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ブルックリンに学ぶ[3] 真似してみたい地元っ子のインテリア術

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ブルックリンで訪れた家はみんな、「好きなものに囲まれて暮らす」ことにすごく熱心。気に入る一点を見つけるまでは妥協せず、好きなモノが売ってなければ自分でつくります。そんな彼らの部屋を覘いて、あ!これならできるかも! と、慌ててパシャパシャ撮影してきたコツをご紹介します。●連載「ブルックリンに学ぶ 住まいとまちのつくり方」
5つあるニューヨークのエリアの中でもっとも人口の多いブルックリン(約250万人)。昨今さまざまなメディアでポートランドとともに注目を集めています。そんなブルックリンでは人々はどんな暮らしをしているのか? 住まいやまちづくりのヒントとなるような最新事情をお届けします。1.その人なりのインテリア

ブルックリンで訪れた部屋はどれも、「自分の好き」をまっすぐに表現したインテリア。なので、住人の人となりや、その生き様が面白いように表れています。彼らの住み方への工夫も、人それぞれ。私が「あ!」と思った真似したいコツは、こんな人たちの住まいからいただきました。

【画像1】アーティストユニット「Chiaozza(www.chiaozza. com)」を組むTerriとAdam。彼らの色使いや小物の配置の仕方は絶妙で、シャッター押しまくりです。この二人からは、すぐにでもつくれそうなキッチュな照明や、グリーンの置き方などを。今回の写真は16(撮影:小野有理)

【画像2】テキスタイル・服飾デザイナーのJuliana。自身がデザインした洋服と。愛犬フレンチブルの白黒ブチをベースに、彼女の好きな紺、古材が持つ飴色の3色を上手く取り入れた部屋が印象的。彼女の大胆な間取りづくりに感銘を受けました。今回の写真は6、17、18(撮影:小野有理)

【画像3】たおやかな印象の編集者Marie。今回取材したなかでは一番小さな部屋に住んでいますが、彼女の静かで知的な印象そのもののインテリアが狭さを感じさせません。職業柄たくさんの本に囲まれ、本が大好きだと言う彼女には書棚を素敵に見せるコツを。今回の写真は7(撮影:小野有理)

【画像4】木工アーティストのGregoireの部屋。彼自身は、現在ベトナムに滞在しているため、その期間だけ友人が住んでいる状態。木工アーティストならではの自作家具が素敵です。今回の写真は10、11、12、13(撮影:小野有理)

【画像5】vol.1でもお伝えした「蔦の部屋」の住人、HagaiとKim。広い家をより広く見せるコツや、自作のベッドがあまりにも簡単そうで、すぐにでも真似したいインテリアの一つに。今回の写真は8、9、14、15(撮影:小野有理)2.部屋の雰囲気を変える「大きな収納」の小さな工夫

では早速、収納からスタートしましょう。実は、引越しのきっかけを「手狭になった」「モノが収納できない」と言う人が最多。収納は私たちの永遠の悩みです。ブルックリン子もそこは一緒。でも、彼らは大きな箱を置いて隠して収納、という風にはしません。中に入るものも自分の好きで持ち帰ったものばかり。飾って楽しむために、色々面白い工夫をしています。

始めに、見た瞬間に惚れ込んだJulianaの壁面収納。高さ2m近くありますが、そんなに圧迫感は感じません。むしろ近づくまでその存在に気づかなかったほど。壁面と同じ白色にそろえ、仕切り棚の小物はゆとりある配置に、そして、部屋のキーカラー(白黒紺茶)に合わせた小物を入れているのが、圧迫感を感じさせない工夫。

でも、この収納棚に心惹かれた理由は別にあります。実はこれ、テレビ台やロー収納として使うカラーボックスを4つ並べて置いただけ。一つだけなら巷で良く見る普通のボックスですが、4つ買って縦横に組むとこんなに素敵なインテリア収納に。意外と考えつかないアイデアです。組み合わせた結果、真ん中にできた真四角の空きが思わぬアクセントになり、リビングの「顔」の役目を果たしています。

【画像6】良く見かけるカラーボックスを4つ組み合わせて壁面収納に。真ん中に置くものを変えるだけで、一気に雰囲気も変わりそう。その時々で楽しめるアイデア(撮影:小野有理)

続いてはMarieの書棚です。編集者のMarieは、増えていく書籍をあえてインテリアとして取り込みました。その手法は、背表紙の色をグラデーションにすること。雑多な印象にさせないために、下には暗い色、上に行くほど明るくするのがコツ。実はどんな部屋も、家具やカーペットなど多色かつ雑然としたものは床周辺にあり、上部は天井や窓、壁だけで色味がなくなっていきます。その法則に合わせたMarieの書棚は、天井までうず高く積まれた本に溢れていても重たい印象にはなりません。

【画像7】頑丈な木の本棚に隙間無く詰め込まれた書籍たち。上にはこれ以上無いほど積まれているが、色がグラデーションしているため、重い印象は無い。すぐにでも取り入れられるコツで私は早速、真似してみました(撮影:小野有理)3.かゆいところに手が届く、キッチンの手づくり収納

ブルックリンのお部屋は自作のもので溢れています。特に使い勝手が大事なキッチンに必要なのは、かゆいところに手が届く収納。必然、必要な場所に、必要な量を収納できる、インテリアも大事にした収納は、自分でつくるしかありません。でも、大掛かりな工事は嫌。今回は簡単にできそうなキッチン収納を集めてみました。

