onnacodomoのCoachella 2015レポート
はじめまして。VJユニットonnacodomoのDJ Codomoです。
今回はonnacodomo(オンナコドモ)がアメリカの巨大フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival(以下、Coachella)」にRyan HemsworthくんのVJとして出演することになり、そのレポートをさせていただきます。
はじめにonnacodomoの説明をさせていただきますと、ワタクシDJ Codomo、アニメーション作家のせきやすこ、イラストレーターの野口路加の3人組のVJユニットで、下に向けたビデオカメラを2台とビデオミキサーを使って、紙素材や文房具、レンズ、おもちゃ等、いろんなものをそのままプロジェクターで投影して映像を作っております。その仕組みでいろいろなDJやバンドのVJをやったり、最近ではミュージックビデオの制作もやっております。
このフェスに参加することになったきっかけですが、昨年10月のODDJOB10周年イベントでRyanが来日した時に僕らがVJをやったことが事の始まりです。
その時の映像を彼が気に入り、まず北米ツアー用の映像を作ることになりました。ツアー用の映像は事前に撮影して編集したものを流すだけでしたが、その後、念願が叶いCoachellaのステージで生のVJをやれることになりました。
Coachellaとは?
1999年に始まったアメリカ最大規模の音楽フェスティバル。
毎年4月中旬に開催され、3日間のプログラムを1週目、2週目と2回やるという巨大イベントです。
出演するアーティストは幅広く、過去にはヘッドライナーとしてPrinceやKanye Westなどが出演しています。
本番前日
ロサンゼルス空港に昼過ぎ到着し、まずは今回同行したロジャー・ヤマハさんと親交の深いDiploさんのレーベル「Mad Decent」へお邪魔しました。ここでたくさんグッズをもらったのですが、その中にあった耳栓がフェスでは本当に役に立ちました。そして以前から行きたかったIn-N-Out Burger(インアンドアウト・バーガー)でハンバーガーを食べた後、約2時間半車を走らせ会場のあるコーチェラバレーへ。
広大な駐車場を経て会場へ着くと、ステージの真ん中には巨大なLEDスクリーンが設置されており、ここで一気にテンションアップ!
ワクワクしながら機材の接続チェックを終え、パームスプリングスのすてきなモーテルで就寝しました。
コーチェラ1日目
さあ本番当日!モーテル近くのかわいいダイナーで朝食を食べ、いざ会場へ!会場の中に入るととにかく広い!!!東京ドーム何個分かは見当がつきません。起伏の無い平地なのでとにかくだだっ広いです。アーティストエリアは控え室代わりのキャンピングカーがたくさん置かれ、所々に花が飾られたオアシス的空間。ドアに書かれたアーティストの名前までいちいちかわいいのが印象的でした。
控え室でRyanと久々の再会をし、日本から持って来たお菓子やコップのフチ子さんや妖怪ウォッチグッズなどをプレゼント。その場で軽い打ち合わせをしてから早速ステージ裏へ。僕らはMojave(モハビ)テントというフジロックでいうレッドマーキーのような形のステージに出演したのですが、裏には同じステージに出演するFlying Lotusのスクリーンが置いてあったりCaribouがセッティングをしてたりと、興味深い光景が広がっていました。
僕らの前の出演者Kieszaのライブは最高潮の盛り上がりで、客席を覗くのが怖いほどです。
そして本番直前となり、まずステージ上で回線のチェックをすることになりました。が、、、、、映像が出ない、、、、、目をこすっても、深呼吸しても、これまでの行いを反省してみても映像が出ない、、、。しかし映像担当のお兄さんが走り回り、なんとか3分ほどで復帰(担当の人も原因がわからなかったとのこと)。逆にトラブルがあったおかげで落ち着いて始めることがでたんじゃないかと思います。
ライブはゲストボーカルが合計2人も登場して会場は大盛況。Ryanはカナダ、北米、ヨーロッパと長いツアーをやってきているので非常に安定したパフォーマンスを見せていました。
VJの方はいつも使っている素材にRyanのアルバムジャケットやジャケットに描かれている三日月もモチーフとして使用しました。紙素材が多いので風が心配でしたが、その辺りも特に問題なくて良かったです。最後はRyanの名前を画面に出し、無事終了!。終了してからすぐにステージ裏で「無事終わってよかったねぇぇぇ」とみんなで抱き合ったのでした。
