何年経っても本を売り続けてくれる太田出版はもっと評価されるべき
先日、2011年に手がけた本が絶版になった。売れなかったわけではなく、1カ月で3刷とスマッシュヒットを記録した本だったが、3年半が経ち動きがなくなり、倉庫整理の対象となった。
・知らないうちに絶版&断裁処分
切ない話ではあるけれど、講談社の担当がちゃんと連絡をくれて嬉しかった。というか、こういう連絡をもらったのがそもそも初で、ほとんどは知らないうちに絶版&断裁処分になっている(断裁するのならいくらかは8掛けで買い取るという著者は多いはずで、出版社は基本的に連絡したほうがいいと思うが……)。どれくらい在庫があるのか聞くと、52部だった。完売と言ってもいいかもしれない。
・意地でも絶版にしない出版社
ロングセラーのものを除き、だいたい刊行後3年くらいで絶版化されていく印象だが、中には意地でも絶版にしない出版社もある。
太田出版もそのひとつで、10年前に刊行されたブルボン小林さんの単行本『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』(私が初めて編集した書籍だ)も、いまだにちゃんと売られている。この本は筑摩書房で文庫化もされたのだが、文庫のほうが早く絶版になった。よく考えるとおかしな話である。
・太田出版から完売の連絡
今日、東京駅で仕事を終えて帰宅中に、嬉しいメールがあった。「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターなどでもおなじみの末吉里花さんの講演販売用に、7年半前に太田出版から刊行された著書『祈る子どもたち』を15冊ほど送付していたのだが、見事完売したとの連絡だった。
スタジオジブリの鈴木プロデューサーに推薦文をいただき、装幀は大御所のミルキィ・イソベさんという、なかなかエッジの立った旅本だ。時を経ても古びない本を書いてくれた末吉さんと、長く本を売り続けてくれる太田出版に、心から感謝したい。
・たけし軍団の存在
ちなみに、太田出版はたけし軍団の本をつくるために設立された出版社で、おそらくいまも、株主に北野武さんが名を連ねている。
執筆: 鈴木収春(不明研究室) http://fumeiya.net/
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