HagaiとKimは、味気ないキッチン壁を黒板塗装で塗り、お気に入りのアンティーク看板を飾りました。ちょっとレトロな雰囲気を壊さぬようつくり付けたスパイスラックにはスチール缶をたくさん置いて、看板の邪魔をしないように配慮しています。料理しながらもすぐ手が届き、でも何が入っているかもすぐ分かる。入れ物を統一するだけじゃなく、その背後の壁にも気を遣って全体を一つにまとめた好例です。

【画像8】シンク上につくり付けたスパイスラック(撮影:小野有理)

【画像9】コーラの瓶に飾られた葉も二人のキッチュさを表している。(撮影:小野有理)

キッチンで困るのが鍋やフライパンなどの調理器具。大きく重くかさばる上に、どんどん増えていくので、出来れば開放感あるスペースに並べておきたいところ。Julianaの小さなキッチンでは、収納も多くないので、鍋などは天井から吊るした穴空きのスチール棒に引っ掛けていました。きちんとした収納をつくらなくても十分です。またGregoireは前回紹介した寝室としてつくった「部屋の中の小屋」の背を活用して、フライパンを引っ掛けました。これならいくら増えても大丈夫そう。

【画像10】天井から釣下げられたチェーンと穴あきのスチール棒(正面奥)。スチール棒の穴にS字フックを下げて、フライパンを収納している。いつでも調理中に手が届く(撮影:小野有理)

【画像11】広い壁があると、どんどん鍋なんかを釣り下げられる。そんな壁が無いならつくってしまえ、と寝室とキッチンの収納の二役を果たす小屋をつくったGregoire。真似するには少し高度?(撮影:小野有理)

【画像12】ものが増えるたびに上に棚がつくられていくGregoireの自由なキッチン。木工作家ならではの腕で、棚下につけた引出しがより活用度を高めている(撮影:小野有理)

キッチンではないものの、おまけで「これは唸った」手づくり収納を。床張りの余りのフローリング材を使って靴収納をつくったGregoire。フローリングの細長さを活かし、靴の大きさや高さに合わせて自由につくっています。ディスプレイ感覚でもあるので、お気に入りの靴は上において眺める楽しさも。靴だからしまわなきゃ、なんていう観念は無さそうです。

【画像13】床を張った残りのフローリング材でつくった靴棚。持っている数や靴の大きさで自由につくり替えられるのがいい(撮影:小野有理)4.雰囲気を一変させる照明にもこだわる

収納と同じく手づくり率が高かったのが照明です。日本では自作の照明などはあまり見かけませんが、ニューヨークの電器屋さんには無数の照明器具のパーツが売っていて、それを組み合わせて好みの照明をつくる人が多いようです。確かに、照明一つで部屋の雰囲気はがらっと変わるもの。そんな自作照明をご紹介します。

天井に蔦を巻き付けた部屋には、そのラフな雰囲気にぴったりの自作のアルミ照明が光っています。明るさも担保し、工業製品の無機質な印象と、シャンデリアのような豪華さを組み合わせた妙に気になるデザイン。よくよく見ると、工事現場で使われる安価なスポット照明を、古くなった自転車のホイールに巻き付け組み合わせたものでした。自転車の車輪の繊細な交錯線が美しく、10個のスポットライトが集中しているので、夜もとても明るく実用的です。

【画像14】広い天井にも負けず、独特の存在感を発揮する自転車の車輪照明。アルミ製で軽く危なくないのも優秀(撮影:小野有理)

【画像15】ライトをつけるとこうなる。温かい電球色がよく似合う(撮影:小野有理)

chiaozzaの2人組はさすがアーティスト。個性的な照明をつくっています。天井から下がる黄色のコードに軽い白の照明。光をつけるとほんのり光がこぼれ出てとてもよい感じです。実はこの照明、キッチンには必需品のプラスティックのザルから出来ていました。野菜を洗ったり、パスタの水切りをしたり、いろんな用途に使うザルですが、照明にするなんて目からウロコ。Chiaozzaの二人はポップな白とパステル色でまとめていますが、渋い雰囲気にしたければスチールザルなんかでも応用できそうで妄想が膨らみます。

【画像16】黄色のコードをアクセントにしたダイニング用の照明。彼らの部屋の雰囲気に良く合っている。よく見るとプラスティックザルで、照明を灯すとザルの外にもふんわり光が漏れ出る(撮影:小野有理)

ここまでつくり込まなくても、裸電球一つでもやり方によっては良いアクセントになることを見せてくれたのが、Julianaの二例。いずれも裸電球の素材感をそのまま楽しんだり、光と影の関係をあえてインテリアとして取り込むなど、創意工夫されていて、簡単なのにそのクオリティにびっくり。

【画像17】端材を組み合わせた受け台に、裸電球をぶら下げる。邪魔になりがちなコードをインテリアとして使い、欲しいところに照明をつけた好例。プラグの位置に煩わされないのがポイント(撮影:小野有理)

【画像18】12の裸電球だけでは物足りないなら、ネットをかぶせるのも手。照明をつけると網の模様が部屋に浮き出てアクセントに。昼間とは違った部屋を楽しめる(撮影:小野有理)

彼らはみな賃貸暮らしですが、小屋をつくったり、棚を付けたり、何とも自由。日本とアメリカの賃貸事情は違うものの、家を買わなくたって、創意工夫であまりお金をかけずにとことん生活を楽しむ姿勢に共感を覚えます。まだまだブルックリンのインテリア術は尽きませんが、字数に限りもあるのでこの辺で。次回は、これまでの室内から一歩でて、戸外での暮らしの愉しみ方をお伝えします。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/07/10/93781/

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