ピザーラ・ドクターX……引っ張りだこ俳優・遠藤憲一が語る“旅”「若い頃は放浪癖があって急に牧場で働いた」

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全ては兄が遺した一冊の本から始まった。動画と写真で綴られたこの物語は、亡くなった兄の軌跡を辿って、夏のバルセロナと牛追い祭りで沸き立つパンプローナを旅するある男の紀行文であるとともに、彼の心の遍歴でもある……。俳優・遠藤憲一さんの渋い声からはじまるWEBドラマ「フィエスタ~SDカードが記憶を呼び覚ます~」が、現在TOSHIBAの特設サイトにて公開中です。

このドラマの脚本を手掛けたのは、高校時代から国内をヒッチハイクで周り、東南アジアやオーストラリアで暮らした経験をもとに『エグザイルス – すべての旅は自分へとつながっている』(講談社)など、多くの著書を持つロバート・ハリスさん。遠藤さん53歳、ロバート・ハリスさん66歳。旅を味わい、人生を楽しむ大人の男2人によるスペシャルインタビューをご紹介します。

Q:今回のWEBドラマは旅がモチーフのひとつになっていますが、オフに旅はよくしますか?
  
遠藤:旅、好きですね。ただ、最近は仕事以外では行けていなくて、アジアが舞台の作品が多いので、フィリピンにはいっぱい行っていますが(笑)。イタリアには旅行で行ったことがあるけれど、基本的にすごく好きです。若い頃は放浪癖があったので、急に牧場で働きたくなって北海道に行ったことも。当時は仕事がないのでエネルギーが余っていたから、あこがれ半分でしていた面があります。仕事があれば時間がなくなるので行けないですね。

ハリス:やっぱり(笑)。仮に一年くらい自由な時間があれば、また放浪してみたいですか?

遠藤:したいですね。目的を持たず。でも一年は長いので、一か月とか(笑)。ニューヨークとか島に行ってみたいですね。どこか教えてください。アメリカさえ行ったことないので。

ハリス:僕はバリ島に土地を持っていて、シチリアにもあります。マフィアにもらってね。『ニュー・シネマ・パラダイス』を撮った村があって、そこの怖い人に好かれてね(笑)。

Q:パンプローナを舞台とした、ヘミングウェイの「日はまた昇る」に影響を受けたそうで。
  
ハリス:そうですね。1920年代のパリなどにあこがれを強く抱いて、いつかはパリに住もうとか、そういう世界が広がった原点が、ヘミングウェイ。僕にとって大切な出会いです。

Q:こういったWEBのメディアの仕事に関わる際に、特に気をつけていることはありますか?
  
遠藤:声の話でいうと、バランスを気にしますかね。自分の声は映画館のスピーカーに乗る声で、テレビの場合は効果音などで薄まってしまう。だから、テレビの時は最後のチェックで、スピーカーで実際に聞いてバランスを確認してほしいですが、WEBの場合は、ヘッドフォンを使うかどうか、バランスがわからないので、そういう点では気にはしますかね。

ハリス:今後は増えていって、クオリティーも上がっていくはずですよ。ちゃんと勝負できるメディアじゃないかなって思いますね。何回でも観られますし、僕自身、何回でも楽しめるように今回書きました(笑)。だんだんストーリーが面白くなっていくんですよ(笑)。

Q:ちなみに最近の遠藤さんは、イメージを逆手に取った面白いキャラクターも多いですね。
  
遠藤:要求があれば演じますが、実際は難しいですよ(笑)。何度も何度も撮り直して、いろいろと試行錯誤はしますね。「ピザーラ」のTVCMなどは、いっぱい撮り直すことが当たり前みたいなクセがついちゃっていて、言われる前に何度もやろうとしていましたよ(笑)。

ハリス:あのタクシーの中のTVCMも大好きです。あれもいっぱい撮っているわけですね(笑)。

遠藤:たとえば「ドクターX ~外科医・大門未知子~」では気の小さい男の設定で、小さい野心は持っていますが、曲がった方向に行ってしまって、マヌケなことになってしまう男。これも新鮮でした。ただ、悩みはあって、過剰に演技するだけじゃダメで、ちょっとフッと抜ける感じがほしいじゃないですか。その中間を見つける作業が、すごく大変です。

このWEBドラマの朗読でも気持ちの部分を一番大事にしたいと思っていました。だから、気持ちを込めて声を入れたので、カメラが好き、旅行が好きという方には特におすすめしたいですね。

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東芝EXCERIA presents WEBドラマ「フィエスタ〜SDカードが記憶を呼び覚ます〜」

スペイン・バルセロナとパンプローナを舞台に、美しい景観やフラメンコダンス、また迫力満点の牛追い祭りなどを通して、まるで自分が旅を疑似体験しているかのような感覚を得ることが出来る。

http://www.exceria.info/drama/

藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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