KORGのelectribe新章突入、ニュー・ラインナップ2種発表!
KORGは、このたび electribeの新シリーズとして「electribe」そして「electribe sampler」の発売を発表した。
ダンス・ミュージックの制作環境がDAW+プラグインが一般的になってすでに10年前後になるが、ここにきて、むしろここ数年はガジェットによるライヴ性を重視した楽曲制作、そしてライヴそのものが重要視されている傾向にあると言えるだろう。古いアナログ・シンセを使ったロウ・ハウスや、モジュラー・シンセのブーム、またはYouTubeなどで拡散されるエクストリームなガジェット系機材によるビートメイキングやライヴ演奏は、まさにそんな動きを象徴する動きだ。
そんな動きに同調するように、Volcaやmonotronといったイージーで奥深いものから、名機、MS-20の復活機=MS-20 miniなどヒットを生み出しているKORGが、2000年代にはまさにそうした音楽制作系ガジェットの、ある種の雛形ともなったelectribeを復活させる。
シンセ&シーケンサーなど統合した「electribe」、そしてサンプラー&シーケンサーの「electribe sampler」の2種。どちらも、各種、ライヴのときに威力を発揮しそうな大きめのつまみと、シンプルなパッドのコントローラー、さらにはkaossilatorでおなじみ、タッチ・パッドが特徴的だ。16個のパッドを使い、ステップ・シーケンサーとして楽曲を入力することや、タッチ・パッドによるドラム入力、演奏機能もあり、ライヴや音源制作に直感的なさまざまな効果を反映できる。ヴァイナルでのスクラッチのように楽曲を止めるkaoss padシリーズ譲りの「Vinyl Break」など、さまざまなライヴでの効果もタッチ・パッドで行える模様だ。
どちらかと言えば、DJが直感的に操作し、ダンス・トラックを制作やライヴに使用するという用途に向いた機材コンセプトのため、多機能ながらできうる限りシンプルなコントロール環境が用意されていると思われる。
「electribe」、アナログ・モデリングとPCMサンプルからなるオシレーター波形は 409種類。アナログ・モデリング音源は、シンプルな 基本波形から複数を組み合わせる Dual、Unison、Sync、Ring Mod、Cross Mod など幅広いバリエーションを備え、PCM音源はリズム系を中心にキーボード用のマルチ・サンプルまでをカヴァー。音作りの中心であるフィルターは KingKORG 直系、定番シンセサイザーをシミュレーションしたフィルター・アルゴリズムを搭載し種類を選ぶだけで“あの音”が入手できる。
「electribe sampler」では自分だけのオリジナル・サウンド(サンプル)が使用できるサンプル音源に加え、シンセ・ベースやパッド系の音色に便利なタイプのアナログ・モデリング音源も数種搭載。サンプル音源はプリセットとユーザー合わせて最大999 個、モノラル換算で270秒利用可能で、工場出荷時にはドラムやリズム/フレーズ・ループ、ヒット系サンプルが多数搭載されている。またサンプルは「タイム・スライス機能」で、フレーズのアタック部分を検知し最適にチョップし、音にあまり変化を与えずに、 任意のテンポに合わせて鳴らすことも。またスライスしたパーツをステップや各パートにアサインするなど、バラバラに使用することも可能。またサンプルにエフェクトをかけ、ピッチやモジュレーションなどノブを操作し変化を与えながら、 「リサンプリング」することもこの機種内で可能だ。
KORG electribe MUSIC PRODUCTION STATION
どちらもMIDI IN/OUT に加えて「Sync IN/OUT」を搭載し、volcaシリーズや monotribe、MS-20 miniなどといったアナログ機材とも同期可能で、単三x6本の電池駆動を実現し、Volcaシリーズなどとも同様のモバイル性を実現している。
また、ダンス・ミュージックにおいて多くのクリエイターが使っているDAW、Ableton Liveとの連携が可能で、これら新electribeで制作したパタンやなどはAbleton Liveの形式に書き出し、編集が可能となっている。とはいえ、electribeシリーズということを考えれば、恐らく、かなりのものが1台でできるはず。
「electribe」が54,000円(税込み、本体価格)、11月上旬発売予定、「electribe sampler」は2015年の、来春発売で価格は54,000円(税込み、本体価格)になる予定のようだ。
(河村)
・KORGのelectribeシリーズ公式ページ
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