【百合嫁の日常】高校時代のバレンタインデー

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コミック 江川広実

 皆様、バレンタインデーは楽しみましたか?
 私はカノジョにチョコレートをあげたり、百合友達とチョコの交換会をしたりハッピーな一日を過ごしました。
 そんな私が十七歳の頃、初めてカノジョにあげたスイートなバレンタインチョコレートは手作りでした。
 しかし! 沢山作り過ぎてしまった私。
 四分の一を兄にあげ、四分の一を母にあげ……それでも山盛りです。
 さらに! 世の女子高生のようにラッピングなんていう考えが思い浮かばなかった私。
 入れる物がありません。
 登校時間。
 私が半べそをかいていると、母が私に手渡しました。
「これで持っていきなさい」
 それは寿司を頼んだとき残ったプラスチック大皿とビニールで出来た風呂敷状のもの。
 私はそれにチョコレートを並べ、笑顔で学校へと向かいました。
 今から思えばそんな妖しげな入れ物に入った手作りバレンタインチョコレート。数にして三十個近くありました。それも貧乏な私はフルーツを入れたり、クッキーにするのを思い付かず、ただ板チョコレートを湯煎し、再びハート型に固めただけの物を持っていったのです。
 それでもカノジョはとても喜んでくれて、美味しそうに食べてくれました。
 もちろん二人で食べきらず……残りのチョコは部活の友達に奪われたのでした。
 とても幸せな思い出です。

■ 百合嫁の日常  http://rensai.jp/author/fujimashion

※この記事はガジェ通ウェブライターの「fujimashion」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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