流行色の「マルサラ」で新年度デビュー
新しい自分のデビューを飾る色としてお勧め
新年度がスタートしました。人事が一新され、新たな環境で自分を表現する絶好のタイミングです。また、2015年がスタートして4分の1が過ぎた今、2015年の自分に課したイメージを実現し続けているかを問う機会でもあります。
さて、2015年「PANTONE®」が発表した春のトレンドカラーの一つに「マルサラ」という色があります。重たいコートから解放され、春らしい軽やかなファッションで新しい自分のデビューを飾る色としてお勧めしたいのが、この「マルサラ」という色です。
「マルサラ」は私たち日本人が「小豆色」と表現する色
「マルサラ」と聞いて、すぐにどんな色が思いつくという人は少ないでしょう。ワイン好きの人ならば、イタリアのシチリア島のマルサラ地区で作られているワインにアルコールを添加した「マルサラワイン」を思い出すかもしれませんが、色は赤ワイン色よりも茶に帯びています。私たち日本人が「小豆色」と表現する色、これが「マルサラ」なのです。
春、小豆というと連想されるのが赤飯です。白米にはない、華やかで厳かな雰囲気があります。そもそも小豆は古代、厄除けの儀に食されていたそうです。こうした背景からも、小豆色「マルサラ」は晴れの日にふさわしい神様が宿る色なのです。
マルサラは赤よりも渋みがあるため、ポイントカラーとして最適
それでは、そのマルサラを、どうやって自分たちのファッションに取り入れればよいでしょうか。私が勧めるのは小物使いです。マルサラは赤よりも渋みがあるため、ポイントカラーにした際にどんな色とも馴染み、それでいて高級感を与えます。ネクタイ、時計の革バンド、名刺入れ、ペン、手帳等、ビジネス小物をマルサラに変え、いつものビジネススタイルに流行を取り入れてみてはいかがでしょうか。
例えば男性のビジネススーツは、紺、黒、グレーが主流です。それらの色すべてに「マルサラ」は相性が良く、新しい環境で与えたいデビューイメージを雄弁に語ってくれるコーディネートが可能です。
「マルサラ」は、多くの人にチャレンジしてほしい色
例えば、紺のスーツにマルサラのネクタイ。この組み合わせは、クラシックな印象を与えます。白のシャツ、紺のスーツ、赤のネクタイというのは、政治の世界でリンカーンが身に付けて印象をアップさせたパワーコーディネートです。今でも多くの政治家がここぞというタイミングで、この配色のコーディネートを用います。赤のネクタイは主張が強すぎますが、マルサラであれば赤の程よい主張を残したまま紺のスーツの落ち着きを際立たせ、落ち着きあるクラシック感を与えることができるのです。
また、黒のスーツにマルサラのネクタイ。この組み合わせは、カリスマ的な印象を与えます。黒という強い色にマルサラの神が宿る高貴な色を組み合わせることで、力強いリーダーシップを演出することでしょう。
最後に、グレーのスーツにマルサラのネクタイ。この組み合わせは、エレガントな色香漂う大人の印象を与えます。落ち着きがあるグレーに華やかなマルサラが、まるで華のような柔らかさと余裕を持ち合わせた印象を与えます。ビジネスシーンで浮くことなく、そして新年度のデビューを軽やかに演出するマルサラ。是非、多くの人にチャレンジしてほしい色です。
(谷澤 史子/イメージコンサルタント)
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