見たらしあわせになれる!? 京急イエローハッピートレイン誕生の経緯を徹底取材!
横浜のココがキニナル!
5月から運行を開始した京急イエローハッピートレインの運行に至るまでの経緯を教えて。違う色の候補はあった?/頻度は?(nobbysさん/miyukidさん/はんちゃんさん/きよたんさん)
はまれぽ調査結果
京急イエローハッピートレインは黄色い保守車両を見たら「幸せになれる」という鉄道ファンの噂から運行開始。今後ほかの色の電車が走行するかは未定!
松宮、激レアな“しあわせの黄色い電車”に遭遇!?
実は松宮、京急の「スイーツカレンダー*1」を上大岡駅で取材中、担当者の方と「京急ハッピートレインはなかなか見られないですよね・・・」と話していたところ・・・
*1:「京急線駅構内にある期間限定で全国各地のスイーツを販売している「スイーツカレンダー」はどうやって決まっている?」 『はまれぽ.com』
http://hamarepo.com/story.php?story_id=3156
なんと! ちょうどウワサの“ハッピートレイン”が向かいホームに到着し、大興奮!
電車を見た後、この日は一日しあわせだった!
京急の電車と言えば“情熱の赤”!
だが、なぜ黄色なのか? はまれぽでもお馴染み! 京急・広報の飯島さんに問い合わせてみることに!
「京急イエローハッピートレイン」が誕生するまで
「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN(京急イエローハッピートレイン)」が運行開始したのは2014(平成26)年5月1日。ちなみに最初の営業列車は“京急久里浜駅6:40発 特急青砥行(by飯島さん)”。
“赤い”というイメージがあった京急に黄色い電車が登場!
続いて「京急イエローハッピートレイン」を運行させようと思ったきっかけを尋ねる。
もともと京急では、機器・機材の運搬や救援車、保守用車として黄色い「電動貨車」を走行していた。京急の電車といえば“ほとんど赤”。その中で黄色い「電動貨車」は異色の存在だった。
また、走行するのは「週に1~2度ほど」。主に「神奈川新町から久里浜工場信号所(北久里浜駅~京急久里浜駅間にある車庫)間」を中心に走行。回数や区間が限られている上、運行予定を公表していないため、「出会えるのは極めて稀(まれ)」。そのため、「電動貨車を見ることができたらしあわせになれる」と鉄道ファンの間で人気になっていたそうだ。
「電動貨車」は以下の3編成が存在する。
デト11・12形:主に機器・機材の運搬用として一部区間で週に1~2回程度運転
デト15・16形安&・デト17・18形:主に救援車として万一に備え、車庫に待機
ちなみに“デ”は電動、“ト”は無がい車(トラックのト)を意味する。11・12などの数字は形式や車号(電車の番号)を表す。
駅に停車中のデト11・12形
こちらはデト17・18形
デト11・12形&17・18形は2両編成で運転台部分以外は「トラックの荷台のような形態をしている」と飯島さんが説明してくれる。
“貨車のトラックのような荷台”に機材を積み込む、貴重な画像!
デト11・12形の製造は1988(昭和63)年。デト11・12形の部品は以前活躍していた1000形の電車(1958<昭和33>年に製造したもの)を流用し、改造したんだそう。1958年から通算すると、なんと! “56年目になる”という長寿車両らしい! このデト11・12形の登場前には「デト20形とデト30形の計6両が在籍」しており、「こちらも昭和40年代から黄色塗装だった」とのこと。ちなみに黄色塗料の前は“灰色”だったんだとか!
京急ではこの「(京急の)黄色い電動貨車を見かけると幸せになる」というウワサを耳にしており、「この人気に応えたい」「沿線にしあわせを広めたい」との想いから、「京急イエローハッピートレイン」の走行開始が決定。そのため、もともと「黄色」という色は決まっていたので、「ほかの色にしようという案はなかった」そうだ。
構想から運行開始までの期間は「1年ほど」らしい。
「京急ハッピートレイン」は今日も沿線にしあわせを運ぶ
“イエローハッピートレイン”は既存の赤い電車を黄色に塗り直したもの。した。ちなみに「今後、ほかの色の車両が走行するのか」は未定。
ところで“イエローハッピートレイン”と命名されたのはナゼか? 飯島さんに伺うと、やはり「しあわせを運ぶ黄色い電車」として命名されたとのこと。ほかには「候補はなかった」ようだ。
7月4日には、この「電動貨車」をモチーフにした「けいきゅうビニールバッグ(1000円)」も発売された。
「けいきゅうビニールバッグ」はブルーとレッドがある
なので、男の子でも女の子でも使えるのがうれしい!
「京急イエローハッピートレイン」は「突如現れたのか!?」と思っていた松宮。だが、「電動貨車」が“昭和40年代から走っている”と考えると、京急の黄色い電車には40~50年の歴史があり、「脈々と受け継がれてきたもの」という気がする。
「電動貨車」ではないが、京急にはそのほかにも黄色い保守用車がある。
軌道の保守作業を行う保守用車:マルチプルタイタンパー
引き続き、飯島さんに「京急イエローハッピートレイン」について伺うことに!
