ロジクールのハイエンドマウスが『MX MASTER/MX2000』で6年ぶりフルモデルチェンジ
あのロジクールがなんと6年ぶりにフラグシップモデルのマウスを発表した。
新世代ハイエンドマウスの名前は『ロジクール MX MASTER ワイヤレスマウス』(型番:MX2000)。
今回のモデルも含めた、ロジクールのハイエンドマウスの系譜は次の通り。
2002年11月『MX700』
2004年10月『MX1000』
2006年 9月『MX Revolution』
2009年10月『M950t』
2015年 4月『MX MASTER』
“匠(たくみ)”の名を冠した『MX MASTER』。3月25日(水)に行われた発表会の情報、そして実際に使用した感想も含めてその特徴を特徴をお伝えしたい。
発表会では、ロジクール社のプロダクトマネージャー Arnaud Perret-Gentil(アルノー・ペレ・ジャンティ)氏、そしてクラスターカテゴリーマネージャーの古澤昭仁氏が登壇。
アルノー氏は「イノベーションと品質に注力し、より快適な体験ができるようデザインを行っている」と語った。
「一見、高級万年筆のような見た目ではあるが、46時中PCと向き合う人がより気持ちよく快適に操作でき、作業効率が高まることを目標とした」と古澤氏。そして「あらゆる分野の“匠”たちにヒアリングを行った結果“快適さ、正確さ、スピード”が求められていることがわかった」と続けた。
MX MASTERの主な特徴
・高いデザイン性と快適性を備えた筐体
ハンドクラフトで削り出しからいくつものパターンを経て設計されたデザインは美しくも手にぴったりとフィットする。フォルムとしては『MX1000』からの流れを引き継いでいるように感じた。
『MX MASTER』の親指部分には、特徴的な多面体の形状部分がやや外にせり出している。この部分によって安定感がさらに増しているが、実はこの箇所、ボタンにもなっているのだ。機能については後述したい。
触ってみると、見た目の高級感よりもかなり軽い(重量は145g)。そして、表面はしっとりと手に吸い付くようなラバー系の素材を使っている。見た目の硬さや重厚感は良い意味で裏切られると言えそうだ。
・スクロールホイール
ホイールは非常に軽く、カリカリという心地よい“ワンクリック・トゥ・クリック”、そして“高速スクロール”にも対応しているのだが、なんとホイールを回すスピードに合わせて自動でスクロール速度も変化し、メカニカルな感触も切り替わるのだ。
ゆっくり回しているときにのカリカリとした感触は、スクロールが高速化した瞬間に消えて、ホイールは慣性だけで回り続ける。そして再び止めるときに「クリック感が戻ってくる」のだが、この時の感覚はちょっとクセになる。説明が難しい個所だけに、一度実機で試してみて欲しいポイントだ。
・サムホイール
親指部分で回しやすいサムホイールは、主に水平スクロールに割り当てやすい。適度な重みがあるので、誤って回すようなことは少ないはずだ。サムホイールの採用にあたり、古澤氏は「従来の人差し指で左右スクロールさせるような形だと以外に指に負担がかかる」ことを例に挙げていた。
・高速充電
『MX MASTER』は1回の充電で最大40日間のバッテリー駆動を実現している(6h/日の駆動を想定)。
しかも、充電が切れても1分間の充電で2h駆動できる高速充電機能も装備。もしオペレーティング中に充電が切れたとしても、1分だけで作業に復帰できてしまう。
・2種類のワイヤレス接続方法を実現
これまでのロジクールデバイスではおなじみの『Unifyingレシーバー』による接続はもちろん、『Bluetooth Smart』にも対応した。また、Bluetooth Smartでの接続の場合の消費電力も抑えられている。また「UnifyingとBluetoothそれぞれでトラッキング性能が変わるようなことは一切ない」とも古澤氏は個別質問に答えてくれた。
・Easy-Switchボタン
背面の『Easy-Switchボタン』によって、最大3台までのPC/対応デバイスにペアリングすることができる。つまり、ノートやデスクトップにそれぞれ『MX MASTER』を登録しておけば、ボタン一つで簡単に切り替えることができるのだ。
環境によっては、この機能は手放せないものの一つになるだろう。
・ロジクールDarkfieldレーザートラッキング
『ロジクールDarkfieldレーザートラッキング』により、ガラステーブルはもちろん、光沢のある表面などこれまでのマウスが機能しなかったような“表面”でも、正確かつスムーズに使用することができる。さらには耐速度性能は+50%アップ、一報消費電力は33%ダウンさせることに成功している。ちなみに不可視レーザーとなっているので裏返してもピッキング部分は光っていない。トラッキング解像度は1000dpiとなっている。
余談ではあるが、筆者はこのマウスを触るまではひたすら有線(ケーブル)マウスにこだわってきた。恥ずかしながら「ワイヤレスマウスのレスポンスが今一つだ」という先入観からなかなか抜けきれなかった。そのことを古澤氏に話すと「では、このマウスの登場で、これまでの(ケーブル)マウスを使う日々は終わりですね」とニッコリ笑った。はたして実際に『MX MASTER』に触れてみたところ、氏の言うとおりになったことには正直驚いている。
・Logicool Options ソフトウェア
おなじみ『Logicool Options ソフトウェア』をダウンロードすることによって、『MX MASTER』の性能はフルに発揮されることを古澤、アルノー両氏が語っていた。
この制御ソフトがより直感的に進化してきたおかげで、好みのボタンに好きな動作を簡単に割り振れるのだ。
そして、サムホイールの下、親指でホールドできる“多面体”部分に隠されたボタンは、ジェスチャーにも対応している。
この部分を押しながらマウスを動かすことでアクションを登録できるのだが、人によって登録するアクションは様々になることが予測される。
たとえば、画像管理が多い人は左右を「画像回転」、上下を「画像拡大縮小」に割り当てて使うこともできるし、音楽を日常的に聞く人は上下でボリューム、左右で曲のスキップなどに割り当ててると便利かもしれない。
あなたが日常的に使うアクションを登録することで、『MX MASTER』はより使いやすくなるはずだ。
まさに満を持して登場した『MX MASTER』、ロジクールオンラインストア価格は12,880円(税抜)。これまでにロジクールのハイエンドマウスを使いこんだことのある人には、特にお勧めしたい使用感となっている。
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