ブックナビゲーターが選ぶ! 「読んでおくべきビジネス書」5選
「新刊ラジオ」というPodcast番組でブックナビゲーターとして1750冊以上の本を紹介してきたブックナビゲーターの矢島雅弘さん。ビジネス書を中心に文芸やサブカルチャー、生活実用書までさまざまな本を読み、番組での紹介という形でアウトプットをしてきた。
そんな矢島さんの読書術がついに一冊の本になった。
その名も『エモーショナル・リーディングのすすめ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)。たくさんのインタビューもこなすブックナビゲーターらしく、本を通して「著者との対話」を楽しもうと訴える一冊だ。
今回は本書について、そして矢島さんの読書遍歴についてお話を聞いた。後編ではブックナビゲーターが選ぶ「これは読んでおくべきビジネス書5冊」を選定してもらった。
(新刊JP編集部)
■ブックナビゲーターが選ぶ! これは読んでおくべきビジネス書5冊
――矢島さんは仕事以外でも普段も本を読まれていると思いますが、ご自身で本を探すときにどのようなポイントをもって本を選ぶのですか?
矢島:これはおそらく皆さんと変わらないと思います。まずタイトルと帯を見て、興味がわいたら、「はじめに」を読みます。この本の中でも書きましたが、僕は「はじめに」の部分がすごく重要だと思っていて、そこに著者さんの想いやこの本に至るストーリーが全て書かれているんですね。その想いやストーリーに共感できたら、読んでみよう、となります。
――その選び方だと、やはりタイトルが入り口になりますね。
矢島:タイトルは入り口ですね。そこで普段読まないジャンルの本も読んでみようかなと思いますし。
――最近タイトル買いした本はなんですか?
矢島:『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか』(ベストセラーズ/刊)という、保育士のてぃ先生が書いた本です。保育園児たちの面白くて意外な発言をまとめた一冊ですね。子どもってこんなに自由な発想をするんだという気づきがありました。
――では、ここからは矢島さんに、「これは面白かった、役に立った」という、これは読んでおくべきビジネス書を5冊、選んでいただきたく思います。新刊ラジオで紹介していない本でも大丈夫です。ご自身の気持ちでお願いします。
矢島:そうですね…。まずは瀧本哲史さんの『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社/刊)。この本をエモーショナル・リーティングするコツとしては、瀧本さんがなぜこの本を書いたのかというところに共感することです。共感ができれば、有効な「武器」を得られると思うんですね。熱意のある若い方は必読の一冊ですね。
続いては『ロジカル・プレゼンテーション』(高田貴久/著、英治出版/刊)です。僕は周囲からはロジカルに考えるねといわれますが、自分の中ではまったくそれができてないと思っていて。最初この本を読んだとき、しっかり精読して自分のモノできれば、ロジカルになれると思ったんです。本文中に小説形式のケース・スタディが入っていて、とても読みやすい一冊です。エモーショナル・リーディングをする場合は、その小説に感情移入をして、自分だったらどこで生かすかを考えながら読むことが大事ですね。ノウハウや知識だけを頭に入れても、使わなければ意味はないですから。
――その通りだと思います。
矢島:3冊目は『夢をかなえるゾウ』(水野敬也/著、飛鳥新社/刊)。言わずと知れた大ベストセラーで、エンターテインメント性も自己啓発的な要素も兼ね揃えている、素晴らしい一冊です。ビジネス書や自己啓発書で語られているさまざまな要素が散りばめられているので、ビジネス書を読んだことがない人は、まず本書を読んでみてほしいですね。
4冊目は『伝え方が9割』(佐々木圭一/著、ダイヤモンド社/刊)です。とても実用的な一冊で、僕自身も実践しています。例えばメールの中に「!」を入れると、相手に自分の感情が伝わるとか。これは自分に届いたメールに「!」が入っていたときに実感しましたね。僕の知り合いには読書家が多いのですが、みんな、この本は読みやすいと言います。
そして5冊目ですが、『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター/刊)を挙げたいと思います。放送作家の石田章洋さんの本で、分かりやすく企画の本質を教えてくれます。もともと石田さんが構成作家を務めている『日立 世界・ふしぎ発見!』(TBS系)という番組を夢中になって観ていたことがあって、こういうノウハウがあるのかと参考になりました。必ず仕事に役立つ一冊ですね。
――ありがとうございました。では、矢島さんの初めての本『エモーショナル・リーディングのすすめ』ですが、どんな方に読んでほしいと思いますか?
矢島:まずはビジネス書を普段読まない方ですね。ビジネス書はあまり得意じゃない、という方はぜひ読んでほしいです。それと、逆にビジネス書をたくさん読んできた人にもお勧めします。最近では若手の書評ブロガーさんも出てきていますし、ぜひともこの本のノウハウを実践してもらえれば嬉しいです。そして、もしブログに書評を書いていただければ、必ず読みます。本の紹介というアウトプットを通して、コミュニケーションをしていきたいですね。
――最後に、このインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いできますか?
矢島:僕は新刊ラジオという媒体で、音声を使って本の紹介をしていますが、この本はこれまで自分がやってきたことの集大成を書いたつもりです。ぜひ、読書が好きな皆さんに読んでいただいて、実践してみてほしい。そして、本を読むことで楽しさを感じたり、意外な発見をしてもらえれば嬉しいですね。
僕は日本で一番ビジネス書を愛する人間です。だから、皆さんにもっとビジネス書を好きになってもらえるよう、これからも頑張っていきます。
(了)
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