【風営法改正】クラブの深夜営業、条件つきで可能に

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【風営法改正】クラブの深夜営業、条件つきで可能に

ここ数年、さまざまな動きで改正へと進んでいた風営法。

昨日6月17日、風営法の改正案が参議院本会議で可決され成立した。近々、公布され、1年以内に施行される模様だ。

世界中で、そしてここ日本でも1980年代以降、アンダーグラウンドのカッティング・エッジな音楽シーンのみならず、それこそアイドル・ソングに至るまで、いまやポップ・ミュージックのそこかしこに影響を与えているDJ / ダンス・カルチャーの源泉たるダンスフロア。そんなダンスフロアが規制の対象であった風営法が改正となった。

今回の改正では法律から「ダンス」の文言もなくなり、店内の明るさや酒類提供の有無などの条件を元に3類型に分け、風営法適応の基準を定めた。社交ダンスやサルサなどのダンス教室やダンスホールの営業は適応除外とされ、新たにクラブなどは酒類販売や照度などの点で分類し、許可制で24時間の営業を認める運びになった。

クラブは照度10ルクス(上映前の映画館の明るさに相当)超で、深夜、午前0~6時に酒類を出す店を新たに「特定遊興飲食店営業」として許可制となった。この「特定遊興飲食店営業」の許可を受ければ、原則24時間の営業が可能となり、深夜の営業が可能となった。その上で、許可を受けていても、営業可能地域や営業時間などは各自治体の条例にて規制される。

ちなみに照度による風営法適応店舗になるかという照度10ルクス超えという基準の測定も、音楽に合わせた演出のためのライティングという点で、ダンスフロアでの測定は難しいことから、客席に限定して行うことなどを警察庁が検討していることをNHKなどは報じている。こうした現実に即した対応は、改正に尽力した人々の活動の成果を感じさせるものと言えるだろう。

また午前0時以降に酒類を出さないクラブは、通常の飲食店として24時間営業を認める模様だ。

またこれに際して、朝日新聞デジタルなどが、石野卓球、DJ EMMA、大沢伸一、大貫憲章、須永辰緒、MURO、☆Taku Takahashi、ZeebraなどDJ / ラッパー / アーティスト40名以上が連名で「日本のクラブカルチャーの未来へ向けた声明文」を発表した。以下は、朝日新聞デジタルから転載。

「日本のクラブカルチャーの未来へ向けた声明文」

 このたび、「客にダンスをさせる営業」について規制をしてきた風営法が改正されることになりました。

 今回の法改正に至る背景には、超党派によるダンス文化推進議員連盟、内閣府の規制改革会議、規制当局である国家公安委員会・警察庁、地域の住民や商店会、そしてクラブカルチャーのみならず、社交ダンス、サルサをはじめとした広範なダンス文化を担う方々、さらには問題意識をもってパイプ役として活動してきた弁護士の方々による度重なる対話や議論などがあります。

 もちろん、こうした対話や議論を進めていく状況の中で、常にクラブに足を運び続けていただいたクラブユーザーの皆様の声にも強く後押しされて参りました。クラブカルチャーのあり方については、まだまだ議論の足りない部分もあり、解決すべき問題も多く残されておりますが、今回の風営法改正により、日本のクラブカルチャーが大きな一歩を踏み出したことには間違いありません。

 日本にクラブカルチャーができてから25年余の間、我々DJやクラブ業界は、様々な問題に直面してきました。残念ながら、純粋に多くの方々に向けて音楽を提案していきたいというDJやクラブ業界の姿勢とは相いれない事件が起きてしまったことがあるのも事実です。今後、これらの事実に対しても誠実に向き合うとともに、今回の法改正というタイミングを良き機会として、日本のクラブカルチャーの新たなステージを作っていくことが、我々の至上命題であると考えています。

 2015年を日本におけるダンスミュージック元年ととらえ、我々DJは、ダンスミュージックの担い手のひとつとして、率先して日本のアート、エンターテインメントの未来を提案していく所存です。日本には数多くの才能豊かなDJがいます。ダンスフロアの夜明けと共にここに我々DJの力を結集し、日本の文化、社会、経済の発展のために尽力していきたいと思います。

DJ AMIGA、Darthreider、DJ EMMA、FYS aka BINGO、GUNHEAD、DJ HASEBE、DJ HAZIME、HIDEO KOBAYASHI、HIROSHI WATANABE、石野卓球、DJ JIN(RHYMESTER)、DJ JURI、DJ KAORI、川辺ヒロシ、DJ KAWASAKI、DJ Ken-Bo、ケンイシイ、木村コウ、Komatsu、DJ KYOKO、DJ MASTERKEY、MURO、DJ Nori、DJ Ogawa、沖野修也、大貫憲章、大沢伸一、Q’HEY、Remo-con、RYUKYUDISKO、Satoshi Tomiie、佐藤強志、Shotaro Maeda、DJ SILVA、Sugiurumn、須永辰緒、高木完、TAKAMI、高宮永徹、Takeru John Otoguro、☆Taku Takahashi、田中知之、DJ TSUYOSHI、DJ WATARAI、Watusi(COLDFEET)、YAMA、DJ YOKU、Zeebra(※アルファベット順)」(Bold)

・声明文を伝える朝日新聞デジタルの記事。
http://www.asahi.com/articles/ASH6C5CHNH6CUEHF00H.html

ようやく日本も「踊ってはいけない国」から一歩を踏み出した。
(河村)

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