米国で導入間近の“動くWi-Fiネットワーク”、インフラの情報収集手段にも
昨年、ニューヨークで公衆電話を無料Wi-Fiスポットに変えていく計画を取り上げたが、今回は米国で進んでいる別のWi-Fiスポット設置計画を紹介したい。
・バスやタクシーがホットスポットに
路線バスやゴミ収集車、タクシーをWi-Fiホットスポットに変え、互いにそれらをメッシュ状につないでネットワークを構築するというものだ。
この計画を進めているのは、ポルトガル拠点のスタートアップ「Veniam」。すでに、ポルトガルの北部の都市ポルトでこの車両Wi-Fiを導入し、多くの市民が無料Wi-Fiを利用しているという。
このシステムは、車両に「NetRider」というデバイスを搭載することで街中にネットワークを構築する。市民は既存の回線を利用することなくインターネットを使用できるようになる。
・インフラ情報の収集も
そして、メリットはそれだけではない。街中にネットワークを張り巡らせることで、情報を効率よく収集してインフラなどの整備に生かせるようになるというのだという。
例えば、ネットワークにつながっているバスが走行中に大きなくぼみにはまったとする。センサーがキャッチしたその情報はネットワーク経由で行政当局に届けられ、当局は具体的にどの道路のどの部分を修理すべきかを把握できる。
また、街中のゴミ箱にセンサーを取り付ければ、満杯になったという情報が近くを通った車両経由で当局に届き、当局はピンポイントでゴミ収集車を手配できる。
米国では差し当たって、サンフランシスコ、ニューヨーク、オースティン、テキサスで展開する見込みで、間もなく第一弾に着手するという。
活用方法は上記以外にも、交通渋滞や大気汚染の監視などさまざまなものが出てきそうだが、まずは米国の都市でどのように運用されるのかが注目される。
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