本番終了後、片付けを終え、ちょっと落ち着いてから今度は観客として会場へ。客席からみる最初のライブがスティーリー・ダンという豪華さヤバいっす、、、。Coachellaのラインナップの中では一番年齢層が高いステージでとにかく音が良い!全ての楽器がハッキリクッキリ聴こえて最高でした。
今回のフェス全体に言えることなのですが、生バンドの音の良さが際立っていて、打ち込み系でも生のドラムを足している人が多いことにも納得がいきます。その後、Porter Robinson、 Flying Lotus、Squarepusher、AC/DCをちょっとずつ見学。この4つのアーティストが全て同時にライブをしているというのもCoachellaの凄さだと思いました。しかも会場間の移動がものすごく楽でだいたい1分も歩けば隣のステージに行けてしまいます。12時を過ぎ、まだまだ続くAC/DC(高齢なのに信じられない体力!)を背にしてBack to 宿。1日目は無事終了~。
2日目
Ace Hotelという古いホテルを改装したホテルで美味しいランチを食べ、ちょっと買い物をしてから会場へ。ここから観たアーティストの感想をザックリ箇条書きにさせていただきます。
Cashmere Cat → ステージからのはけ方のかわいさ最高。
Chet Faker → 打ち込みと生バンドの使い分けがうまく、個人的にはこのライブが1番好きでした。
Yelle → 2人のドラマーが振付を合わせているのが効果的で、見た目も音も見事。
Tycho → このフェスの中では一番品がいい感じの音で、それが新鮮に感じられました。
FKA twigs → 混み過ぎで長くいられなかった、、、
Tyler the Creator → ステージのデザインから、トラックから声から全てが独特で面白かったです。
Ratatat → 時間が遅くて観られなかっタット、、、観たかっタット、、、
3日目
ダイナーで野菜をたらふく食べ、Targetというスーパーでお土産とVJの素材になりそうなかわいい文房具等を買ってから会場へ。時間が早いSloanは諦め、ちょっと遅めのスタート。
Martin Solveig → 映像がかわいい!今回見た映像の中では一番好きでした。
Ben Klock → 唯一床のあるYumaテントにクラバー大集合。909のハイハットがなんか落ち着く。
Tokimonsta → 開放的な雰囲気のDo labステージに合っていてかっこよかったです。
St. Vincent → 歪んだギターの音最高~
Drake → ものすごい人気!1週目はMadonnaがゲストとして出て来て、ぶちゅーっとキッスしておりましたが、2週目はラッパーのNicki Minajがさらっと出て来ました。
初めてのCoachellaでいちばん驚いたのがDrakeがいちばん客を集めるという事実です。
そのことについて理解できるか否かっていうのは英語圏、特にアメリカの音楽を聴くにあたってはけっこうデカいのではないでしょうか。あとはほとんど全てのステージに障害者用の1段高くなった客席が用意されていたり、会場内に中古レコード屋さんがあったり、日本のフェスにもあるといいながあるフェスでした。もし来年のCoachellaに行くという人がいましたら、サングラス、日焼け止め、土埃を避けるための布かマスクは忘れずに!。といった感じで今回のレポートをしめくくりたいと思います。m(_ _)m
onnacodomo (オンナコドモ)
2004年結成。ミュージシャンのDJ Codomo,アニメーション作家のせきやすこ、イラストレーターの野口路加の3人によるVJユニット。CGや録画素材を使わず、ビデオカメラ、水、キッチン用品、文房具、おもちゃ、印刷物など、日常にある様々なものを用い、リアルタイムに色鮮やかな映像を生み出すライブパフォーマンスを展開中。
http://www.onnacodomo.com
映像作家100人2015にも掲載されている。
http://www.bnn.co.jp/books/7535/
都市で暮らす女性のためのカルチャーWebマガジン。最新ファッションや映画、音楽、 占いなど、創作を刺激する情報を発信。アーティスト連載も多数。
ウェブサイト: http://www.neol.jp/
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