日用品に“記憶のメディア”を表現———山本優美「うつしみ」展開催中
©Masami YAMAMOTO
今年5月開催の「SICF15」(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)で、参加100組のクリエーターの中からグランプリを受賞した山本優美による個展が開催される。
『存在の感触ーキャミソールー』
本展では初めて、作家本人と深く関わりを持つ自身の祖母の持ち物をモチーフとし、祖母のライフストーリーを重ね合わせ、時間と想いを丁寧に彫り込んだ新作が並ぶ。展覧会タイトル『うつしみ』は、‘この世に生きている身(現身[うつしみ])’を意味し、現代に生きる人の痕跡を「記憶のメディア」で浮き彫りにすると共に「映し」「移し」「写し」といった同音の語から、制作の裏側にある意図を彷彿とさせる。
『存在の感触ービニールサンダルー』
何の変哲もない日用品をモチーフとし、粘土を本物と見紛う程に精巧に手作業で象り、硬く焼き上げた作品の数々。柔らかな肌触りを連想させるモチーフが凍り付いたかのように永遠に形を定着させられ、同時に陶器特有のもろさを纏ったその姿は、かつてそれを身につけていた持ち主の哀歓を醸し出している。
山本優美は、焼く事により形を留める陶器を「記憶のメディア」として捉えている。日常的なモチーフを詩的な表現でアートへと昇華する技術の高さが評価されている。
山本優美『うつしみ』
会期: 2014年10月25日(土) – 10月27日(月)11:00-20:00
会場: ショウケース(スパイラル1F)ACCESS MAP
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」駅 B1、B3 出口すぐ
入場料:無料
お問い合わせ先:スパイラル TEL 03-3498-1171
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