「人間のピークは25歳」柳生氏発言の真意とは?

「人間のピークは25歳」柳生氏発言の真意とは?

ユニクロの柳井氏が入社式で「人間のピークは25歳」と発言

「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、入社式で以下のような発言を行いました。「人間のピークは25歳だと思っている。スポーツ選手でも科学者でも小説家でも。新入社員の皆さんはピークアウトが近いから、それ以降は経験と勉強。自分で学んで実行していく態度が必要だ」

一般的には、人間も動物も20代後半で体力・筋力は完成されるようです。それ以後は、現状維持に努めるということになるのでしょうか。一般社会で25歳といえば、会社では入社3年目となり、そろそろOJTなどからも解放され、自分スタイルの仕事を確立していく頃です。体力もあるこの時期に与えられたプロジェクトをやり通し、大きな自信を持つこともあるでしょう。しかし、柳井さんは25歳が絶頂で、以後は下降していくということを伝えたかったかというと、それも違うと思われます。

本来の生きる姿勢として、「自分の力で」という要素が重要

平成18年に経済産業省が、「社会人基礎力」というものを定義しました。この社会人基礎力は3つの能力、12の能力要素から構成されています。能力の基礎は小学校から始まる教育の場で培われたもので、社会人となった際には、どのように活用するかを新人研修やOJTで学び、以後は、自分の力で考えていきます。

本来の生きる姿勢として、この「自分の力で」という要素が重要ですが、それに気づいている人間は少ないかもしれません。社会人となり、束縛から解放された自由感で気が緩み、そのまま時間が何年も経過するという場合もあるでしょう。

柳井氏の発言の真意

柳井さんが愛読しているピーター・ドラッカーの本には、「成果を上げている人と上げていない人の差は、才能ではない。成果を挙げるかどうかは、いくつかの習慣的な姿勢と、いくつかの基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である」と書かれています。

25歳までは横に広がる知識や能力を他者から学び、それ以降は、自分の能力を見極めてそれを伸ばすために磨きをかけ、自分の専門性を見つけて深めていく。それは、自分の強みへと成長させていくことであり、柳井さんの発言の真意には、それが「真の成長である」というメッセージが込められているのかもしれません。

(自念 真千子/産業カウンセラー)

関連記事リンク(外部サイト)

ニート全員が取締役 ニート株式会社に見る人材育成の大原則
印象に残る!漢字を用いた年頭の挨拶
部下をやる気にさせる「飲みニケーション」のコツ

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 「人間のピークは25歳」柳生氏発言の真意とは?
JIJICO

JIJICO

最新の気になる時事問題を独自の視点で徹底解説するWEBメディア「JIJICO」。各分野の専門家が、時事問題について解説したり、暮らしに役立つお役立ち情報を発信していきます。

ウェブサイト: https://mbp-japan.com/jijico/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング