エボラ熱患者 富士フイルム開発医薬品投与で退院
リベリア共和国で、エボラ熱感染患者の医療に従事していたフランス人女性医療従事者が、エボラ熱に感染しました。
女性はフランスへ移送され、未承認医薬品を投与する治療を受けていましたが、10月4日に、フランスのマリソル・トゥーレーヌ厚生大臣が、女性が治癒して退院したことを公表しました。
フランス政府は、女性患者にどのような未承認医薬品を投与したかについて、現時点では詳細を公表していません。一部のフランスメディアは、富士フイルムが開発(開発実務はグループ企業の富山化学工業)した未承認医薬品「ファビピラデル(商品名)アビガン」を含む3剤を投与されていたと報道し、話題になっています。
富士フイルムは10月6日、シエラシオネ共和国で医療活動従事中にエボラ熱に感染し、ドイツ・フランクフルト病院に移送されたウガンダ人患者に対して、ファビピラデルの投与が行われていることを合わせて公表しました。
本来、医薬品の投与については、原則として様々な試験を経た後、安全性が確認できたもののみ医療の中で使用されることが認められています。
したがって、今回は特例中の特例ということになりますが、感染が拡大する地域が広がっていることと、エボラウイルス感染後の致死率を考えると、予断を許さない状況になっていると言っても過言ではないでしょう。
本来、医薬品の輸出については、薬事法という法律で制限が設けられています。したがって、ドイツ・フランクフルト病院での未承認医薬品「ファビピラデル」の投与については、富士フイルムと日本政府が協議した上で提供を行ったとされています。
また、フランス政府とギニア政府は、未承認医薬品「ファビピラデル」の臨床試験の実施を検討しているとされています。
飛行機で人が移動できる時代ですから、感染の封じ込めに日本初の医薬品が効果を示してくれることを祈りたいですね。
写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より
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