考えにつまったら“象形文字”を使え? 『発想法の使い方』アイデアを出す為のアイデアが面白い
皆さんは仕事で「アイデアを出して」と言われた時、ワクワクする方ですか? 困りますか? 筆者は中間です。アイデア考えるのは好きだけど「これ良い(面白い)って思ってるの自分だけなんじゃ……」とモンモンとしたりして。でも、アイデアは数でいい! そう気を楽にさせてくれたのが、現在発売中の書籍『発想法の使い方』(日本経済新聞出版社)。
私事ですが、4月に30代に突入し、これまで小説一辺倒だった読書タイムに知性を取り入れていきたいなと思うこの頃(その発想が安直だという説もありますが……)。とはいえ、せっかく読むのだったら自分の仕事や生活に役立つものが良いなと思い、本屋をふらついている時に出会ったのですが、これが筆者の様にビジネス本を読み慣れていない人にも面白く、なるほど! と納得し、すぐ使ってみたくなるアイデア満載なのです。
『発想法の使い方』加藤昌治
アイデア発想は、頭のスポーツだ! ルールと頭の動かし方をマスターしよう。
発想力をモノにするのは簡単です。アイデア出しの構造を知り、ささやかに練習するだけ。使える発想手法から10種を厳選し、ベストセラー『考具』の著者の加藤昌治氏が、使い方・TIPSを詳しくナビゲート。この1冊で即、実践できます。(Amazonより引用)
本の中で「アイデアとは、出た瞬間に完成に近くなければならない」という考えは間違いで「アイデアは不完全でツッコミどころ満載。最終的な企画のパーツでしかない」のが正しいという加藤氏。「アイデアをたくさん出す→良いアイデアを選ぶ→企画に整える」というのが正しい流れであり、とにかく数数数、数を打って行きましょうという事なのです。千本ノックってやつですね。
「そんなの知ってる」と思う人もいるかもしれませんが、この本では株式会社博報堂勤務の著者による実際のアイデア出しが紹介されていて、「本書に出てくるアイデアのサンプルはかなりダメなものが多いと思います」とご本人が言っている様に、「最初はこんな感じで良いんだ」と気が楽になるはず。
そうはいっても、そもそものアイデアが思いつかないんじゃい! という人の為にも、アイデアを出しやすくする手法が紹介。中でも筆者が面白いなと思ったのが「ブルートシンク」というもの。これは、この本に掲載されている「ブルートシンク単語帳」や辞書を用意して、言葉をランダムに選び、アイデアを出したい企画と組み合わせて連想ゲームの様にメモしていくというもの。
例えば、この「ブルートシンク単語帳」には脈略の無い色々な言葉が書かれているので、「立ち食いそば企業の新規事業」を考えたいのに「触角が2本」という、なんだそりゃという言葉を選んでしまうことも。そこで、「触角→飛び出ている→出ている→すぐ出て来る→食パンにジャムをのせてすぐ出て来るパン屋?」といった感じに思いを巡らせていくわけです。
その他にも、古代エジプトの象形文字から直感的にアイデアを出す方法など、仕事というよりは“脳トレ”みたいで、読んでいるだけでも脳が動いていく感じが。これならアイデア出せそうだ! とやる気になります。
さて、そのやる気が筆者の今後の仕事にどう活きてくるか……は自分自身でも楽しみではるのですが、仕事でアイデア出しを求められる、アイデアを出すのが苦手という方は一度読んで見ると視界がひらけた気分になるはず。オススメです。
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