家事代行に外国人解禁、働く女性支援につながるか?
現在、家事代行サービス利用率はわずか2%
安倍内閣の描く成長戦略のうちのひとつ「女性活躍推進」のために、家事分野における外国人の受け入れ施策が発表されました。しかし、現在考えられている案は、残念ながら働く女性の支援には直結しにくいようです。というのも、働く女性が本当に家事代行を望んでいるのかといえば、「料金が高い」「自宅に他人が入ることに抵抗がある」という人がまだまだ多く、結果、家事代行サービス利用率はわずか2%に留まっています。
では、外国人の家事労働者を受け入れることを歓迎しているのは、いったいどんな女性たちなのでしょうか?家事代行会社シェヴの柳社長は「これまでの家事代行のヘビーユーザーである、会社経営者や医師、弁護士、外資系企業のキャリア女性たちだろう」と考察しています。現状では「派遣型」のビジネスモデルの制約から価格が高く、高所得者向けのサービスとなってしまっています。一般の共働き家庭での利用が促進されていないのが現実のようです。
外国人解禁となっても活用増は期待できない
共働き・ひとり親世帯に向けのハウスキーパー マッチングサイトを運営する「タスカジ」の和田幸子社長は、自身も日本永住権を持つ外国人のハウスキーパーを利用しているようですが、今回の政府案に対し、このような趣旨の提言をしています。「外国人労働者を、代行会社が雇用して家庭に派遣するというやり方では、利用料が高くなってしまい、結局利用できる人がおらず、一般家庭の共働きでの利用は促進されない結果になりかねない。外国人ハウスキーパーの受け入れをする際には、個人契約を促進して、まずは価格の問題を解決することが最優先だと考える」。
現行の入国管理法例で、外国人ハウスキーパーは外交官や外国人の個人的使用人としての雇用に限られて、日本人が雇うことは認められていません。そのような制限がなく、誰でも個人契約ができる仕組みがあったり、会社の福利厚生などで安く利用できる制度があったりすれば、活用がもっと増えるのではないかと思います。
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