体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

蟲ふるう夜に GOMESSも参戦した衝撃ワンマン 寄生虫のよう蔓延る思念を蹴散らす

蟲ふるう夜に GOMESSも参戦した衝撃ワンマン 寄生虫のよう蔓延る思念を蹴散らす

 慎乃介(g)が難病フィッシャー症候群から復活し、待望のワンマンライブを開催しようとするも、蟻(vo)のインフルエンザ感染によって同公演が延期。思い通りにいかない現実に翻弄されていたバンド 蟲ふるう夜にが、あらゆるネガティブな事柄に対するリベンジマッチ【ワンマンLIVE 2015“スターシーカー”】を7月31日 渋谷CLUB QUATTROにて開催した。

蟲ふるう夜に 迫力のライブ写真一覧

<一歩間違えば開催されることのなかったかもしれない公演>

 約2年ぶりとなった今回のワンマンライブには、その間、このバンドのメンバーや音楽との繋がりを深めてきたであろう大勢のファンや仲間が集結。一歩間違えば開催されることのなかったかもしれない公演ということで、まずは実現されたことへの喜びが開演前から会場には充満していた。そして誰よりもこの時を待ち侘びた蟲ふるう夜にの面々は、眩いほどの光と幻想的な音の中に気高く佇みながら、慎乃介自身が病気になっていた時期に作詞作曲した「君という光、僕の走る道」からライブをスタート。苦悩の日々からここまで辿り着いてみせた4人のエモーションはすぐさまスパークし、かつては仏頂面でギターを弾いていることも多かった慎乃介が「シブヤァ~~!!」「来いやぁ~~!!」と子供のように甲高い声で叫べば、かつては重苦しい表情でステージを見つめていたオーディエンスも釣られるように笑顔を浮かべ、激しく体を揺らし始める。「慎ちゃん、8か月ぶりのライブどう?」「楽しい!」まるで母と小さい子供である。

 「延期とか、病気とか、いろんなことあったけど、でもそれは今日ここに居てくれるみんなと、こういう特別な時間を創る為に必要なことだったんじゃないかなって思った。今日、本当に、みんなで「特別な1日だったね」って言って帰れるように盛り上げていきたいと思います。みんな、協力してくださぁぁぁぁい!」

<蟲ふるう夜に史上最も切なく優しい新曲「傘」初披露、涙を誘う>

 そんな蟲ふるう夜にの想いを代表して語り叫んだ蟻(vo)が、この日の為に書いてきたと云う新曲「傘」をキーボーディストと2人だけで聴かせる場面も。「お気に入りの水色の傘折れた途端 もう興味がなくなったの 薄情な自分が嫌になるから 君にそばにいてほしいよ」「あの日々は戻らないからと 手を振る君がいた」等の描写ひとつひとつがこちらの記憶を想起させていくそのバラードは、まるで自分の歌のように響いて涙を誘う。そんな蟲ふるう夜に史上最も切なく優しい新曲の後は、慎乃介、郁己(dr)、春輝(b)が「さっき(蟻が)新曲やってたから俺らも何か出来ねーかと思って、インストの曲を作ってきた。踊れる準備できてる?」と、踊り狂う為のビートの上で各々の鳴らす音が生き物のように暴れ回り、クライマックスでは慎乃介が速弾きの限りを尽くし、その様子を袖から見ていた蟻は「凄い速弾きだったね。バンド組むときに「速弾きできるんだって? バンドやろうよ」って言ったの思い出したよ、今(笑)。学校イチ速かった」とコメント。

 ちなみに、郁己は「運動神経がいいから」という理由でドラムを任せられるようになったのだが、そんな郁己と慎乃介はドッジボールが強すぎて「風神・雷神」と学生時代は呼ばれていたんだそう。

<GOMESSからの「ありがとう」寄生虫のよう蔓延る思念を蹴散らす音楽>

 ただのバンドメンバーでなく人生を共に進んでいる仲間ならではのエピソードも飛び出す中、終盤にはGOMESSがゲスト参戦。大変な時期を姉に支えられたというGOMESSと、引きこもりの弟を救い出したことのある蟲ふるう夜にの蟻、姉弟それぞれの視点を描いた楽曲「同じ空を見上げてた featuring GOMESS」をふたりで生披露してくれたのだが、ふたりの言葉が、あらゆる感情がうねるように交わり続ける様は凄まじく、その最後、すべての音が消えてもラップを止めないGOMESSの「いつの間にか今日という日に辿り着いてた 今日この場所に辿り着いてた 今日ステージで歌ってた。…………蟻さん、ありがとう」という言葉は、その先に畳み掛けられた、絶望を希望へと必死に変換しようと戦ってきた蟲ふるう夜の音楽に、更なる強烈な力を注いだ。

 「こちらこそありがとう、GOMESS」「今日は特別な1日になりましたかぁ!?」蟲ふるう夜に史上最大ボリュームの歓声に包まれながら放たれた「ホウセキミライ」「わたしが愛すべきわたしへ」「スターシーカー」はまるでドでかい光の塊。どうしたって掴めない、ちっとも思い通りにいかない、不安で不安で仕方ない、失いたくないものばかり失っていく、生きていることがツラすぎる、もう何もかも諦めてしまおう……そんな日常的に頭に渦巻く、タチの悪い寄生虫のよう蔓延るクソみたいな思念を蹴散らす音楽、そして疑いようのない全身全霊の叫び「愛してるんだよ、クアトロォォォォォォ!!!!!」 これを前にして取り繕うことなんて不可能だった。会場中に涙が溢れ、歓喜の咆哮や拍手が飛び交う。

1 2次のページ
Billboard JAPANの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

山寺宏一&高木渉で『ポプテピピック』

GetNews girl / GetNews boy