OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.6 大貫亜美(PUFFY)×オカモトコウキ(後編)
OKAMOTO’Sのメンバーが友人はもちろん、憧れのアーティストなどをゲストに迎える対談企画第6弾は、オカモトコウキがサポートギターとしてライヴに参加した経験もあるPUFFYの大貫亜美が登場。コウキの身体に流れるPUFFYの音楽について、大貫の音楽遍歴、そして互いの共通点について、楽しくゆるやかな対談と相成りました。
(中編より続き)
——コウキ君もツアーが始まってますよね。
コウキ「始まりました」
亜美「どう?」
コウキ「すごくいい感じです。初日も今までで一番良かったくらいですし、昔の楽曲を演奏すると、『渋!』って思います(笑)。今まではアルバムをリリースしてその収録曲を中心にセットリストを組むことが多かったんですけど、今回はアルバムツアーではなく5周年のツアーなんで、ベストというか、今までの集大成的なコンセプトでやってます」
亜美「この曲やろうよというのは誰が決めるの?」
コウキ「今回は皆で話し合いましたね」
―いつもは?
コウキ「いつもはショウがわりと中心になって決めるんですけど、最終的には皆で決めてるかな。意見が割れたりもするけど、最後は全員が納得できるようなちゃんと民主的な感じで決めてます。曲順も、最初に組んで、実際にやってみてやっぱり違うなって共通して思うから、そこで入れ替えしていく感じですね」
―スタートは北海道でしたよね?
コウキ「はい、実はツアーの初日が北海道というのも初めてで。いつもは千葉からスタートすることが多いんですけど、今回は全8公演の短いツアーなんです。最後は野音ですね」
亜美「雨が降りませんように…」
―うわあー。嫌なこと言った!
コウキ「怖い!!(笑)」
亜美「私たち、野音が2回とも雨だったんだよね。土砂降りとパラパラで、来たゲストが皆風邪ひいたという。降らないといいね(笑)」
コウキ「それは絶対避けたいですね」
―ちなみにPUFFYはセットリストを誰が組むんですか?
亜美「えっと、一応由美ちゃんと私とスタッフで色々話すんですけど、私はほとんど置物みたいになってる(笑)」
コウキ「この楽曲だけはやりたいという要望なんかもないんですか?」
亜美「これやりたいはないんだけど、それは嫌っていうのはある(笑)」
コウキ「そっちだ(笑)」
亜美「あとはもう由美ちゃんが上手いことやってくれるんで。すごい頼りになるからね。でも今回はずっとやってくれてる舞台監督がいて、彼なりのこだわりもあるから是非聞かせてって言って、決めてもらう部分もある。曲が多すぎてさ、ベテランだから」
コウキ「多いですよね。俺らもだんだん増えてきてその感じがわかってきました」
亜美「チョイスに悩むよね」
コウキ「そう。結局全然入れられねえじゃんって」
―今のPUFFYのモードを表すセットリストになるんですね。
亜美「うん、多分。うちもリリースがあってのツアーじゃないから。3年ぶりの、ずっと待ってくれてた人たちに向けてもそうだし、初めて来てくれる人たちにも楽しんでもらえるような織り交ぜた感じです。お互いツアー頑張ろう。OKAMOTO’Sの野音、行くね」
コウキ「俺もEXシアター行きますね。俺もまたPUFFYで弾きたいし、もっと大きな野望を言うと、曲を書きたいんですよ」
亜美「えっ、いいじゃん! うちは随時受け付けてるよ、いつでもちょうだい! 本当にボツ曲募集の告知しようと思ってたもん」
コウキ「ええっ!?」
―ボツ曲募集って(笑)。PUFFYの曲はボツ曲じゃないですよね。皆が愛してる曲をくれてるから最終的に提供した本人が歌いだすじゃないですか。
亜美「そうそう。後になってセルフカヴァーしないって契約書に書いてもらわきゃ!」
コウキ「(笑)。でもちゃんと自分でも歌いたい良い曲ってことですからね」
亜美「この間椎名林檎さんもセルフカヴァーしてて、そりゃ本家のほうがいいに決まってるじゃん!(笑)」
コウキ「2つのヴァージョンでいいじゃないですか!」
亜美「吉井(和哉)さんとも『セルフカヴァーすることになったから、余計カッコよくしといた』とか言ってきて!」
コウキ「それ、すごいなあ(笑)。俺も募集の時期になったら頑張って送ろう!」
亜美「そうだよ。それで、ここのBだけ変えてくれない? とか」
コウキ「それはもう全然、個人レベルでやりましょ」
―これ、こっそりユニットができるかもしれませんね(笑)。
亜美「あははは。営業まわろうよ! SXSW出ようよ」
コウキ「決まった。じゃあ本当に随時送ります!」
亜美「うん、待ってる待ってる」
―とりあえずはツアー終わってから!
