日光から子供を守りすぎ? 再び増えてきた「くる病」

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O脚や背中が曲がる子供の病気「くる病」が増えているといわれます。
くる病とは、骨の中にカルシウムを吸収する役割を果たすビタミンDの不足により起こる病気です。
骨がカルシウムを吸収して硬くなることができないため、体重の負荷で背中が丸くなったり、O脚になるわけですね。

一般的に、ビタミンDは、牛乳やマグロなどといった食品に多く含まれています。また、日光に当たることで体内で合成される性質があるため、栄養状態が悪かった昭和30年代くらいまでは子供に日光浴をさせることが経験的に行われてきました。

ところが、夏場の日差しが強くなり、母子健康手帳からも子供の日光浴について注意喚起を促す文章が消えました。
また、日光を浴びすぎると、皮膚がんになりやすいという情報が広がったこともあって、子供を日差しから避けさせる人が増えました。その結果、くる病になる子供が増えたといわれています。

日本小児分泌学会などによると、栄養状態が良くなった戦後は、ほとんど見られない時期が続いていましたが、1980年代から再び増え始め、ここにきて「くる病」にかかるお子さんが増加していると報告しています。
現時点で厚生労働省を含め、患者数の増加推移についての公的統計はありませんが、日本小児内分泌学会では、2013年より医師向けにビタミンD欠乏によって起こる「くる病」診断のためのガイドラインを制定しています。

日本小児分泌学会 ビタミンD欠乏性くる病・低カルシウム血症の診断の手引き(PDF) 

多くの場合は、骨に吸収されやすい活性型ビタミンDを投与すれば、数ヶ月から1年くらいで骨の変形が治るとされています。
お子さんがいらっしゃる方は、適度な日光浴と栄養管理を気をつけるのはもちろんですが、異変に気づいたら、医師に早くすることが重要です。

※写真はイメージ 足成より http://www.ashinari.com/2010/11/23-342920.php

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(執筆者: 松沢直樹) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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