リフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。(シェイブテイル日記)

リフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。(シェイブテイル日記)

今回はシェイブテイルさんのブログ『シェイブテイル日記』からご寄稿いただきました。

リフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。(シェイブテイル日記)

リフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。
増税を平気で口にする御大浜田先生に驚き呆れ、リフレ派を離脱してはいますが、当然今も、デフレ脱却は現在の日本に必須という部分を共有している私シェイブテイルは元気にしております。

「インフレターゲット下金融緩和さえすれば、デフレは脱却できる」

黒田総裁自身はご自身をリフレ派とは規定していないようですが、黒田総裁が、正にこの主張を2年間という期限までつけてCPI2%を達成を高らかに宣言されて、2年以上が経ちました。

近い将来の物価水準はゼロもしくはマイナス圏突入との見方も市場では増えているようです。

総務省が29日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が103.3と、前年同月比で0.3%上昇した。上昇は1年11カ月連続となる。ただ14年4月の消費増税による要因を除くと2カ月ぶりに横ばいとなり、原油安などを背景に物価の下押し圧力が根強いことを示した。

(中略)

物価は前年に比べた原油安の影響が続き、今年夏頃まではゼロ近辺か再びマイナス圏内に突入するとの見方が多い。

日経新聞 2015/5/29 消費者物価、4月0.3%上昇 増税の影響除き横ばい

消費者物価指数CPIには上方バイアスがあるため、はっきりデフレ脱却したといえるのは、黒田総裁が宣言した2%水準でしょう。

黒田総裁は強気の姿勢を崩していませんが、日銀が2%のインフレ目標を掲げ、4月には量的質的緩和の結果、マネタリーベースは300兆円を超えました。
黒田総裁が量的質的緩和政策を開始した2013年4月のマネタリーベースが150兆円弱でしたから、マネタリーベースだけはきちんと目標を達成したことになりますね。

「インフレターゲット下金融緩和さえすれば、デフレは脱却できる」
という命題の対偶、つまり同じ意味の
「デフレ脱却できないなら、インフレターゲット下の金融緩和だけでは無理」
ということが証明されたように思います。

コアから離れたリフレ派の方は「それは後からの消費税のせいでしょう」との声があります。
全くです。その通り。同意です。

バブルの頃でも30兆円程度だったマネタリーベースは、速水日銀以降の量的緩和で2年前までに150兆円に増えていて、それを更にわずか2年で名目GDPの6割超にも相当する300兆円に上げた結果が、「CPIは近い将来の大方の予想がゼロまたはマイナス圏」です。

経済同友会は、今から更に後9%は消費税を上げて17%にして、それを原資に法人税減税せよとの無茶を言っていますが、彼らの希望からすれば「わずか」3%の消費税増税が、この巨大なマネタリーベース増額の効果を打ち消してしまうことを我々は目の当たりにしています。

だとすれば、デフレ脱却を願う私たちとすれば、「効果が弱い金融緩和はもうそのくらいでいいので、インフレ転換への負の効果がはっきりした消費税を、せめて5%、できれば0%にしましょう。」と声を揃えて主張しませんか?

正直、コアなリフレ派の方々の更に一部から聞こえる、「財政政策には反対はしていない」といいつつ、金融緩和一本槍でのデフレ脱却戦法は、B29を竹槍で落とそうという太平洋戦争末期の精神論とカブって見える今日このごろです。

執筆: この記事はシェイブテイルさんのブログ『シェイブテイル日記』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2015年06月09日時点のものです。

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