嫌な記憶の忘却効果、あの食べ物で確認、脳内に変化が現われる

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写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Giovanni Dall'Orto)

くよくよしてしまうような、思い出すのもはばかられるような記憶。できるだけ忘却のかなたに追いやりたい。

そんな心の傷を癒すのに、ある食べ物に効果があるようだ。

忘却させる効果がダブルで

米国エール大学を中心とした研究グループが。神経科学の国際誌であるニューロサイコファーマコロジー誌オンライン版で11月28日に報告したものだ。

そのある食べ物は、カレーライス。そのルーのもとになるウコンの成分クルクミンが効果を発揮するという結果が出ている。

研究グループは、ウコンの主成分であるクルクミンの脳内への影響を調べた結果として、短期的な記憶に対しては影響を及ぼさないにも関わらず、長期的な恐怖に関わる記憶がこびりつくのを抑制する効果があると確認をした。

さらなる効果もあり、それは恐怖の記憶を思い起こしたときに、心にとどまらないように押さえ込む、思い出すことのつらさを軽くする効果も確認できた。

その上、クルクミンの効果は遺伝子レベルで効いていると見られたのは興味深いところ。遺伝的に見ても、一部の遺伝子の働きをコントロールされていた。

嫌な記憶を忘却させるため仕組みが、いわば、一次的、二次的な段階に分かれて、遺伝子レベルで効いているわけだ。

PTSDにも効果?

研究グループは、一般的な嫌な記憶に対する効果を示したわけだ。

この嫌な記憶が病的に発展した心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対してもクルクミンの効果がある可能性を指摘する。治療のために使えるというわけだ。

カレーライスは普段何気なく食べているが、嫌な記憶を忘れさせるという思いがけない効果もあるかもしれない。気分が乗らないときにちょっと気にしてみたい。

文献情報

Monsey MS et al.A Diet Enriched With Curcumin ImpairsNewly Acquired and Reactivated Fear Memories.Neuropsychopharmacology. 2014 Nov 28.[Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25430781

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