亜美「そうね、とりあえず本業に集中しよう」
コウキ「そうですね(笑)。PUFFYとは一緒にやって合うと思ったし、やっぱりルーツにあるなと思ったんで、そういうことできたら最高です」
亜美「こういう曲がライヴにあったらいいのになっていうのでもいいよ」
コウキ「そういう考え方もいいですね」
―いいですね、そのライヴに向かう感じ。次のリリースの予定は?
亜美「作る予定は……そろそろ募集しないとね!」
コウキ「お、募集きたー!」
―公式にきた!
亜美「NeoLをご覧のミュージシャンの方々、曲を募集しております!」
―あ、これでライバル増えた。
コウキ「いいじゃないですか、集まった方がいいですよ。切磋琢磨して」
亜美「ちなみにコウキ君が書いたらOKAMOTO’Sが演奏するっていうことでいいかな。あ、でも自分の好きな人を呼んでもいいよ」
コウキ「それもいいですね。夢が膨らむなあ。OKAMOTO’Sが演奏するのも楽しいですし、自分たちの曲じゃなくてもOKAMOTO’Sが演奏するっていうのもアリですよ」
亜美「それ、嬉しい! レコーディングは地方でやりたいよね。合宿しよう」
コウキ「合宿ですね!」
亜美「一番最初の『amiyumi』を河口湖スタジオで合宿して録って、すごく楽しかった。私たちが歌ってる横で民生さんがずっとキャスティングの練習してるの。紙コップを立ててそこにルアー入れるっていう(笑)」
コウキ「本当に釣り好きですね(笑)」
亜美「『俺、明日釣りに行くから、早くやれよ』みたいな。『先生、これまだ歌詞ができてないよ』って言ったら、『なんだよ』ってそこに寝っ転がって書いちゃう。それでできたら起こしてって」
コウキ「名誉顧問(奥田民生氏)は俺らのレコーディングの時もソファで寝てました。『民生さん、これでいいですか?』『うーん、聴いてる聴いてる』って(笑)。隣の部屋にいて、ドアがちょっとだけ開いてて『こっちの方が聴こえるから』ってずっとアプリをやってた。もう……素晴らしいですよね(笑)」
亜美「『顧問豊作』の時もすごかったよ。観に行ったら、楽屋に皆いるからって言われて、いきなり『どれ着ます?』『えっ、出るの!?』っていう。歌えるやつは全員コーラス強制参加になって、トップバッターで歌う住岡梨奈ちゃんだけが曲を持ってて、他は曲も知らない状態(笑)。梨奈ちゃんが曲をずっと流してくれてたんだけど、『覚えられるわけないよね〜』とか言って。お化粧品も借り物で、衣装は奥田のワークシャツだった(笑)」
コウキ「それに対応できるのが素晴らしいですね」
——自由でいい事務所だなあ(笑)。では最後に、それぞれのツアーに来てくれるファンの方へ一言御願いします!
コウキ「とにかく野音は、PUFFYのように雨が降らないように願ってます(笑)。でも雨が降っても、どちらにしろいいライヴをしますから期待してください!」
亜美「PUFFYもOKAMOTO’Sに負けないようないいライヴをしようと思ってます。ぜひ来てください!」
撮影 中野修也/photo Shuya Nakano
文 桑原亮子/ text Ryoko Kuwahara
PUFFY
大貫亜美、吉村由美によるユニット。1996年、奥田民生プロデュースによるシングル“アジアの純真”でデビュー。その後、“これが私の生きる道”“サーキットの娘”“渚にまつわるエトセトラ”など次々とヒットを連発。アジア・北米など海外での音楽活動も積極的に行い、各国で人気を博している。2004年11月からは、全米NO.1アニメチャンネルである「カートゥーン・ネットワーク」にて、 彼女たちを主人公にしたアニメ番組「ハイ!ハイ! パフィー・アミユミ」がスタート。その初回放送が過去最高視聴率を記録し、110カ国以上で放送される。2006年には国土交通省よりビジットジャパンキャンペーン米国親善大使を任命されるなど、日本のポップ・アイコンとして世界を舞台に活動中。10月10日の大阪・梅田CLUB QUATTROを皮切りに3年ぶりのライヴツアー“SWAG,SWAG,SWAG”が開催。詳細はHPにて。
OKAMOTO’S
OKAMOTO’Sオカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム『10′S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月には両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、
東京スカパラダイスオーケストラ、
ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。5周年アニヴァーサリーツアー「OKAMOTO’S 5th Anniversary HAPPY! BIRTHDAY! PARTY! TOUR!」が9月21日の札幌PENNY LANE24からスタート。ツアーファイナルは10月25日、東京・日比谷音楽野外大音楽堂。
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ウェブサイト: http://www.neol.jp/
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