にもあるように(「神童」→「名門中学に合格」→「引きこもり」→「大検を取得で大学へ」→「2年足らずで失踪」→「上京して芸人に」→「借金から債務整理」→そして、「復活(ルネッサンス)!」)、なんか色々大変な青春時代だったんですね。
山田 「ええ、我ながらひどいですねえ」
―――(……いい声!)ご自身のことはいいとしても、ご両親、特にお父様についてのくだりは書いて大丈夫だったんですか? 読んでいるほうは面白かったですけど。
山田 「AV持ってたというあたりは大丈夫じゃないかな……。まあ、元々シャレが通じるタイプじゃないんですよ。この20年間で2~3回しか会ってませんもん。だから、かつてお仕事をもらえてた時期も、親と絡む企画の依頼はお断りしてたぐらい」
―――そんなに疎遠な息子にAV秘話や浮気のことをばらされるというのも悲惨なような……。
山田 「ま、浮気の件はちょっと書きすぎたかなと(笑)。ただ、嫁は気利かせて、娘……親にとっては孫ですね、連れてちょくちょく会いに行ってるんですよ。娘がお寿司屋さんの大将になって、父がお客の役を演じてるなんて聞いて、あのオヤジも変わったなあと」
―――いい奥様ですね。
山田 「はい、歪んでない、真っ当な人です。僕はけっこう、女性は誰でもいいなんて思ってたタイプなんですが(笑)、彼女といると気が休まりますね」
―――ヒューヒュー! お父様にだって、わだかまりはまだあれど、感謝している部分もあるんですよね?
山田 「あるかなあ(笑)。ああ、この声はオヤジ譲りなんですよ。ええ声授けてくれたのは感謝してますね。声のおかげでやらせていただいている仕事もあるんで、小中学時代“こうしてくれたら”と思ってた部分も、それでペイできてる気はします」
「オヤジ、ええ声ありがとう」と、スタジオ内にセクシーなバリトンボイスを響かせる貴族。
―――声もさることながら、風貌もとってもダンディな山田さんですが、“ゲイの好きな芸人ランキング”などでもよく上位に入ってますね。そういった方々に支持を得るようになったのはいつからですか?
山田 「いまのこの貴族キャラになってからですね。ありがたいことです。先日もLGBT雑誌に取材していただいて、スーツモデルをやらせていただいたり」
―――ふだん、街を歩いてて声かけられたりすることも多いんですか?
山田 「そうですね。やっぱりゲイの方やオネエっぽい方には好感を持って接していただくことが多いです。すごく支えられていると実感するし、嬉しいですねえ」
少し照れつつも、自らのモテエピソードを披露。
―――さて、本題に入りたいのですが。
山田 「まだやったんかーい」
―――本書のキーワードは、ずばりウンコですよね。そこで半生が変わってしまった。
山田 「はい。もちろん色んな要素、原因はありましたが、引き金を引いたのは、まぎれもなくあのウンコもらし事件です」
―――今でもウンコは憎い存在ですか?
山田 「いや、そうでもないっていうか……実はここ3年でも2回、ウンコもらしてます(笑)」
―――えっ、そんな可愛い顔で言うことですか。
山田 「仕事で飲んで、酔っ払って帰るとねえ……。どっちも家の前ですね」
―――そこまで我慢できたなら、何故せめて家の中まで維持できなかったんですか?
山田 「違うんですよ、もらす時の深層心理っていうのがあって、家が視界に入ったらもうゴールできたと思ってしまうものなんです。設定ゴールが間違ってるんですよね」
―――……。
粗相してもこんな顔で反省されたら、許してしまいそうなのがコワイ。
山田 「2回とも、気付いたら、嫁が何も言わずに僕のジーパンを洗い出してて、“こいつと結婚してよかったな~”と思いました」
―――ひどい惚気ですね。さすがに今の山田さんは、もらしてもびくともしない強さがありますね! とはいえ、やっぱり小中学生にとってはキツイ経験になると思うんです。何か対策みたいなのはないんでしょうか。
山田 「僕ね、もうこれは国に言いたい。小中学校のトイレは、男女とも全部個室にするべき! “あいつウンコ行った”と明確にわかる状況でウンコに行かなきゃいけないなんて、子どもにはハードル高すぎます。個人レベルではどうにもいかないので、国レベルで変えていかないと」
―――確かに、男子トイレのほうから「○○がウンコしてるー」って聞こえた遠い記憶があります。
山田 「その恥ずかしさは引きずりますよ。いつでも何の気兼ねもなくウンコしに行ける環境づくりを、文科省には頑張っていただきたいですね」
―――山田さん、熱意がすごいから、その勢いで政治家にもなれそうですよ!
山田 「ウンコしやすい環境づくりをマニフェストに? いやいや勘弁してくださいよ~(笑)」
―――では最後に、全国のモラシストの皆さんにメッセージを。
山田 「まず大人。もらしそうでも、家まで帰れるならなんとかもうひと踏ん張りしろ。その後の始末が大変だから。そして小中学生でもし学校でやっちゃった子がいるなら、ずっと休みたくなるぐらいすごく恥ずかしいだろうけど、翌日は思い切って教室のドアを開けてみよう。イエーイって。案外なんとかなるもんです」
―――まあ、なんとかならなくて引きこもり生活に突入してしまった山田さんでも、最終的には割と幸せですもんね。
山田 「そうね。この本読んでもらえればわかると思いますが、ウンコもらしても、引きこもっても、最低でも貴族にはなれますから! ……なりたくないでしょうけど(笑)」
若人よ、ファイト! というポーズをとったら、はからずもキバっているようになってしまった一枚。(写真・中島慶子)
「髭男爵 山田ルイ53世 サイン本お渡し会」開催!
9月2日(水)18:30~19:30(要参加券)
山梨県・朗月堂書店(山梨県甲府市貢川本町13-6)
問い合わせ先:TEL 055-228-7356
9月5日(土) 17:00〜18:00(要参加券)
東京・三省堂書店池袋本店(東京都豊島区南池袋1-28-1)
問い合わせ先:TEL 03-6864-8900
今週の推し本
『ヒキコモリ漂流記』
山田ルイ53世 著ISBN:9784838727742
定価:1,404円 (税込)
発売:2015.08.31
ジャンル:ノンフィクション
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