心理学的に正しい値引き交渉が判明!「2000円でどう?」じゃなく「2000〜2500円でどう?」と聞け!
値引き交渉に関する研究は昔からあるんですが、よく言われてきたのが「価格の幅を持たせるな」というもの。
・ズバリ価格を伝える!!
たとえば、家電量販店などで値引きをしてもらいたい場合、「1割か2割ぐらい下げてくれません?」切り出すよりも、ズバリ「2割下げてくれませんか?」と言ったほうが良いって説であります。
・さまざまな交渉術
ところが、近ごろ行われた実験(英文)では、この説は間違いだったって結論が出たみたい。
・価格の「高いほう」に意識を向ける
これはコロンビアビジネススクールの論文で、まずは研究者の言葉を引用しますと、「長いあいだ、われわれは「価格の幅を持たせた交渉はするな」と生徒たちに教えてきた。価格に幅があると、交渉相手に選択肢をあたえることになり、選択的注意の状態が生まれてしまう。すると、交渉相手は、こちらが提示した価格の「高いほう」にしか意識を向けなくなるからだ」とのこと。
提示する価格のバリエーションを増やすと、相手にとって有利な値段が強調されちゃうからダメって話ですね。
・「幅を持った交渉」のほうが効く
ところが、「しかし、今回の結果には驚かされた。これまで学生に教えてきた説がくつがえってしまった。「幅を持った交渉」が100%効くというわけではないが、間違いなく交渉術の1つとして使う価値がある」というわけで、時と場合によっては「幅を持った交渉」のほうが効くみたい。
・値引き交渉を実践
具体的には、今回の研究では5つの実験が行われまして、いずれも現実にありそうなシチュエーションで値引き交渉を実践してもらったもの。車の取り引き現場などを設定して、実際にさまざまなパターンの価格交渉を演じさせたわけですね。
・相対的に定番商品を安価に見せる
その結果は、すべての実験で「幅を持った交渉」の圧勝。たとえば、フリマで2000円の本を売りたい場合、ストレートに「2000円でどうですか?」と切り出すよりは、「2000~2500円ぐらいでどうです?」と言ったほうが、希望価格で交渉が成立しやすいんだそうな。高級ブランドメーカーが、あえて誰も買わないような超高値の商品を作っておいて、相対的に定番商品を安価に見せるのと似てますね。
・買いたい値段の半額をふっかけてみる
この効果は逆の方向でも成り立つので、昔から値引き交渉でよく使われる「まずは買いたい値段の半額をふっかけてみる」って手法にも正当性がありそう。値引きの場面のほかにも、賃上げ交渉や価格付けの場面でも使えそうな話ですねぇ。
執筆: Yu Suzuki http://yuchrszk.blogspot.jp
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