【Interview】読書の新たな楽しみ方を提供する「Bookドリル」開発裏話
本や雑誌の概要をわずか3分で把握できる、クイズ形式の新感覚アプリ「Bookドリル」が話題を呼んでいる。
興味のあるカテゴリ、タイトルのBookドリルを検索してセレクト。本の内容に基づいて設問が出されるので、その都度選択肢をタップしていく。診断が終了すると、正解率が表示される他、本の著者からコメントとアドバイスがもらえるという、うれしいおまけがつく。
読者は短い時間で興味ある分野の造詣を深め、著者は読者の回答から、次回執筆のヒントを得ることができる。クイズという手法を通して、これまで一方通行だった著者と読者の関係を近づけ、双方のメリットを確立したのだ。
読書の世界に一石を投じる双方向メディアとして、注目のアプリ。はたして、その開発の裏側には、どんな物語が潜んでいるのだろうか?提供元のライムス、代表取締役、吉村 光司(よしむら こうじ)氏に伺った。
きっかけは社内の「読書会」
Q1、アプリ開発の経緯について、お聞かせください。
弊社では社員に読書を推奨しており、月に一度、当月読んだ本の紹介とレビューを話し合う「読書会」を開催しております。(中略)その読書発表会のなかで「読書クイズ」を始めたのですが、何度も読んだ本であっても、抜粋して質問すると答えられないということが多々あったのです。
読んでわかっているつもりになっていても、実際には読書という行為で満足しているだけだったのです。本を読んで「設問を作り」、それに「回答する」。そこに問題解決力の向上のカギが隠されているのでは?と着目したのが始まりです。(中略)
さらに、自身の経験から、特にビジネス書において深い学びを得られるのは、「本の著者に直接会って質問すること」だと実感していた私は、前述の要素とうまく結びつける手法を模索しました。そこで、本の内容をクイズ化し、著者本人に回答してもらうというドリル式のアプリを考案するに至ったのです。(中略)
Q2、開発の際、苦労されたのは、どのような点でしょうか?
最も苦労するのは、まったく無知の分野の本であっても、1冊1冊を読み込んで、本当に理解しないと設問を制作することができないという点です。
最初は設問の作り方がわからず、資格系専門学校で疑似問題を制作している先生に、教えてもらいに行ったりしました。読んだつもり、わかったつもりでは、決して面白い設問を制作することはできませんから。(中略)
現在、「Bookドリル」の設問制作は当社のスタッフが行っておりますが、近い将来には、ユーザー自身が設問とアドバイスをレビューの方式でできるようにしたい、と考えております。(中略)
たった3分で本の概要を理解する、その感動を味わってほしい
Q3、ユーザーからの反響はいかがでしょうか?
これまでにありそうでなかったサービスということで、多くの反響をいただいております。「Bookドリルのタイトルをもっと増やしてほしい」というご要望もありました。2017年末までに1万冊の本を順次Bookドリル化してまいりますので、ご期待いただければと存じます。
また、これはクレームなのかもしれませんが、「設問が難しすぎる」というご意見もいただいております。しかし、私どもとしては、簡単に解けない内容だからこそ、何度もチャレンジし、知識と知恵を蓄えていただけるものと信じております。
現在は、普段から読書をする読書家の方に多くご利用いただいているようですが、読書が苦手な方にも入り口として是非、お試しいただきたいと思います。
Q4、これからアプリを使うユーザーに、メッセージをお願いします!
読書はしたいけれど、「何を読めばいいのかわからない」「忙しくて読書する時間がない」という方。読書はしているけれど、「読んだ本の内容を本当に理解できているか知りたい」「本の著者からアドバイスをもらいたい」という方。そんな方のために「Bookドリル」を開発しました。クイズに答えて、たった3分で本の概要を理解できる感動を共有してください。
ウェブサイト: https://techable.jp/
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