【仕事体験記】アメリカ ネバダ州の博物館でインターンとして働く

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(写真はイメージです)

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箱の蓋を開けると、古い写真特有の香ばしいような酸っぱいような匂いがふわりと漂う。

手袋をした手で、過去百年以上の歴史が刻まれた写真をそっと手に取り、分類し、アーカイブしていく作業。

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筆者が90年代後半にアメリカ留学をしていた学生時代、ネバダ州の歴史博物館でインターンとして働いていたことがあります。

営業時間が終わったひと気のない博物館で、歴史的写真のコレクションを分類していく仕事を担当していました。

博物館での仕事

博物館って、実は標本や資料を展示・公開するだけじゃなくて、その舞台裏では意外と知られていないたくさんの業務があるんですよね。

通常、日本の博物館で働くには「学芸員」の資格が必要で、これは博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業を行う「博物館法」に定められた、博物館におかれる専門的職員です。

ただし、博物館での業務としてはそのほかにも、修復や保存のプロフェッショナルであったり、企画展のディレクターやデザイナー、大学等外部の研究員、セキュリティや受付窓口のスタッフなど、様々な人たちが関わっています。

(写真はイメージです)

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昔から博物館、美術館、動物園や図書館などが大好きだったので、留学先の州立大学で「博物館学」のクラスを受講し、それがきっかけで歴史博物館でインターンをさせてもらいました。

こういう仕事は比較的特殊なので、学生全員が応募できるものではないですが、大学内に学生バイトを紹介するオフィスがあるので、こまめに通っていると面白い仕事が見つかるかもしれません。

アメリカの場合は、学生ビザで就労できるのが大学内の仕事に限られますが、学内の図書館や併設の施設でのアルバイトもあります。

博物館で働くというと、資格が必要であったり、専門的な研究に従事している人というイメージですが、日本国内でも展覧会やイベントなどでバイトやボランティアを募集していることもあります。

筆者は今でもよく、都内のアートギャラリーのイベントでキッズ向けのワークショップを開いたり、イベントのボランティアスタッフをすることもあります。

写真を分類する作業を担当

(写真はイメージです)

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さて、歴史博物館での仕事ですが、私が担当したのは収蔵写真の分類・整理業務。時間が許す限りひたすら古い写真を見て、分類していくという仕事でした。

アメリカは日本より写真の歴史が長いので、日本では考えられないような昔の年代の写真が保管されていたりします。

だいたいの写真には裏に撮影日や撮影者、場所などの情報が書かれているので、その情報をもとに写真を分け、データベース化し、時には劣化が激しいものは複写にまわす、というのが主な仕事でした。

何気なく手にとった写真が、裏を見たら2百年近くも前に撮られたものだったり。機関車の前でたくさんの人たちが写っている集合写真など、ここに写っている人たちはもうとっくにこの世にはいなくなってて、こうして写真だけが残っているのは不思議な気分でした。

中には、出自不明の写真もあり、写っている人が誰なのか、いったい誰が撮ったのかも分からない写真もありました。

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西部劇そのままの当時の本物の開拓者たちの写真であったり、百年以上経ってもほとんど変わらない自然の景観であったり、なかにはネバダ州らしく核実験の写真などもありました。

移動式の書架のある、灯りを落としたひんやりとした部屋でひとり、印画紙に焼き付けられた歴史的資料をずっと見ていくのはなんだかとても現実離れした体験で、仕事を終えて外にでる瞬間のちょっとクラクラするような感覚は、今でも記憶に残っています。

卒業後、ロサンゼルスでカメラマンに

大学を卒業し、インターンの仕事も終えた後、大学で写真のクラスも受講していた縁もあって、ロサンゼルスで写真を撮る仕事に就きました。

宝石デザイン会社の広報部門に所属し、一日中宝石アクセサリーの広告用写真を撮影する仕事でした。

自分が撮った写真が数百年後に博物館に収蔵されることになるかは分かりませんが、今でも写真は好きで、趣味でよく撮っています。

バイトでも、仕事でも、できれば興味のあることを積極的にいろいろ体験しておくと、将来なにかに繋がるかもしれませんね。

※この記事はタウンワークマガジンとガジェット通信で共同制作しました。

文:TOMAKI

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