「京急イエローハッピートレイン」はいつ見られるの!?
京急の在籍車両は796両(7月末現在)。そのうち、 “ハッピートレイン”の車両はわずか8両。また、128編成(車両を組成したもの)のうち、わずか1編成しかなく、ざっと計算すると、“ハッピートレイン”が在籍車両に占める割合は「1%」と激レアなのだ!
“ハッピートレイン”を見ると、「ホームで歓声が上がる」「子どもたちが手を振る」など、沿線利用者や鉄道を愛する人々からも大好評!
“ハッピートレイン”は早くも人気者に!
が、しかし! 「いつ走るのかわからないのでは・・・」と思い、飯島さんに聞いてみると、前日または当日の運行スケジュールは運行日前日の14時以降に「京急ご案内センター」で聞くことができる、と教えてくれる。これはありがたい! 1日に「京急イエローハッピートレイン」が走る本数は日により異なるが、多い時で12~15本ほど。運行区間は品川駅から三崎口駅がメイン。
横浜駅の下りホームで「ハッピートレインを撮影しに来た」という親子連れに遭遇
前日に「京急ご案内センター」に問い合わせし、「運行スケジュールをチェックした」とのこと。
と、ここで“ハッピートレイン”は「西武鉄道の電車と似ているが、何か関係があるの?」という松宮の知人による質問を尋ねる。すると、多くの鉄道ファンから同様の声が上がったため、“これも何かの縁”と京急から西武鉄道にラブコールを送り、コラボが決定!
2つの電車を見比べてみると・・・確かに似てる!
京急が“ハッピー(しあわせ)”ならば西武鉄道は“ラッキー(幸運)”! と、いうことで西武鉄道の9000系車両に京急のシンボルカラー・赤を塗装して白いラインを入れ、縁起のよい「紅白」をイメージ。「幸運の赤い電車」として7月19日より運行が開始された。
「京急×西武鉄道」のユニークなコラボ!
イベントも開催中(8月31日まで)
京急&西武線沿線での「ハッピー&ラッキーなスポット」とエピソードを募集する、とのこと。
・・・“ハッピー”や“ラッキー”、日本伝統の“紅白”など、「とにかくめでたい感じ」
「“しあわせ”は思わぬところにも広がっている」と確信した松宮。
今後のイベントは!?
続いてほかのキニナル投稿にある5月25日に行われた「京急ファミリー鉄道フェスタ2014」について伺うことに。同イベントは「株式会社京急ファインテック久里浜事業所」にて開催された“京急車両工場を年に一度公開する”というもの。1万人以上が参加し、大きなにぎわいをみせた。
当日は家族で車掌さんの役割を学ぶ「京急車掌さん学校」や花で京急のイメージキャラクター“けいきゅん”をつくる参加型のイベントなどが開催され、多くの人々が楽しんだという。
花でけいきゅんをつくる参加者
きれいな花々でつくられた“けいきゅん”がかわいい!
イベントでは保存車両の車内提示や「京急イエローハッピートレイン」など、新塗装の車両が登場。
“黄・青・赤”の3色カラーが並ぶと華やか!
(写真は左から)新1000形「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」・600形「KEIKYU BLUE SKY TRAIN ANA塗装」・2100形。
京急のイベントは独自性があり、とっても興味深い! 「今後のイベント」について聞いてみる。近々だが、8月23日にニッポン放送ラジオ番組「“大谷ノブ彦キキマス!”とのコラボイベントが三浦海岸で開催される」と飯島さん。イベントでは、京急川崎駅から三浦海岸駅まで臨時電車『京急「キキマス!」トレイン』を運行。海の家でもイベントを開催するというので見逃せない!
ニッポン放送ラジオ番組「大谷ノブ彦キキマス!」とのコラボイベントを開催
8月30日にはなんと! 20歳から40代までの独身男女300人が集う婚活イベント「しあわせの黄色い電車『京急』でTHE 鉄コン! in横須賀」を開催。3月に開催した時には男女200人が参加した。だが、大好評だったため、今回は「300人が参加する予定」で“すでに満員”という盛況ぶり!
・・・鉄コンがどんなイベントなのか!? ものすごく“キニナル!”
運行開始から約3ヶ月。すでに多くの人々にしあわせを運んでいる「京急イエローハッピートレイン」。しかし、運行は「3年間の期間限定」。なので、期間内に見ておきたい!
取材を終えて
以前、取材中に偶然「京急イエローハッピートレイン」を見ることができ、大興奮した。その時はまさか、自分が取材できるとは思ってもいなかった。だが、取材することができ、とてもうれしい。
京急というと“赤”。そのため、“ハッピートレイン”を見た時はその異質な姿にとても驚いた。だが、以前から走行している「黄色い電動貨車が発想のきっかけ」と知り、突如生まれたのではなく、「京急の歴史を受け継いだものなのかもしれない」と思った!
みんなに笑顔を運ぶ「京急イエローハッピートレイン」また見たい!
―終わり―
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